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故障・修理
更新日:2018.10.05 / 掲載日:2018.10.05

ロータリーエンジンの歴史に迫る!

回転運動をそのままクルマの駆動に伝えられることで、効率の良い夢のエンジンとして期待されたロータリーエンジン。だが、燃費やHC濃度の高さなどの欠点を払拭することができず、さらにレシプロエンジンの性能が飛躍的に向上したこともあり、市販車からは消滅してしまった。そんなロータリーエンジンの歴史を振り返ってみよう。

世界が注目したロータリーエンジン。マツダの技術により大きく進化した

 ロータリーエンジンは蒸気機関の時代から各国で研究がされていたが、最初に実用化に成功したのは、西ドイツのフェリックス・ヴァンケル博士だ。1959年にNSUと完成させたロータリーエンジンには世界中の自動車メーカーが注目し、日本でも東洋工業(現・マツダ)のほか、ヤンマーディーゼルや日産自動車、トヨタ自動車もNSUと技術提携を行なっている。その中で市販車として量産を行なったのはマツダだけ(スズキは独自開発のロータリーエンジンを搭載した2輪車(RE-5)を生産している)であり、その後45年にわたって生産し続けていたのも、世界でマツダだけだ。
 コスモスポーツ用として登場した491cc×2の10A型は、ファミリアやコスモにも搭載された。10Aの幅を拡大した12A、偏心量を増やした13A、次世代の13B、3ローターの20Bなど、市販車用のエンジンは進化を続けた。2012年にRX-8が生産終了し、現在ではロータリーエンジン搭載の市販車は存在しないが、水素ロータリーやハイブリッドの発電用として開発は続けられている。

当時の東洋工業ロータリーエンジン研究室の様子。試作エンジンの問題点を一つ一つ解決していった。手書きで図面が描かれているのがわかる。

悪魔の爪痕とも言われたチャターマーク。これによりローターとの密着性が失われ、パワーダウンとともに盛大な白煙の原因ともなっていた。

10A型ロータリーエンジン

最初に実用化された記念すべきロータリー
コスモスポーツ用として開発された491ccのツインローターユニット。1968年には2代目ファミリアクーペに搭載され、最高出力は100ps/7000rpmとなった。1971年にはハニカムポートを採用してポートタイミングを変更、ローターハウジングを改良してサバンナ(RX-3)に搭載。最高出力は105ps/7000rpmであった。

12A型ロータリーエンジン

ハウジングの幅を拡大して排気量を573c×2に変更
10A型のハウジング幅を10mm拡大し、排気量を573ccのツインローターとした12A型は、1970年に発売されたカペラ用として開発された。1972年にはフルモデルチェンジされた2代目ルーチェにも供給され、1973年には10A型の生産が終了し、サバンナの搭載エンジンも12A型に変更。初代RX-7にも搭載された。

13A型ロータリーエンジン

ハウジングの幅を拡大してトラブル頻発で1年ほどで消滅
10A型をベースにハウジング幅はそのままに偏心量を変更することで、655ccのツインローターとした新設計ユニット。FFのルーチェロータリークーペ用に開発され、コンパクトで高出力を狙った。最高出力は126ps/6000rpm。トラブルが頻発したため1年未満、976台で生産は打ち切られた(販売は1972年まで)。

13B型ロータリーエンジン

熟成度が高まり信頼性も向上多くのモデルに採用された
12A型のハウジング幅を10mm拡大して排気量を654cc×2のツインローターとした13B型は、2代目ルーチェの後期型用として開発された。13A型とは排気量が同じだが、共通する部品はなく、異なる設計のエンジンだ。初期モデルの出力は135ps/6000rpm。のちにインタークーラーターボ搭載のモデルも登場する。

3代目となるアンフィニRX-7用に開発された13B-REW型。シーケンシャルツインターボを搭載し、255ps/6500rpmを発生。1999年の改良で最高出力は当時の自主規制の上限だった280psに達した。

2003年にRX-8用として開発された13BRENESIS型は、13B型エンジンを見直し、NAで高出力と低燃費を狙って開発された。吸気を6ポートにした250psユニットと、210psの4ポートユニットが用意された。

20B型ロータリーエンジン

トリプルローターを採用した夢のロータリーエンジン
1990年にユーノスコスモ用として開発された、市販車では世界初となる3ローターユニット。13B型をベースにハウジングを1つ増やし、排気量は654cc×3となる。最高出力は当初333psで開発が進められていたが、自主規制枠に収まる280ps/6500rpmとなった。トランスミッションは4速ATのみが組み合わされた。

R26型ロータリーエンジン

歴代のロータリーモデルたち

ファミリアロータリークーペ

1968年、2代目ファミリアの追加モデルとして誕生した。コスモスポーツ用の10A型ユニットを搭載し、最高速度は180km/hに到達。MAZDAR100として北米ほか世界中に輸出も行われた。

ルーチェロータリークーペ

1967年、コスモスポーツに次ぐ、次世代のロータリーエンジン搭載車として開発された。FF用に開発された13A型ユニットのトラブルやドライブシャフトの異音など、信頼性の低さから早々に生産が中止された。

サバンナ

ロータリーエンジン搭載専用車として1971年に発売された。ボディタイプは2ドアクーペと4ドアセダンが用意され、のちにワゴンも追加された。当初は10A型が採用されたが、1973年に12A型に変更された。

コスモAP

コスモスポーツの生産終了から3年、コスモの名が復活。12A型、13B型のほか、4気筒のレシプロエンジンも用意された。ボディタイプは2ドアファストバック。ちなみにAPとはアンチ・ポリューションの略。

サバンナRX-7(SA22C)

サバンナの後継車種として1978年に誕生。ボディタイプはリヤハッチを持つファストバッククーペのみとなった。搭載エンジンは12A型。1983年のマイナーチェンジでロータリーターボエンジン搭載モデルが追加された。

サバンナRX-7(FC3S)

1985年にフルモデルチェンジして2代目となる。搭載エンジンは13B型。国内ではターボエンジンのみだが、海外へはNAエンジン搭載車も輸出された。最高出力は185ps/6500rpm。後期型では205psとなる。

アンフィニRX-7(FD3S)

1991年に3代目となったRX-7は、当時の販売チャネル「アンフィニ」の名称がついたが、1996年以降はマツダRX-7となる。搭載エンジンは13BREW型。最高出力は255ps、265ps、280psと改良を重ねて出力アップした。

RX-8

NAユニットを搭載した新しいロータリースポーツとして2003年に誕生。開口部が小さな観音開きのリヤドアを採用して4ドアとしている。搭載ユニットは13BRENESIS型。水素ロータリー搭載車も少量が生産された。




提供元:オートメカニック


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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
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