中古車購入ガイド
更新日:2021.11.22 / 掲載日:2021.10.29
【ハイエース購入ガイド】第2回 ハイエースが超人気の理由

文●大音安弘 写真●トヨタ、ユニット・コンパス
働くクルマのイメージが強いトヨタ ハイエースだが、キャンピングカーやカスタムカーのベースとしても高い人気を誇り、個人ユーザーが増えているという。なぜ今、ハイエースが乗用車として人気なのか。ハイエースを専門に扱うフレックス ハイエース厚木インター店を取り纏める末永 陽一郎店長に、その特徴と魅力を伺った。
ハイエース人気の背景を専門店にインタビュー

フレックス ハイエース厚木インター店は、東名高速道路、圏央道、小田原厚木道路出口からの約5分と、都心や郊外からもアクセスし易い立地にある。さらに店舗は酒井前田交差点と分かり易い場所にある上、イメージカラーのブルーの看板とずらりと並んだスタイリッシュなハイエースたちが出迎えてくれる。意外にもショールームは、クルマ屋さんというよりも、お洒落なカフェのよう。だから、女性や家族連れでも気軽に尋ねられる雰囲気だ。
そんな居心地の良い店舗で出迎えてくれたのが店長である末永さんだ。自身も入社以来、ハイエースに長く関わってきたプロフェッショナルで、ハイエースファンの頼れる存在だ。そんな末永店長に、ハイエースの魅力について伺うと、これほど使い勝手の良いクルマは他にはないと断言する。それはハイエースの持ち味である広さと積載性の良さを指す。その特徴に注目した個人ユーザーはこれまでも存在したが、今のような人気に繋がったのは、近年のアウトドアブームが大きい。多くの人は、その移動車としてバンやSUVを選んでいる。しかし、実際にアウトドアシーンで活用してみると、想像したよりも荷物が積めないという現実に気が付くそうだ。

「もちろん、乗用車であるミニバンやSUVは乗り心地も良く、装備も豪華で快適です。ただ居住スペースに対して、ラゲッジスペースが圧倒的に小さいんです。だから、家族や仲間と一緒に出掛けて楽しもうとすると、必要な荷物が収まらないなんて事態に直面する人もいます。また荷室にキャンプの道具を載せたままにすると、他の荷物が載らないので、使い終わるたびに全てを下ろさなくてもなりません。それがハイエースならば、積んだままにも出来る。そんな積載性の良さに惹かれるのでしょう。」
店頭に飾られた納車時の記念写真では、ハイエースと元愛車を並べるオーナーが多く見られた。そこにはアルファードのような国産上級ミニバンやジープ・ラングラーのような輸入車も見られる。そんな元愛車からもオーナーのクルマに対する拘りの強さを感じる。ただアクティブなライフスタイルを楽しもうとするほど、乗用車では物足りず、ギアとしての素質を持つハイエースに行き着くということのようだ。
進化を続けることでハイエースのポテンシャルを最大限に引き出した現行モデル
現行ハイエースの乗用車ライクな機能性の進化も、人気を高めた理由のひとつだと末永店長は分析する。ここで少しハイエースの歴史を振り返ると、現行型となる第5世代は、2004年8月デビューした1型に始まる。この初期モデルとなる1型は、バン中心のラインアップと作りであった。ところが、2010年7月登場の3型でのディスチャージヘッドライトの採用を皮切りに、一気に乗用車的な機能が強化されるようになる。さらに2012年3月登場の4型では、ディスチャージヘッドライトに代わり、LEDヘッドライトが採用。ドアを閉めた後、一定時間室内灯が点灯する「イルミネーテッドエントリーシステム」や後方のカメラによる「デジタルルームミラー」の採用など、乗用車のようなアイテムを拡大。またイモビライザーが標準化されたのも、4型以降の大きな特徴となる。そして、2017年11月登場の5型では、乗用車に普及が進みだした先進の安全運転支援機能「トヨタセーフティセンスP(現:トヨタセーフティセンス)」も標準化された。このように時代のニーズに応えるように、働くクルマをメインステージとしながらも、乗用車に求められる機能もしっかりと押さえてきたのが、今のハイエースなのだ。
また乗用車色を強めた特別仕様車「スーパーGL“DARK PRIMEⅡ”」を設定。これはバンの最上級グレード「スーパーGL」をベースに、特別装備として、ダークメッキグリル、バックドアガーニッシュ、本革巻きステアリング、黒木目マホガニー調パネル加飾、ダブルステッチ付きトリコット&合皮のコンビシートなどを取り入れた豪華な仕様だ。色も人気の高いホワイトパールクリスタルシャインとブラックマイカ。さらに特別色として、スパークリングブラックパールクリスタルシャインも用意する。その内容に対して価格も抑えられているため、末永店長もカスタマイズカーのベース車として活用しているモデルだ。
高いのに高くない!? 400万円以上のハイエースが飛ぶように売れる秘密
ただハイエースもビジネスカーとしては、高価な部類に入る。厚木インター店での顧客の購入平均価格を伺うと、カスタム済みのため、400~500万円台だという。その予算なら、国産車ならば、選択肢も豊富だ。そんなライバルに対して大きな強みとなるのが、リセールの高さである。もし車検のタイミングとなる3年目や5年目で手放そうと、査定額はユーザーの目標額よりも上回るケースがほとんど。それだけ市場評価が高いのだ。さらにいえば、5年目と6年目でも査定結果は、ほとんど変わらないという。しかも、タフに作られたビジネスカーなので、低年式の過走行車でも、間違いなく値段が付く。「実は、長く乗れば乗るほど、お得なのがハイエース。私としては小まめに乗り換えてもらえると嬉しいのですが……」と笑う。なんともオーナー想いのクルマでもあるのだ。だから、3年後に別の車に乗り換えることも負担にはならない。ただ末永店長によれば、「最近、ハイエースからハイエースに乗り換えるユーザーも増えています。ライフスタイルや趣味の為に選んだハイエースでも、乗っているうちにファンになってしまうようです。」とハイエースにハマる人が増えていることも教えてくれた。
アウトドアなどの趣味をサポートする積載性の凄さや乗用車に求められる基本的な装備を備えること。そして何よりも、リセールが良い。これだけの好材料が揃えば、ハイエースを選んでみようと思うのも当然かもしれない。
ハイエースが超人気の理由
- 圧倒的な車内空間の広さによる使い勝手の良さ
- ユーザーのこだわりを満たすカスタマイズ性の高さ
- 現行モデルは改良によって快適性と安全性が進化
- 乗れば乗るほどお得! 抜群のリセールバリュー
取材協力 FLEX<フレックス>【ランドクルーザー・ハイエース専門店】

創業54年の老舗で、ランドクルーザーやハイエースを中心に魅力的な中古車を販売。全国に43店舗を展開し、2020年販売実績は6,115台 (ランクル含む)、年間カスタム実績5,400台以上 (ランクル含む)、数多くのファンにハイエースの楽しさを提供している。