故障・修理
更新日:2021.01.25 / 掲載日:2021.01.25
NA&NB ロードスターのメンテポイント2

オイル漏れを無くそうと思ったら
エンジンをオーバーホールするのが近道か?
ロードスターのB6、BPエンジンはいたるところからオイルが漏れるという。クランクやカムのオイルシールといった他のエンジンでもオイル漏れの定番となる部分はもちろんだが、オイルパンやB6はヘッドガスケットからも漏れるそうだ。ヘッドガスケットからのオイル漏れというとガスケット抜けを想像してしまうが、そうではない。ヘッドガスケットは、コンポジットタイプのガスケットが使われているが、ガスケットの素材自体にオイルが染み込み、エンジン外側にしみ出してくるというのだ。結果シリンダーヘッド全体から漏れているようなことになるので、ブロックが万遍無くオイルで汚れてしまうのだ。原因を知らないと場所の特定をしにくい。オイルパンは昔のプレスタイプであれば、オイル漏れもよく耳にしたが、ロードスターはアルミ製の立派なもの。漏れるのは前後の半円状の合わせ目で、その部分のシールが経年劣化することでオイル漏れが発生する。

オイルパン前後にある半円状の合わせ面がオイル漏れ発生ポイント。

リヤ側はこの4本のボルトでブロックに固定されるブラケットにクランクオイルシールが入るが、オイルパン脱着時以外はブラケット取り外し厳禁。

エンジン後端側、エキゾーストカムの後方にはクランク角センサーが備わる。このクランク角センサーのオイルシールもオイル漏れの定番部。

それからオイルレベルゲージのガイドパイプがブロックに入る部分のオイルシールも、交換しづらい部分だけに、現在ではオイル漏れの多発部分となっているそうだ。


降り注ぐ雨水などの、大部分がいろいろな部分を伝ってサイドシルに流れ込み、サイドシルの水抜き穴から車外に放出される構造となっているという。ルーフの場合は、一度車内の幌の収まる部分の下に水が流れ込み、そこからやはりサイドシルに流れるようになっているそうだ。そんなサイドシルの水抜き穴が詰まれば、内部に水が溜まりやがてボディを錆びさせてしまう。写真はその極端な例。サイドシルやリヤフェンダーアーチ上部が激しく錆びたボディ。この他にもエンジンルームのフレーム部に水か溜まりやすいのか錆びている車体が多いそうだ。
冷却水漏れはラジエーターとヒーターホースに要注意


エキマニの近くにあるヒーターホースは、熱で硬化しやすいため、冷却水漏れが発生しやすい。ホース自体はDIYで交換しやすい場所にあるが、実は交換時にいじり壊してしまう人が少なくないという。というのもNAの場合となるが、ホースの刺さるパイプは真鍮製で硬化したホースを力づくで抜こうとするとパイプを変形させてしまうから。ホースは切って抜けば、パイプを変形させることはないというのが石井さんからのアドバイスだ。この他、ロードスターに限らずだが、ラジエーターのアッパータンクの例年劣化による冷却水漏れも多いそうだ。