新車試乗レポート
更新日:2026.08.24 / 掲載日:2026.08.24

気になるEV、1週間徹底試乗レポート![日産 リーフ]リアルにチェック編

まとめ/ユニット・コンパス 写真/ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、一部はめ込み合成です

話題の電動モデルを日常的なシチュエーションで検証してきたこのコーナーが、リニューアル! モデルの魅力を紹介する「解説編」と、実際に1週間試乗する「試乗編」の2部構成でお届けします。前編では、3代目となった日産 リーフの歴史や進化、注目の技術について詳しく解説しました。そして今回は後編。おなじみ編集部・大塚が実際に1週間乗ってみて感じたことをレポートします。テーマはもちろん「徹底的にユーザー目線」!

編集部 大塚

Profile

編集部 大塚

2026-2027 日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。自他共に認めるクルマ好き、キャンプ好き、ウインタースポーツ好きにして、気になることは徹底的に調べるのがモットー。国産、輸入車問わず、これまで数多くのクルマを購入。現在は近距離用にホンダe、長距離用にランドローバーディフェンダーを愛用している。これからEVにまつわる諸問題に体当たりしていきます!

前回の記事はこちら▼

ついに真打ち登場! 日産 リーフが掲げるEV新基準

 みなさんこんにちは! 編集部・大塚です。いよいよ3代目となる新型「日産 リーフ」に試乗します。今回のリーフ、じつはかなり注目していました。

 初代リーフが登場したのは2010年。量産EVがまだ珍しかった時代に、日産はリーフを世に送り出しました。これまで世界で約70万台が販売され、オーナーによる走行距離は累計280億kmに達するといいます。まさに、EVの普及と進化を長年にわたって支えてきたモデルです。先代リーフのオーナーなら、航続距離や充電性能、走り、乗り心地がどれだけ進化したのかが気になるでしょうし、ほかのEVに乗っている人や、プリウスなどのハイブリッド車からの乗り換えを考えている人にとっても、「最新の国産EVはどこまで進化したのか」は気になるところでしょう。

 私自身、これまで海外メーカーを含め、さまざまなEVに乗ってきました。驚くほど速かったり、先進的な装備にワクワクさせられたり、乗った瞬間「すごい!」と思わせてくれるクルマもあります。ただ、かぎられた時間で乗って楽しいことと、毎日の愛車として選びたいと思えることは、少し違うんですよね。

 そこで今回、3代目リーフで確かめたいのは、EVならではの特別感ではなく「普通のクルマとして選べるEVになったのか」ということ。そして、15年にわたって進化を続けてきたリーフが、これからのEVに求められる「当たり前」の水準を、さらに引き上げる存在になっているのか。そこにも注目したいと思います。

「これがリーフ?」と思わせる、クロスオーバースタイル

 最初に写真を見たとき「リーフ、ずいぶん変わったな」というのが正直な感想でした。でも、実車を見るとすごく納得できます。まず目を引くのが、これまでのリーフとは大きく印象を変えたスタイリングです。従来のハッチバックからクロスオーバー的なフォルムへと変身。ボディの存在感が増し、SUVらしい力強さを明確に感じさせるデザインになりました。フロントまわりは、日産の新しいデザインランゲージを取り入れたすっきりとした造形。前後のランプ類もシャープにまとめられ、EVらしい先進感を演出しています。一方で、単に未来的なデザインや強い存在感をねらっただけではなく、ボディ全体を滑らかにつなぐことで、空力性能にも配慮されています。

クロスオーバーという従来とは異なるボディシルエットながら、ボディ各部の形状を最適化することで走行時の空気抵抗を効果的に抑制。また、フロントグリルを必要としないEVならではの構造を生かし、前面がシンプルにまとめ上げられています。デザインと空力性能を両立させながら、これまでのリーフとはまた違った際立つ存在感を獲得しています。

 これまでのリーフは、どちらかというと「EVであること」がデザインからも伝わるクルマでしたが、3代目は普通にカッコいいクルマとして成立している印象です。EVという特別なクルマに乗るというより、「好きなデザインのクルマを選んだら、それがEVだった」という感覚に近づいた気がします。

こんな人におすすめ!

「クルマとしてカッコいいものを選びたい人、先代リーフからの乗り換えを考えている人はもちろん、EVに興味はあってもデザインでピンと来なかった人に一度実車を見てほしいですね。クロスオーバーになったことで、スタイリングで選びたくなるクルマになったと思います(大塚)」

「EVに乗っている」という違和感のなさ

新型リーフは、モーター、インバーター、減速機を一体化した新開発の「3-in-1パワートレイン」を採用。モーター制御技術や高剛性モーターマウント、高遮音カーペットなどによって、スムーズな走行性能と静粛性が追求されています。加えてサスペンションが、フロントはストラットを継承も、リアは先代がトーションビームだったのに対し、3代目はマルチリンクを採用して上質な乗り心地を実現しています。

 公道に出て最初に感じたのは、とにかく構えることなくリラックスして乗れること。EVだからこういう乗り味、というクセがほとんどありません。もちろんモーターならではの滑らかさはありますが「未来のクルマ」という感じではなく、すべてがごく自然なんです。これはかなり大事なポイントだと思います。

 アクセルを踏めばスムーズに加速する。ステアリングを切れば自然に曲がる。ブレーキを踏めばしっかり減速する。当たり前のことなのですが、何もかもがとても上質です。EVを運転しているぞ、ということも必要以上に感じさせません。ガソリン車などから乗り換えたとしても、すんなり受け入れられるのではないでしょうか。以前のリーフから大きく進化しているのはもちろんですが、個人的には「EVらしさを強調する」のではなく、「EVであることを意識させない方向」に進化しているように感じました。

こんな人におすすめ!

「初めてEVに乗るけど、操作や乗り味が大きく変わるのは不安という人。新しいリーフなら、EVだからと身構える必要がありません。普通のクルマから乗り換えても、かなり自然に馴染めると思います(大塚)」

高速道路に乗った瞬間、さらに印象が変わった

 今回のメインイベントのひとつが、週末のキャンプドライブです。高速道路に乗ってすぐに感じたのが、乗り心地の良さでした。一般道では路面の細かな凹凸を感じる場面もありましたが、高速道路に入ると印象がだいぶ変わります。しっとり、なめらか。速度が上がるほど、車体が落ち着いていく感じがあります。しかも、EVならではの静かさから、速度が上がっても車内が騒がしくなりにくいのは嬉しいです。長距離を走っているのに疲れない。

 そして、もうひとつ楽しみにしていたのが「プロパイロット2.0」です。以前、日産アリアでも体験しましたが、そのときは使い方や作動条件を十分に理解しないまま操作してしまい、思うように使えなかった経験がありました。今回は事前に情報を確認してから挑戦です。すると、印象がまったく違いました。

プロパイロット2.0は、高速道路または自動車専用道路での渋滞や長時間走行などを支援するシステムです。3D高精度地図データと車両のカメラ、レーダー、ソナーなどの情報を利用し、車線維持や車間・速度制御を行います。対応条件下では同一車線内のハンズオフ走行が可能で、車線変更支援や追い越し支援などにも対応しています。また、ハンズオフ走行時の設定車速は、制限速度に対して+10km/hまでの範囲で設定できます。ハンズオンでのインテリジェントクルーズは30~135km/hの範囲です。
こんな人におすすめ!

「高速道路を使ったロングドライブが多い人。長距離ドライブで、クルマに助けてもらえる安心感は大きいです。プロパイロット2.0は、ぜひ実際に体験してほしい装備ですね(大塚)」

ここまで変わった? リーフの「長距離性能」

 新型リーフは最大150kWの急速充電に対応。150kWの急速充電器を使用した際、残量警告灯点灯時から80%までの充電時間の目安を約35分としています。実際の充電時間は、バッテリー残量や温度、充電器の性能などによって変化します。さらに新型リーフでは、ナビゲーションと連動してバッテリー温度を調整する「ナビリンクバッテリーコンディショニング」も採用。目的地までの走行負荷などを考慮してバッテリーの温度を管理し、効率や急速充電性能の向上を図っています。

 そして今回、Honda eオーナーとして個人的にかなり驚いたのが、航続距離と充電性能です。「EVは充電が大変」というイメージがありますよね。私自身もその感覚はよく分かります。ところが3代目リーフでは、そのネガティブな部分がかなり小さくなったと感じます。

 今回の試乗車は大容量バッテリーを搭載するB7系。日産はB7に78kWhのバッテリーを搭載し、グレードによってWLTCモードで600km台後半から700km超の航続距離を実現しています。今回の試乗期間中には、実際に急速充電も試しました。酒々井PAの150kW急速充電器30分で、53%→90%。これには驚きました。充電のためだけに時間をかけるというより、休憩している間に充電してしまえるのは便利です。

 比較してはいけないのかもしれませんが、この点では、Honda eはもう完敗ですね(笑)。航続距離もそうですが、急速充電の速さには本当に驚きです。EVに乗っていると、「充電しなくちゃ」と考えること自体がストレスになることがあります。でも、これなら「休憩している間に充電しておこう」くらいの感覚になってくる。EVの使い勝手が、一段階進んだと感じるポイントです。

こんな人におすすめ!

「EVに興味はあるけれど、航続距離と充電時間が不安な人。今回乗ってみて、EVの弱点だと思っていた部分がかなり小さくなっていると感じました。遠出を我慢するのではなく、普通に遠出できるEVになっています(大塚)」

通勤で使うと、「EVの良さ」を再認識

 長距離だけではありません。今回の試乗期間では、普段の通勤にも使ってみました。一般道での通勤走行では、走行距離19.9kmに対して電費は6.2km/kWh。試乗期間全体では302.6kmを走行し、平均電費は5.8km/kWhでした。この数字は、あくまで今回の試乗環境で車載計器に表示された実績値ですが、日常走行ではかなり効率よく走れることを実感しました。毎日の通勤に使うなら、わざわざガソリンスタンドへ行く必要がない。帰宅したら充電しておけばいい。この「生活の中で充電する」という感覚が、EVの本当の便利さなのだと改めて思います。

新型リーフは、自宅での普通充電に対応。日産は、夜間など車両を使用していない時間に充電する使い方を案内しています。即充電のほか、タイマー充電、NissanConnectを利用したリモート充電にも対応しています。普通充電時間は、充電器の出力やバッテリー残量などによって異なります。

水平基調のダッシュボードが、思った以上に気持ちいい

 運転していてもうひとつ気に入ったのが、インテリアです。ダッシュボードが水平基調で、視界がすっと横に広がっている。ごちゃごちゃした感じがなく、運転席から前方を見たときの開放感があります。また、ドライブセレクターも操作しやすく、ドライブモードやオートホールドの設定が電源を切ったあとも維持されるのも、毎日乗る人にとっては地味にうれしいところ。こういう「毎回設定し直さなくていい」という部分って、カタログではあまり目立ちませんが、実際に所有すると効いてくるんですよね。

こんな人には絶対おすすめ!

「毎日乗るクルマだからこそ、操作性や居心地を大切にしたい人。先進装備だけではなく、毎日触るところがちゃんと使いやすい。派手さはないが落ち着く室内。こういうところは実際に所有してから効いてくると思います(大塚)」

キャンプで気がつく「電気を持ち運べる」という価値

 今回の目的地は、茨城県のいつものキャンプ場。私がキャンプにクルマを持っていくときに重要なのが「電源」。車載冷蔵庫などを持っていくので、クルマから電気を取り出せるのは非常に便利です。新型リーフにはAC外部給電コネクターが標準装備されていて、駆動用バッテリーの電力を車外へ取り出すことができます。そしてもちろん車内には、メーカーオプションで100V AC電源も設定されています。ただ、ひとつ自分自身への反省もありました。車両の電源を一度切って再始動した際に、AC100Vの設定を入れ直すのを忘れてしまい、キャンプ場に到着してから「電源が入っていない!」と気づいたんです。完全に自分のミスですが、ここは「AC電源がOFFですよ」とメーターなどで教えてくれたら、さらに親切だなと思いました。

新型リーフは、V2L(Vehicle to Load)に対応。AC外部給電コネクターを使って、駆動用バッテリーの電力を車外で電気製品に利用できます。また、車内には100V AC電源を2個設定でき、外部給電と車内給電を合わせて最大3000Wの給電に対応します。また、自宅でV2H機器を接続すれば、リーフの電力を家庭へ供給することも可能です。
こんな人には絶対おすすめ!

「キャンプやアウトドアで電気を使いたい人。EVは移動するためだけのクルマではなく、電気を持って出かけられるクルマでもあります。この便利さは、実際に使ってみるとよく分かります(大塚)」

大塚の結論

 これは「EVを買う」というより、ただ「すごく便利な車を手に入れる」感覚だと思います。3代目リーフに乗って、一番強く感じたのは「EVらしさ」ではありません。普通に走る、普通に曲がる、普通に止まる。高速道路ではしっとり快適に走る。長距離ではプロパイロット2.0がサポートしてくれる。普段は自宅で充電して、必要なら高速道路で急速充電する。そして、キャンプに行けば電気を持ち出して使える。3代目リーフは「もうEVであることを意識しないクルマ」に近づいたのではないでしょうか。

試乗データ
急速充電(約30分)酒々井PA・150kW急速充電器
バッテリー残量53%→90%
貸与期間トータル
走行距離302.6km
平均電費5.8km/kWh
通勤・一般道
走行距離19.9km
平均電費6.2km/kWh

※電費・充電量は今回の試乗における実測値です。走行条件、気温、速度、エアコン使用状況、バッテリー温度、充電器の出力などによって数値は変化します。日産もWLTC値について、実際の使用環境や運転方法によって一充電走行距離が異なると案内しています。


日産 リーフ B7 G(2WD)主要諸元

全長4360mm
全幅1810mm
全高1550mm
ホイールベース2690mm
車両重量1920kg
乗車定員5名
駆動方式2WD(前輪駆動)
バッテリー総電力量(使用可能電力量)75.1kWh
バッテリー種類液冷式リチウムイオンバッテリー
モーター最高出力160kW(218PS)
モーター最大トルク355N・m(36.2kgf・m)
一充電走行距離685km(WLTCモード)
最小回転半径5.3m
タイヤサイズ(前後)235/45R19

※撮影車両は下記オプション追加。

100V AC電源(1500W)、センターコンソール1個、ラゲッジ1個 6万6000円
特別塗装色(P)ルミナスターコイズ/スーパーブラック  2トーン 7万7000円
オーバーヘッドコンソール(サングラスホルダー付)+ルーフレール+調光パノラミックガラスルーフ(遮熱機能付) 22万5500円
後席ヒーター付シート+リヤヒーターダクト+バッテリーヒーター 9万1300円
ステアリングスイッチ(プロパイロット2.0)+アドバンスド アンビエント ライティング(マルチカラー)+ダブルシャークフィンアンテナ+プロパイロット リモートパーキング+プロパイロット 2.0+プロパイロット緊急停止支援システム(SOSコール機能付)+ワイパーデアイサー+リヤLEDフォグランプ(中央) 40万9200円


モデルラインアップ
車両本体価格(標準、税込)

B5 S:438万9,000円
B5 X:473万8,800円
B5 G:564万8,500円
AUTECH B5:616万2,200円
B7 X:518万8,700円
B7 G:599万9,400円
AUTECH B7:651万3,100円


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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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