コーティング・クリーニング
更新日:2024.02.14 / 掲載日:2024.02.14
コーティング車にウォータースポットが……原因や除去方法を解説
コーティング車に付着したウォータースポットは、光沢やツヤを低下させるだけでなく、コーティング被膜や塗装の劣化、腐食の原因となります。そのため、発生したらすぐに取り除きましょう。
ただし、ウォータースポットを取り除くには、専門知識が不可欠です。事前にイオンデポジットとの違いをおさえたうえで、除去手順、除去剤の種類などを知っておく必要があります。
この記事では、ウォータースポットを適切に除去するためのポイントを解説しています。発生する原因から予防する方法も解説していますので、ウォータースポットにお困りの人のご参考になれば幸いです。
1. ウォータースポットを除去する前に……知っておきたいイオンデポジットとの違い
ウォータースポットとイオンデポジットは、見た目が似ているため混同されがちですが、原因と対処方法に違いがあります。とくに、イオンデポジットが悪化して発生するウォータースポットは、除去作業の難易度が高く、基本的には業者に除去を依頼しなければいけません。
一方イオンデポジットは、専用の除去剤を使えば比較的簡単に取り除けます。そのため、これらの違いを理解しておくことで、イオンデポジットが悪化する前に取り除けるようになります。
これらはコーティング車でも発生することがあるため、特徴や原因を理解し、正しい除去方法を知っておきましょう。
(1)ウォータースポットの特徴と原因
ウォータースポットとは、イオンデポジットが悪化し、塗装面が焼き付いたり、陥没したりした状態のことを言います。雨が降った後や洗車後、塗装面に残った水滴がレンズのように日光の熱を集めてしまい、塗装面を焼き付けたり、陥没させたりします。
イオンデポジットは、悪化する前であれば専用の除去剤を使うことで取り除けますが、ウォータースポットはコンパウンドで塗装面を削らなければ取り除けません。そのため、いかに早くイオンデポジットを除去するかが、ウォータースポットを防ぐうえで重要となります。
なお、自身で取り除けるのは軽度のウォータースポットだけで、重度の場合は業者に依頼しなければ、より塗装面を悪化させてしまうでしょう。
ただし、軽度のウォータースポットでも、コンパウンドを使う作業は専門的な知識や経験が必要になります。さらに、塗装やコーティングの状態によっても作業方法が異なるため、自動車整備士並の知識や経験がない場合は、軽度であっても業者に依頼するのがおすすめです。
(2)イオンデポジットの特徴と原因
イオンデポジットとは、塗装面にこびりついている「白いうろこ状の水シミ」のことです。ウォータースポットとは異なり、水シミが塗装面にこびりついている状態のため、専用の除去剤を使えば取り除けます。
この水シミを除去せずに放置しておくと、悪化してウォータースポットが発生するため、すぐに除去することが重要です。
イオンデポジットは塗装面に残った水滴が乾燥する過程で、水滴に含まれている成分(カルシウムやマグネシウムなどのミネラル)が塗装面に残留することで発生します。
雨水や水道水には、これらの成分が含まれているため、雨が降ったあとや洗車後の水滴が塗装面で乾いてしまうことが大きな原因です。
多くのイオンデポジットが付着すると、ボディの光沢が落ちたり、くすんで見えたりするなど、車の見た目に悪影響を与えます。
(3)ウォータースポットとイオンデポジットは除去の難しさに違いがある
繰り返しになりますが、ウォータースポットとイオンデポジットは除去の難しさに違いがあります。
イオンデポジットが専用の除去剤を使えば除去できる一方、ウォータースポットは塗装面の凸凹をコンパウンドで滑らかにしなければいけません。
しかし、コンパウンドの使い方を誤ってしまうと、磨きすぎて塗装を剥がしてしまう恐れがあります。まずは、イオンデポジットがウォータースポットに悪化する前に除去することが重要ですが、それでもウォータースポットが発生した場合は基本的に、業者に除去を依頼しましょう。
2. イオンデポジットを除去する方法
イオンデポジットの除去におすすめの除去剤と、除去する方法をご紹介します。
(1)おすすめのイオンデポジット除去剤5選
おすすめのイオンデポジット除去剤を5つご紹介します。
①ピカピカレイン|イオンデポジット除去剤
洗車で落ちない固着したイオンデポジットを除去します。研磨剤が含まれていないため、ボディを傷つける心配がなく、安心して利用できます。
②G-COAT|イオンデポジット除去剤
強固なイオンデポジットだけでなく、洗車で落ちにくい油汚れも簡単に取り除けます。専用の道具は要らず、作業も簡単なため、初心者の人でも使いやすい除去剤です。
③リンレイ|ウルトラハードクリーナー 水アカ・ウロコ・ウォータースポット用
出典:ウルトラハードクリーナー 水アカ・ウロコ・ウォータースポット用|リンレイ
イオンデポジット以外にも水アカや黒ずみ、水滴痕などの汚れもきれいに落としてくれます。コンパウンド不使用、全塗装色に対応しています。
④カービューティーアイアイシー|イオンデポジット除去剤
コーティング専門店で使用している除去剤。専門知識がない初心者でもイオンデポジットや雨シミを簡単に取り除けます。
⑤リピカ|イオンデポジットクリーナー
洗車で落ちないイオンデポジットを短時間で除去可能。研磨剤や危険物質を含んでいないため、安心して利用できます。
(2)イオンデポジットを自分で除去する方法
イオンデポジットを自分で除去する方法は以下のとおりです。イオンデポジット除去剤によって、手順が異なることがあります。使用前に取扱説明書を確認しましょう。
1.車に付着している汚れを洗車で落とし、水を拭き取ってください
2.マイクロファイバークロスなど、柔らかい布に除去剤を染み込ませて、塗装面に塗り込みます
3.2〜3分放置し、除去剤が残らないように水で洗い流します
4.乾いたマイクロファイバークロスで水を拭き取ったら完了です
なお、イオンデポジット除去剤にフッ酸が含まれている場合があります。フッ酸は、肌に触れると炎症を起こす可能性があるため、必ず保護手袋を使って作業してください。
3. ウォータースポットを除去する方法
軽度のウォータースポットの場合、自動車整備士並の知識や経験があれば、コンパウンドを使って取り除くことが可能です。自分で除去できるかの基準は、以下のとおりです。
自分で除去できる状態 | 凹凸が擦り傷程度の浅い状態 |
---|---|
業者に依頼する状態 | ・縁が白いリング状の染み ・コンパウンドで軽く磨いても落ちないもの |
ただし、誤った方法や力で除去作業すると、塗装やコーティングに悪影響を与え、取り返しがつかなくなる恐れがあります。なお、コンパウンドによって、コーティング被膜が削れてしまっているため、再度コーティングする必要があります。
そのため、少しでも不安を感じる場合は、軽度であっても業者に除去を依頼しましょう。
(1)おすすめのコンパウンド5選
おすすめのコンパウンド5選をご紹介します。下記の記事では、コンパウンドの種類と選び方について解説しております。こちらの記事もご覧ください。
①SurLuster|スピリットクリーナーダーク
塗装面に付着したウォータースポットと一緒に、小傷を取り除いてくれます。公式販売ページで使い方の動画を公開しているため、初心者でも安心して利用できます。
②3M|コンパウンド DC-1L
伸びがよく、扱いやすいため、初めて研磨作業する人でも使いやすいコンパウンド。さらに、ゆず肌(塗装などで表面が波打った状態)を落とし、肌調整(コーティングや塗装の波打った表面を研磨し、均一にする)も可能です。
③3M|コンパウンド ハード1/ハード2/ウルトラフィーナプレミアム 3本セット
出典:コンパウンド ハード1/ハード2/ウルトラフィーナプレミアム 3本セット|Amazon
細目と極細め、ツヤ出しの3種類がセットになっているため、ウォータースポットの範囲や深さに合わせて利用できます。仕上がりがわかりやすいため、磨き残しや磨き過ぎを防いでくれます。
④Holts|コンパウンド・ミニセット
粗目と細目、極細目がセットになっており、ウォータースポットに合わせて使うことで凹凸を取り除き、ボディにツヤを出してくれます。バイクや自転車の金属塗装面にも利用できます。
⑤ピカピカレイン|液体コンパウンド
ムラになりにくいため、初心者でも使いやすいのが特徴です。極細目と超極細目のコンパウンド、クロス2枚とスポンジ3個が付属されているため、すぐに施工できます。
- ・「液体コンパウンド」の公式販売ページ
- ・「液体コンパウンド」の公式販売ページ(Amazon)
- ・「液体コンパウンド」の公式販売ページ(楽天市場)
- ・「液体コンパウンド」の公式販売ページ(Yahoo!ショッピング)
(2)ウォータースポットを自分で除去する方法
ウォータースポットを自分で除去する際に必要な道具と方法をご紹介します。
①必要な道具を揃える
施工に必要な道具は以下の11つです。
1.カーシャンプー
2.洗車用スポンジ
3.洗車時の水滴拭き取り用クロス
4.水道水(用意できる場合はコーティング用の純水も)
5.コンパウンド
6.コンパウンド塗布用のスポンジやクロス(コンパウンドによって使い分ける)
7.コンパウンド拭き上げ用のクロス
8.マスキングテープやビニール
9.コーティング剤
10.コーティング剤塗布用のスポンジやクロス
11.コーティング拭き上げ用のクロス
②車を洗車する
はじめに、水洗いで車全体の汚れを落としましょう。車全体を上から下へホースで水をかけて、付着している汚れや砂などをしっかり落としてください。
汚れや砂などがボディに付着したまま洗車用スポンジやコンパウンドを使うと、汚れや砂でボディを引っかいて、傷をつけてしまう可能性があります。
カーシャンプーを使い、水洗いで落とせなかった汚れなどをきれいに落としましょう。
以下は、おすすめの洗車用スポンジです。
メーカー | 商品名 | 公式ストア |
---|---|---|
SurLuster | ウォッシングスポンジ | 「ウォッシングスポンジ」の公式販売ページ |
SOFT99 | 洗車スポンジ PRO | 「洗車スポンジ PRO」の公式販売ページ |
KeePer | ラ・モップⅡ(グローブタイプ) | 「ラ・モップⅡ(グローブタイプ)」の公式販売ページ |
これらのスポンジは、ボディに傷がつきにくいように柔らかいのが特徴です。
洗車後は、ボディについた水滴をクロスで拭き上げてください。
③マスキングテープなどで周辺を保護する
コンパウンドが研磨する箇所以外に付着しないように、研磨する周辺をマスキングテープやビニールで保護します。未塗装樹脂やゴム部品などにコンパウンドが付着すると、変色する恐れがあります。
④ウォータースポットを研磨する
研磨による摩擦熱を抑えるために、コンパウンドを塗り込むスポンジやクロスを水で濡らしてください。
濡らしたスポンジなどにコンパウンドを適量取り、ウォータースポットが発生している部分を優しく磨きます。上から下、左から右など直線を意識しながら、均一に磨きましょう。
円を描くように磨くと、傷やムラの原因になるため注意してください。
⑤クロスでコンパウンドを拭き取る
コンパウンドをクロスで丁寧に拭き取りましょう。コンパウンドがボディに残ったままでは、ボディに悪影響を与える可能性があります。
拭き取る際に、ウォータースポットが消えているかを確認します。まだ目立っている場合は再度磨く必要がありますが、磨きすぎると塗装が剥がれる恐れがあります。
そのため、一度コンパウンドで磨いても除去できなかった場合は、業者に依頼しましょう。
⑥一番小さい粒子で仕上げる
一番小さい粒子のコンパウンドを使い、仕上げの磨き作業をします。磨き作業はボディについた小さな磨き傷などを取り除き、光沢やツヤを出してくれます。
コンパウンドを拭き取り、保護のために使ったマスキングテープなどを剥がしましょう。
⑦施工後のメンテナンス
コンパウンドを使った箇所のコーティングが取れているため、その箇所は再コーティングが必要です。
再コーティングする範囲は、コンパウンドで磨いた範囲より少し広めにします。たとえば運転席ドアを30cm四方で磨いたとしたら、ドアパネル1枚、または半分をコーティングしてください。
もし、車全体をコーティングしてから時間が経っている場合や効力が全体的に落ちている場合は、車全体を再コーティングしましょう。
4. ウォータースポットの除去を業者に依頼した場合
そもそも専門的な知識がない人は、自身で取り除けるウォータースポットなのか判断できない可能性があります。また、誤った方法や力で作業した場合、取り返しがつかない状態になる恐れもあります。
そのため、きれいに取り除く自信がないと少しでも思う人は、業者に依頼しましょう。
業者に依頼する際の費用は、30,000〜100,000円程度です。車種やウォータースポットの範囲によって、費用は大きく変動します。そのため、複数の業者から見積もりを出してもらい、十分に比較検討しましょう。
業者を選ぶ際は費用だけでなく、実績が豊富で信頼できるかどうかが重要です。レビューサイトなどで口コミや評価を確認し、安心して依頼できる業者に依頼しましょう。
なお、イオンデポジットの除去を業者に依頼する際の費用は、ボディサイズや施工範囲、進行状況によって大きく変動します。こちらも業者によってさまざまですが、ウォータースポットの除去費用よりも安い(or 同じくらい)のが一般的です。
5. ウォータースポットを予防する方法
イオンデポジットが悪化することで、ウォータスポットが付着します。そのため、ウォータースポットを防ぐには、まずはイオンデポジットを付着させないことが重要です。
そこで、ウォータースポットやイオンデポジットを予防する方法をご紹介します。
1.車に付着した水滴を拭き取る
2.定期的に洗車する
3.コーティングする
(1)車に付着した水滴を拭き取る
車に付着した水滴をそのままにすると、イオンデポジットやウォータースポットが付着する恐れがあります。洗車後や雨上がり、霜など、車が濡れた際は水滴が乾く前に拭き取りましょう。
とくに日差しが強い日中は水滴が乾きやすいため、イオンデポジットが付着しやすくなります。また、水滴がレンズのように熱を集めてしまうため、ウォータースポットの付着にもつながります。
可能であれば、雨や霜などを防げる屋根付きの場所に駐車することをおすすめします。
(2)定期的に洗車する
イオンデポジットが付着してから時間が経過していない場合や、軽度のイオンデポジットであれば、洗車で落とせます。定期的に洗車し、イオンデポジットの固着や悪化を防ぎましょう。
なお、日差しが強い時間帯や炎天下の日は、水滴がすぐに乾燥してしまい、イオンデポジットが付着する可能性があります。そのため、基本的には日差しが弱くなった夕方やくもりの日などに洗車しましょう。
下記の記事では、おすすめのカーシャンプーや洗車方法を紹介していますので、こちらの記事もご覧ください。
(3)親水タイプでコーティングする
イオンデポジットやウォータースポットを防ぐのに有効なコーティングタイプは、親水タイプです。親水タイプ以外には、撥水タイプと疎水タイプがあります。
親水タイプは、塗装面に水がかかるとサラサラと流れていきます。水滴が塗装面に残留することを防げるため、イオンデポジットやウォータースポットが付着しづらくなるということです。
また、水シミが付着しづらいポリマー(樹脂)コーティング剤や、ガラス系コーティング剤の親水タイプであれば、よりイオンデポジットやウォータースポットを防げるでしょう。
下記の記事では、親水タイプのコーティングについて詳しく解説しています。ぜひ、こちらもご覧ください。
なお、コーティング効果を長期間維持するには、定期的にメンテナンスする必要があります。コーティング被膜は鳥の糞などの汚れの蓄積、紫外線や酸性雨によるダメージによって劣化します。
被膜が劣化すると、期待する効果が得られなくなるため、定期的に汚れやダメージを取り除いてあげましょう。
下記の記事では、コーティングのメンテナンス方法やおすすめのメンテナンス剤を紹介しています。こちらの記事もご覧ください。
6. ウォータースポットにお困りでしたらグーネットピットにご相談ください
ウォータースポットは塗装面が焼き付いたり、陥没したりした状態のため、その箇所を削らなければ取り除けません。イオンデポジットは専用の除去剤で取り除けるため、ウォータスポットに悪化する前に除去することが重要です。
なお、自動車整備士並みの知識や経験を持っている場合は、軽度のウォータスポットであれば自分で除去できるでしょう。
ただし、コンパウンドで磨きすぎて塗装を剥がしてしまう恐れがあるため、適切な力加減や磨き具合がわからないため、基本的には専門業者に依頼するのがおすすめです。
もし、ウォータースポットの除去を依頼する業者にお困りでしたら、グーネットピットにご相談ください。グーネットピットには経験豊富なスタッフが在籍していますので、安心して任せられます。さらに、再コーティングやメンテナンスなどのケアもご対応します。