中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.23 / 掲載日:2006.05.10

トヨタ マークX 中古車購入チェックポイント(2006年05月)

  • トヨタ マークX 中古車購入チェックポイント

    トヨタ マークX

    参考車両:マークX 250G Lパッケージ
    初年度登録:2005年1月

  • トヨタ マークX

■全体のチェックポイント

丁寧に乗って、手入れの行き届いている車両も比較的多いといえるが、中には整備に無頓着だったり、改造車もあるので、運転や扱い方を推察しながらチェックしよう。また、高級車というからには、インテリアの傷みは大きなマイナス。電装機器類も、すべて作動具合を調べよう。エンジンや走行機能系は、整備記録を探るが、できれば試走して、走行中に異音や不具合が出ないか、確かめたい。

  • 1.雰囲気を見る

    トヨタ マークX(後面)

  • 1.雰囲気を見る

     少し離れた位置から車両の雰囲気を見てみよう。車体前面は、バンパー(フロントグリル)とボンネットの横線が揃っているか。後面も同様に、バンパーとトランクリッドの線に違和感がないかチェック。
     また、ヘッドライトやテールランプも、左右を比べながら、よく見てみよう。片方だけ新しい場合は、交換しているかもしれない。交換は、ライトが破損しただけなのか、事故の修理に付随して行ったのか、周辺を調べて理由を確かめる必要がある。

  • 2.車体の表面を観察する

    トヨタ マークX(車体表面)

  • 2.車体の表面を観察する

     車体のライン(特に角の線)をチェック。流れに乱れがあったり、ずれている場合は、ダメージを受けていることが考えられる。
     塗装が肌荒れのようになっていたら、修理や補修した跡かもしれない。また、しわが寄っているのは、衝撃を受けたか板金修理跡と判断するのが妥当だ。
     斜めから角度を変えながら観察すると、見落としやすい浅くて広い凹みなども見つけやすい。

  • 3.エンジン管理状態を探る

    トヨタ マークX(エンジンルーム)

  • 3.エンジン管理状態を探る

     できれば点検整備記録とつき合わせて、エンジンと周辺の部品をチェック。オイルのにじみや汚れにも注意しよう。冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキ、パワーステアリング、ウォシャーの液量なども点検したい。
     周囲と比べて新しく見える部品は、交換していることが疑えるが、記録簿を見れば、トラブルが発生した箇所や修理の経緯、部品交換などがわかるはずだ。

4.鉄板部分の様子に注意

 エンジンルーム内のインナーパネル(内側の鉄板)を観察してみよう。歪みが残っていたり、不自然な塗装、溶接やシーラーの異常などがあれば、車体内部にまで及ぶ大きなダメージを受けて修理している。
 サスペンションのマウント部(上部の取り付け部)も、見てみよう。マウントラバーが新しい場合は、足まわりを損傷して修理している疑いがある。

  • 5.フェンダーの異常を探る

    トヨタ マークX(フェンダー)

  • 5.フェンダーの異常を探る

     エンジンルーム内をチェックする時に、フェンダーの固定ネジを調べてみよう。
     ネジの頭の塗装に傷が付いているなど、工具を使ってネジを脱着した形跡があれば、フェンダーを交換している可能性がある。
     傷や凹みを補修したり、交換していても、きれいに直していれば事故車(修復歴車)の扱いにはならないが、車体の前部を広範囲に修理している疑いもある。
     交換していなければ、大きな事故は起こしていないといえる。

  • 6.ボンネットをチェック

    トヨタ マークX(ボンネット)

  • 6.ボンネットをチェック

     表面の傷や凹み、そして内側に修理跡がないかを、まず点検。
     損傷を受けると、新品と交換することも少なくない。支えている金具(ヒンジ)の固定ネジを調べて、脱着した形跡があれば、交換している可能性が高いので、車体前部を詳しく調べてみよう。
     まれにエンジンの修理などで外すこともあるが、その場合は、整備記録が残っているはずなので、確かめてみよう。

  • 7.隙間と色を見る

    トヨタ マークX(立て付け)

  • 7.隙間と色を見る

     各部の立て付けをチェックしよう。例えば、車体前部では、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラスを挟んだ左右の柱)、ボンネットなど、それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、ダメージを受けているか、修理している可能性が高い。
     車体の左右同じ場所を見比べるのもチェックのコツだ。
     また、修理や交換で塗装すると、仕上がった色が微妙に違うことがある。隣り合う外板パネルの色調が合っているかも、丹念に観察してみよう。

8.側面のダメージを推察

 車体側面に大きな損傷を受けると、ドアを交換することも多い。ドアを支えている金具(ヒンジ)の固定ネジをチェック。
 ただし、新車の組み立て時やドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着しているように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。

  • トヨタ マークX(ヒンジ1)

  • トヨタ マークX(ヒンジ2)

9.後部のチェックポイント

 トランクリッド(蓋)を開閉して、スムーズにロックできない場合、あるいは閉めた状態の立て付けを見て、全体に隙間が違っていれば、リッドのずれか、車体の歪みを疑ってみる。
 右または左だけ、片側の立て付けに異常があれば、フェンダー部を修理していると判断できる。
 修理箇所を見つけたら、衝撃が波及していないか、関連する部分も詳しく調べる必要がある。

  • 10.開口部の状態を調べる

    トヨタ マークX(トランクルーム開口部)

  • 10.開口部の状態を調べる

     トランクルームの開口部を見てみよう。部分的にカバーされているが、フェンダーに繋がる部分とリアウインドウの下部は鉄板が見える。塗装の異常や板金修理跡などはないか、チェック。
     トランクリッドのステー下部の固定部分にも注意しよう。左右を比較しながら観察すると、異常を判断しやすい。

  • 11.トランクリッドを確認する

    トヨタ マークX(トランクリッド)

  • 11.トランクリッドを確認する

     外面の凹みや傷以外に、内側に修理跡はないか探ってみよう。
     後部に大きなダメージを受けると、交換することもある。固定ネジに手を加えた痕跡がないかも、調べてみよう。
     後方から強い衝撃を受けると、他の部分に波及しやすい。交換した疑いがあれば、フェンダーやルーフなど、周辺に修理跡はないか、再チェックしよう。

  • 12.トランクルームの床を見る

    トヨタ マークX(スペアタイヤ)

  • 12.トランクルームの床を見る

     スペアタイヤは、収納状態を確認したら、外してみよう。大きな衝撃による歪みなどが床部に残っているのを見つけることもある。
     塗装した形跡は、板金修理やパネル交換修理の疑いがあるので、周辺の状態まで詳しく調べて判断する。また、水溜まりの跡などがあれば、水が浸入した原因を突きとめる必要がある。

  • 13.床下を覗いてチェック

    トヨタ マークX(床下)

  • 13.床下を覗いてチェック

     鉄板部の傷や凹み、各部支え金具類の歪みや変形などはないか、さらに、マフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかも探ってみよう。
     外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分はそのままにしておくことがあるので、事故などで受けたダメージの痕跡を見つけることがある。

  • 14.リアドアまわりを観察する

    トヨタ マークX(リアドアまわり)

  • 14.リアドアまわりを観察する

     リアフェンダー周辺を修理した車両には、開口部にマスキングした跡が残っていることもある。
     また、タイヤハウス内に塗料が付着していないか、さらに、アーチ(タイヤハウスの角)の折り曲げ部に修理した形跡がないかも探ってみよう。

  • 15.給油口にもヒントがある

    トヨタ マークX(給油口)

  • 15.給油口にもヒントがある

     フューエルリッド(給油口の蓋)開けて、マスキング跡などはないか、チェックしよう。
     フューエルリッドを外したり、交換していれば、リアフェンダーを修理していることが疑える。その場合は、板金修理跡や交換跡がないか、詳しく調べてみよう。

  • 16.エンジンをかけてみる

    トヨタ マークX(始動)

  • 16.エンジンをかけてみる

     スターターモーターの勢いが弱かったり、始動がもたつく場合は、バッテリーが弱っていたり、エンジンの調整が必要かもしれない。また、回転中に異音が聞こえり、大きな振動が出ていれば、トラブルを抱えている可能性がある。
     実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズにエンジン回転が上下するかどうかも試してみよう。

  • 17.操作して機能を確認する

    トヨタ マークX(装備機器)

  • 17.操作して機能を確認する

     ターンシグナル(ウインカー)やライト類、ワイパーなどはもちろん、オーディオやカーナビなどの装備機器をチェック。
     運転席まわりだけでなく、後部座席のパワーウインドウの開閉なども確かめよう。
     エアコンは温度調節や風量を試すなど、電装品は「機能を操作してみる」ことがポイントだ。
     標準装備類はもちろん、純正オプションや後付けの社外製品でも、取扱(使用)説明書が揃っていることも確かめよう。

  • 18.シフト具合を確かめる

    トヨタ マークX(セレクトレバー)

  • 18.シフト具合を確かめる

     エンジンをかけたら、ブレーキを踏んだまま、セレクトレバーを動かして、各ポジションにスムーズに入るか、確かめてみよう。
     できれば試走して、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないかもチェックしたい。
     アクセルを踏んで、動き出す時や加速する時のタイミングが異常に長い場合は、機構不良の疑いがある。

  • 19.シートのへたりにも注意

    トヨタ マークX(シート)

  • 19.シートのへたりにも注意

     染みや傷、たばこのこげ跡などをチェックすると同時に、座り心地も確かめてみよう。
     特に運転席のドア側サポート部は、乗る時に体重がかかるので、へたり具合も探ってみよう。

  • 20.タイヤの状態をチェック

    トヨタ マークX(タイヤ)

  • 20.タイヤの状態をチェック

     4輪とも、残り溝の深さを点検。同時に、タイヤ側面にあるサイズも調べてみよう。フロントドア開口部に貼ってある「タイヤ空気圧」を見れば指定サイズがわかる。
     タイヤ外周の接地面を見て、一部が極端に減っている偏摩耗を見つけたら、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているだけなのか、あるいはダメージを受けて車体が歪んでいるのかを確かめる必要がある。

  • 21.整備状態を把握する

    トヨタ マークX(整備記録)

  • 21.整備状態を把握する

     整備記録(メンテナンスノートなど)の内容を、車両をチェックする前に確認しておこう。
     定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておくと、各部の状態を探る参考になる。
     記録簿以外にも、ガソリンスタンドやカー用品ショップでオイル交換などをすると、記録シールを貼ったり、カードなどを記録簿にはさむこともある。車体や車検証ケース内も探ってみよう。
     詳細な記録が残っている車両は、走行距離が伸びていても走行機能部分には大きな問題を抱えていないと推察できる。

車両チェックの勘どころ

塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。

取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。

溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。●車体各部はスポット溶接されている(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。

立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性が高い。●バンパーなどは、押されてずれることがある。たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。

■今回の車両のプロフィール

●ベストセラーカー「マークII」の後継車だが、性能から車名にいたるすべてを一新して2004年11月から販売されている高級セダン
 エンジンは3.0と2.5リッター。トランスミッションは、FR(後輪駆動)に6速ATを、4WDには5速ATを組み合わせる。
 仕様グレードは、「300G」にインテリジェントAFSやスマートエントリー&スタートシステムなどを装備した「プレミアム」を、「250G」には4WDの「Four」が設定されている。
 「Sパッケージ」は、スポーツシリーズとして、スポイラーや18インチホイールスポーツブレーキなどを組み込んでいる。さらに、盗難防止システムや本革巻き+木目調ステアリングの「Lパッケージ」、アルミホイールやディスチャージヘッドランプなどの一部装備を簡略化している「Fパッケージ」といったパッケージ設定がある。

■参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード型式シフト駆動
3.0 (2994cc)
300G プレミアム SパッケージDBA-GRX1216ATFR
300G プレミアムDBA-GRX1216ATFR
300GDBA-GRX1216ATFR

2.5 (2499cc)
250G Four LパッケージDBA-GRX1255AT4WD
250G FourDBA-GRX1255AT4WD
250G Four FパッケージDBA-GRX1255AT4WD
250G SパッケージDBA-GRX1206ATFR
250G LパッケージDBA-GRX1206ATFR
250GDBA-GRX1206ATFR
250G FパッケージDBA-GRX1206ATFR

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