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故障・修理
更新日:2023.11.27 / 掲載日:2023.11.27

車高調のロックシートはどっちに回す?正しい方向と調整手順を解説

全長調整式(フルタップ式)の車高調を使って車高を調整する場合、正しい方向と手順でロックシートやスプリングシートを回さないとうまくできません。

この記事で詳しく解説しますのでご活用ください。

また、これから作業を始めるときに、あわせて気をつけたいポイントも解説しています。怪我なく、失敗のない車高調整をするときの参考資料としていただけたら幸いです。

1.車高調のロックシートを回す方向と手順 車高を下げたいとき

車高を下げたいときは、車高調の長さを短くする必要があります。そのための手順は以下のとおりです。

※下記で取り上げているのはフロント側の車高調の調整方法ですが、リヤ側も基本的には同じです。ショックとサスペンションが別々になっているタイプの調整方法については、本記事最後のQ&Aをご覧ください。

(1)ブラケット側のロックシートを反時計回りに回す

まずブラケット側のロックシートをレンチ(車高調レンチ)を使って反時計回りに回し、縮めたい長さにまで上げていきます。

(2)スプリングシートをロックする

レンチを使ってスプリングシートを時計回りに、スプリングシート側のロックシートを反時計回りに同時に回して、スプリングシートをロックします。

(3)ロックしたらスプリングシートを時計回りに回す

スプリングシートをロックしたら、スプリングシートを時計回りに回します。しっかりロックされていればショック全体が回り、ショックの筒の部分がブラケットの中に入り込んで、車高調全体の長さが短くなります(=車高が下がる)。

2.車高調のロックシートを回す方向と手順 車高を上げたいとき

車高を上げたいときは、車高調の長さを長くする必要があります。そのための手順は以下のとおりです。

(1)ブラケット側のロックシートを反時計回りに回す

まずブラケット側のロックシートを、レンチを使って反時計回りに回し、緩めます。

(2)スプリングシート側のロックシートを反時計回りに回す

次に、スプリングシート側のロックシートを反時計回りに回します。ショック全体が回り、ブラケットからどんどん筒が出て車高調全体の長さが長くなります(=車高が上がる)。

3.車高の調整をするときは 知っておきたいポイント4つ

これから車高を調整するときは、ロックシートやスプリングシートの回す方向や手順のほかに、以下のポイントも知っておくとよいでしょう。

(1)ジャッキアップを慎重におこなう

車高を調整するときは、ジャッキアップを使って車体を持ち上げる必要があります。

ジャッキアップをするときは、ジャッキの適切な位置決めと、リジットラックでの確実な固定が必要です。これらを怠ると車体に傷がついたり、最悪の場合、車が転倒したりする危険性があります。ジャッキアップの取扱説明書をよく読み、慎重におこないましょう。

自分で車高を調整するのが初めてで、まだジャッキアップも持っていない人は、下記をご覧ください。おすすめのジャッキアップのほか、ジャッキアップのポイントも解説しています。

【自宅でタイヤ交換】ジャッキ選びのコツ&おすすめ商品10選
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(2)調整前に車高調を掃除する

車高を調整するときは、車高調の掃除をしておきましょう。車高調に泥や砂などがついたまま調整を行うと、車高調の破損につながります。特に汚れがひどい場合は、専用のクリーナーを使用して洗浄することを推奨します。

クリーナーはさまざまなものが販売されていますが、以下のものがおすすめです。

メーカー商品名特徴
和光ケミカル
(WAKO’S)
RP-C ラスペネC・整備現場でよく用いられている高品質な製品
・車高調のシート以外に、固着したネジやボルトを緩めたいときにも役立つ
呉工業5‐56・清掃と潤滑の両方ができる利便性の高い製品

(3)調整する長さを測っておく

車高調整を行う際には、長さを測りながらおこないましょう。

例えば、調整前にスプリングシート側のロックシートから、ブラケット側のロックシートまでの長さを測っておけば、自分が下げたい(上げたい)高さを狙って調整できます。

車高は下げすぎると、車体が地面に接触しやすくなり、道路の凹凸で底をついたり、スピードバンプでボディが損傷したりする恐れがあります。また、乗り心地も悪くなり、運転に支障をきたすこともあるでしょう。

一方、車高を上げすぎると、ハンドリングが不安定になり、特に高速道路などでは横風の影響を受けやすくなります。また、車体の重心が上がることで車両が転倒しやすくなる危険性もあります。

こうしたトラブルを避けるためにも、事前に長さを測ることが重要です。

また、調整後の長さをひとつ測っておけば、ほかの箇所も同じ高さに簡単に合わせることができます。前後左右の車高を均一にしなかった場合に起きる、ハンドリングや乗り心地に悪影響が及ぶリスクを避けられます。

(4)アライメント調整をする

車高調の調整後、必ず行いたいのがアライメント調整です。車高を変えることで車輪の傾きや方向が変わり、その結果、ハンドリングや乗り心地、タイヤの摩耗に影響を与えます。アライメント調整は、このような不具合を修正するために必要な手順です。

アライメント調整は専門の設備と知識が要るため、自動車整備工場やディーラーなどに依頼するのが一般的です。車高を調整したら速やかに最寄りの専門店に依頼しましょう。

また、調整は以下の三つのポイントに分けられます。

名称説明
キャンバー車輪が垂直からどれだけ傾いているか
キャスターステアリングの回転軸が垂直からどれだけ前後に傾いているか
トー車輪が車両中心線からどれだけ内側または外側に向いているか

正確なアライメント調整により、快適なドライブと安全な走行を実現します。

4.車高の調整に自信がないときは……業者への依頼の検討を

車高の調整に自信がないときは、自分で無理におこなわず業者への依頼を検討しましょう。

(1)車高の調整を業者に依頼したときの相場

車高の調整を専門業者に依頼するときは、相場を知っておくことが大切です。

車高の調整費用は、前後セットで約15,000~30,000円程度が相場となっています(アライメント調整を含む)。ただし、作業の内容や車種などによって料金は変動します。

また、新たに車高調そのものを購入し、取り付けてもらう場合は別途費用が発生します。以下、具体的な料金表です。

車高調の取り付けから調整までの料金相場
車高調本体の購入80,000~180,000円
取り付け工賃20,000~40,000円
車高調整・アライメント調整15,000~30,000円

なお、取り付けから調整までの作業時間は、おおよそ2時間程度が一般的となっています。

(2)車高の調整を依頼する業者を選ぶときの注意点

車高の調整を業者に依頼する際は、以下の点に注意して選びましょう。

1.専門知識と経験:車高の調整は、精密な作業が求められます。その業者のWebサイトなどを見て、業者がしっかりとした専門知識と実績を持っていることを確認しましょう。また、もし調整に関して疑問があったら、直接電話をして担当者に問い合わせるのもおすすめです。確かな技術を持つ業者であれば、疑問に対して丁寧に回答してくれます。

2.評判と口コミ:インターネットで業者の評判や口コミを調査することも重要です。良質なサービスを提供してるかを確認するために、一度はチェックしましょう。

3.コスト:業者により料金は大きく異なります。事前に担当者と直接話すなどして判断してみてください。また、複数の業者に問い合わせて、金額を比較することも大切です。

これらの点を抑えて、自分の車に合った最適な業者を選びましょう。

5.車高調のロックシートに関するQ&A

(1)車高調のロックシートが回らないときは?

車高調のロックシートが回らないとき、まず考慮すべきは錆や汚れが原因かもしれないということです。時間が経つとロックシートの周囲には錆やゴミが溜まります。こうした汚れが原因でシートが固着し、回らなくなることもあります。

試しに、錆落としスプレーや潤滑剤を吹き付けてみてください。これにより回転がスムーズになる場合があります。

それでも改善しない場合は、ロックシートが破損している可能性があります。このような場合には専門的な知識が必要となるため、車高調のメンテナンスを行っている専門業者に相談することをおすすめします。

(2)車高調のロックシートは外しても大丈夫?

車高をより下げるためにロックシートを外すケースがしばしば見られますが、おすすめしません。

限界まで下げた車高は見栄えがよいかもしれませんが、そこまで下げた場合、道路運送車両保安基準で定められた最低地上高(9cm)を確保できていないことがほとんどです。

さらに、そこまで下げるとタイヤがタイヤハウスの内側やフェンダーと干渉しないようにボディに加工が必要だったり大規模な改造が必要になったりすることもあります。

そのため、ロックシートを外すのは避けることをおすすめします。

(3)車高調のロックシートがすぐに緩んでしまうときの対処法は?

最近の車高調は性能が高いため、ロックシートがすぐに緩むことはありませんが、もし発生する場合はロックシートの締め付け不足や部品の摩耗が原因と考えられます。

まず、ロックシートがきちんと締め付けられているか確認してみましょう。締め付けが不足している場合、レンチを使ってあらためて固定します。

ただし、車高調を長年使用している場合、部品の摩耗でロックシートが緩みやすくなっている可能性もあります。その場合は、部品の交換が必要です。

(4)ショックアブソーバーとスプリングが別々のタイプの調整方法は?

車高調によっては、リヤ側の車高調がショックアブソーバーとスプリング(サスペンション)別々になっているタイプがあります。

このタイプを使って車高を調整したいときは、まずスプリング(サスペンション)側のブラケットの長さを調整して車高をセットします。それに合わせてショックアブソーバーのブラケットのロックシートを緩め、手でショックアブソーバー本体を回転させて長さを調整します。

6.車高の調整に困ったらグーネットピットにご相談ください

全長調整式の車高調を使って車高を調整する場合は、ロックシートやスプリングシートを適切な方向・順番で回さなければいけません。また、それ以外にも、注意するべきポイントが多くあります。

車高を調整してみたいものの、自分でおこなうのに自信がないときは、上述したように無理をせず、業者に依頼することを検討してみてください。

グーネットピットには、車高を始め、足回りの整備やメンテナンスに強い整備士が多く在籍しています。お近くに整備工場がありましたら、ぜひお気軽にご相談いただけたら幸いです。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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