故障・修理
更新日:2022.03.31 / 掲載日:2022.03.31
DIY“俺”バイク製作記【VOL42】
今回、いよいよホイールまわりを組み上げる。スポーティ感とグリップ力の向上を狙った仕様変更で、ホイール径はオリジナルの17インチを踏襲するもののリム幅を広げ、材質もノーマルのスチールからアルミに変更。タイヤも太いロードタイヤをはめる。
●文:オートメカニック編集部(鈴木伸一)
●写真:飛澤 慎
03 ホイールの再生③
サンドブラストで酸化物を落とし再塗装
アルミ製のハブは表面の保護被膜が劣化してくすんでおり、スポークはサビに覆われてまっ茶色。そのまま利用するわけにはいかないため、アルミホイールを組む前に再生処理する。
作業手順は摺動面のマスキング処理後、サンドブラスターで表面の劣化した保護被膜やサビを削り落とし、耐熱塗料を利用して焼き付け塗装で仕上げる。
さて、サンドブラスターは研磨材(サンド)をコンプレッサーの圧縮空気に混ぜて吹き付ける表面加工方法で、サビ取り、塗料剥離に最適。
ブラスト処理面は適度に荒れるため塗料の食付きもよく、足付け処理することなく塗装できる。
サンドが侵入しないよう摺動面をキッチリカバーする
各スポークに、組み合わさっていたニップルをねじ込む。ブレーキカムの取り付け穴をマスキングする。マスキングテープで全体を覆ってから、角のエッジをプラハンで軽くトントンと叩く。テープがエッジに食い込むことで切れ筋が入り、突起面の形通りに切り抜くことができる。アクスルシャフト穴のようにエッジが立ってない部分は紙を丸めて詰めておく。メーターギヤ穴をマスキングする。パネル内面は新聞紙等でスッポリ覆い、手を離しても広がらないようマスキングテープを貼ってキッチリ押さえ込む。
ベアリング組み付け面も確実にマスキングする
ブレーキドラムを新聞紙等でスッポリ覆ってマスキングテープを貼って押さえ込み、外周からはみ出した部分をカッターで切り取る。ホイールベアリングの取り付け穴をマスキングテープでスッポリ覆い、カッターで外周に沿って丸く切り抜く。
隅々までムラなく研磨材を吹き付けて表面に付着した酸化物をキッチリ落とす
サンドブラスターの蓋を開け、キャビネット内にブラストと処理するパーツを入れる。マスキング処理していない面にムラなくサンドを吹き付け、表面に残っている保護被膜と共に酸化物を削り落とす。ブラスト処理すると細かな無数の凹凸に覆われ、艶がなくなる。一皮剥けた状態なので、表面保護のために塗装で後処理する。
シルバーの耐熱塗料で塗装し、焼き付け処理する
本数の多いスポークはブラスト処理が雑になりがち。処理漏れがないか1本ずつ確実に、隅々までチェックする。厚紙に等間隔に小穴を複数開ける。そこに、ブラスト処理したスポークをはめ込み、ニップルを引っかけて吊り下げる。ダンボール箱を足場にして固定し、耐熱塗料を塗布する。ブレーキパネル/ドラムも全単位にムラなく塗布する。
取材で毎回お世話になっているのが「表現工房」さんだ
表現工房 八王子作業所・事務所
モノ作り教室を開催している「表現工房」の本拠地は東京都八王子市の「八王子作業所」で、幹線道路に面した路地の突き当たりにある。
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