カーライフ
更新日:2026.07.26 / 掲載日:2026.07.26
気になるEV、1週間徹底試乗レポート![日産 リーフ]じっくり解説編

まとめ/ユニット・コンパス 写真/ユニット・コンパス、日産
※ナンバープレートは、一部はめ込み合成です
話題の電動モデルを日常的なシチュエーションで検証してきたこのコーナー。今回注目するのは、世界の電気自動車市場を切り拓いてきた日産 リーフです。2010年に世界初の量産電気自動車として誕生して以来、EVをより身近な存在へと変えてきたパイオニア。2025年にはクロスオーバーへと進化した3代目が登場しました。
ここではまず前編として、新型リーフがどのようなクルマなのか、その魅力や進化のポイントを詳しく解説していきます。
前回の記事はこちら▼
- 世界初の量産EVがクロスオーバーに。新型日産リーフが目指す次なるゴール
- そもそもリーフとは? まずは変遷をおさらい
- 【解説ポイント-1】クロスオーバーという新たなスタイルへ
- 【解説ポイント-2】空気を味方につけたエクステリア
- 【解説ポイント-3】日本的なくつろぎを目指したインテリア
- 【解説ポイント-4】新世代パワートレインが叶える、静かに、遠くへ
- 【解説ポイント-5】不安を減らす、新しい充電性能
- 【解説ポイント-6】「走る蓄電池」として暮らしを支える
- 【解説ポイント-7】Google連動で、いろんなことが簡単に
- 【解説ポイント-8】先進の安全技術がもたらす安心感
- EVの先駆者がおくる、考え抜かれた1台
- 日産 リーフ B7 G(2WD)主要諸元
世界初の量産EVがクロスオーバーに。新型日産リーフが目指す次なるゴール

今回の解説編では、日産 リーフがなぜ世界を代表する電気自動車となったのか、そして第3世代で何が進化したのかを見ていきます。2010年の誕生以来、リーフはEVという存在を特別なものから日常の乗り物へと変えてきました。初代、そして2代目は世界で約70万台を販売し、ユーザーによる累計走行距離は約280億kmに達しています。この膨大な実績は、日産が電気自動車の開発を続ける上で大きな財産となり、新型リーフにも数多くの技術として受け継がれています。
そもそもリーフとは? まずは変遷をおさらい

リーフの誕生は決して偶然ではありません。日産の電気自動車への挑戦は、戦後間もない1947年に登場した「たま電気自動車」にまでさかのぼります。深刻な石油不足の時代に誕生したこの電気自動車は、後に日産と合併するプリンス自動車工業の前身である東京電気自動車が開発しました。交換可能な鉛酸バッテリーを採用し、最高時速35km、航続距離96kmを記録するなど、当時としては高い性能を実現し、日本における電気自動車の先駆けともいえる存在です。
日産では量産化以前から数多くの電気自動車の研究・開発を続けていました。リーフの開発にあたっては、公道で実証試験を行うため、多くの実験車両が製作されました。2008年にはキューブキュービックをベースとした「EV-01」「EV-02」が公開され、翌2009年にはティーダをベースとし、後のリーフと共通プラットフォームを採用した「EV-11」「EV-12」を発表するなど、実用化に向けた検証が進められました。

そして2010年12月、日本とアメリカで初代リーフが発売されます。専用プラットフォームにリチウムイオンバッテリーを床下搭載し、家庭で充電できることを前提とした設計を採用。エンジン音や排出ガスのない静かな走り、アクセル操作に素直に反応するモーターならではの加速性能など、それまでのガソリン車とは異なる新しい価値を提案しました。また、発売当時としては先進的なコネクテッド機能も搭載し、スマートフォンなどから充電状態を確認できるなど、EVならではの使い方も提案しています。
2017年には2代目リーフへとフルモデルチェンジ。外観デザインを一新するとともに、電動パワートレインやバッテリー性能、安全装備を大幅に進化させました。発売当初は40kWhバッテリーの仕様のみの設定でしたが、その後は大容量62kWhを搭載した「リーフ e+」も追加。航続距離を伸ばしたことで、日常使いだけでなく長距離移動への対応力も高めます。

さらに2代目では、アクセルペダルだけで加速と減速の多くを操作できる「e-Pedal」を採用。モーターの回生ブレーキを積極的に活用することで、運転のしやすさとエネルギー回収を両立しました。また、高速道路でアクセル、ブレーキ、ステアリング操作を支援する「プロパイロット」や、駐車操作を支援する「プロパイロット パーキング」など、先進運転支援技術も積極的に採用され、単なる電気自動車ではなく、日産の先進技術を象徴するモデルへと進化していきます。
【解説ポイント-1】クロスオーバーという新たなスタイルへ

第3世代となった新型リーフは、従来のハッチバックからクロスオーバーへと大きく姿を変えました。その変化は単に流行を取り入れたものではなく、デザイン、機能性、そしてEVとしての性能を高い次元で両立するために導き出された答えでもあります。
開発コンセプトには「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」が掲げられ、日本ならではの美意識を取り入れながら、先進性と親しみやすさを融合させることで、長く愛されるデザインを目指したとされています。
また、日産のEV専用プラットフォーム「CMF-EV」を採用。バッテリーは床下配置で低重心化と広い室内空間を両立しています。クロスオーバーらしい見晴らしの良いドライビングポジションも実現しています。
【解説ポイント-2】空気を味方につけたエクステリア

新型リーフのエクステリアでまず目を引くのは、滑らかにつながるルーフラインです。クロスオーバーらしい力強さを備えながらも、全体は非常に流麗なシルエットにまとめられています。もちろん、細部まで空力性能を追求しています。
例えば、フロントバンパーやホイール、アンダーフロアの形状を最適化するとともに、フラッシュドアハンドルやフラットなボディサイドを採用。さらにルーフ後端やリアエンドの気流を整えることで、優れた空力性能を実現し、日本仕様ではCd値(空気抵抗係数)0.26を達成しています。

フロントマスクは、EVらしいシンプルさを感じさせながらも存在感のある表情に仕上げられています。横一文字に伸びるライティングやブラックパネルを組み合わせたデザインは、先進性を印象づけるだけでなく、空力性能にも配慮されたものです。また、新型リーフでは「Ⅱ三(ニッサン)」のパターンが各部に採用されています。フロントやリア、ホイールなどにさりげなく取り入れられたこのモチーフは、日本発のEVであることを象徴するデザイン要素であると同時に、3代目としての余裕と遊び心も感じられます。
【解説ポイント-3】日本的なくつろぎを目指したインテリア

インテリアでも、新型リーフは従来モデルから進化しています。デザインテーマとして掲げられたのは、日本建築の「縁側(Engawa)」という考え方です。室内と外の景色をゆるやかにつなぐ縁側のように、車内でも開放感と居心地の良さが自然に感じられる空間を目指して設計されました。
インパネは水平基調でシンプルにまとめられ、大型ディスプレイが存在感を放っています。物理スイッチは必要最小限に抑えられ、視覚的にもすっきりとした先進的なコクピットに仕上げられています。
さらに上級グレードには、調光機能付きパノラミックガラスルーフを設定。日本の伝統的な「霞(かすみ)」模様に着想を得た特殊ガラスを採用し、操作によって透明度を切り替えることができます。一般的なサンシェードを必要としないため、頭上空間をより広く感じられるのも特徴です。シートには、日産が長年研究を続けてきた「ゼログラビティシート」を採用。体圧を分散することで長時間のドライブでも疲れにくく、街乗りはもちろんロングドライブでも快適性を高めています。

また、EV専用プラットフォームによるフラットなフロアも、室内の開放感に大きく貢献しています。前後席とも足元に余裕があり、乗員全員がゆったりと過ごせる空間づくりがなされています。実用性の面では、荷室の使い勝手が向上していることも見逃せません。開口部を広く確保したことで、日常の買い物から旅行まで荷物の積み降ろしがしやすくなりました。通常時でも420L(VDA方式)の荷室容量を確保し、後席を倒せば荷室長は最大約1890mmまで拡大。長尺物の積載にも対応し、レジャーシーンでも頼もしい存在となっています。

【解説ポイント-4】新世代パワートレインが叶える、静かに、遠くへ

新型リーフには、日産が長年培ってきたEV技術を結集した、新開発の電動パワートレインが採用されています。モーター、インバーター、減速機を一体化した「3-in-1 EVパワートレイン」は、従来比で約10%の小型化と高効率化を実現。限られたスペースを有効活用できるようになったことで、室内空間の拡大や車両全体のパッケージングの最適化にも貢献しています。

また、EVならではの静粛性にもさらに磨きがかけられました。新開発の高剛性モーターマウントにより、モーターから伝わる振動を従来比で約75%低減。さらに高遮音カーペットなども採用することで、走行中の静かで上質な室内空間を実現しています。アクセル操作に対するレスポンスの良さや、モーターならではの滑らかで力強い加速も、リーフならではの魅力です。
駆動用バッテリーは2種類を設定し、75kWh仕様では一充電あたり最大702km(WLTCモード)、52kWh仕様では最大521km(WLTCモード)の航続距離を達成しています。毎日の通勤や買い物はもちろん、ロングドライブまで幅広いシーンに対応できる性能を備えています。
加えて、アクセルペダルだけで加減速をコントロールしやすい「e-Pedal Step」も引き続き採用。減速時には回生ブレーキでエネルギーを効率よく回収しながら、街中から高速道路まで快適なドライビングをサポートします。
【解説ポイント-5】不安を減らす、新しい充電性能

新型リーフは、充電性能も大きく進化しました。75kWh仕様は最大150kWの急速充電に対応し、適切な条件下ではバッテリー残量10%から80%までを最短35分で充電できます。長距離ドライブの途中でも短時間で充電できるため、移動計画が立てやすくなり、EVならではの利便性をさらに高めています。
この充電性能を支えているのが、新たに採用された液冷式リチウムイオンバッテリーです。従来のリーフは自然空冷方式でしたが、新型では冷却液(クーラント)によってバッテリー温度を最適に管理。急速充電を繰り返した際の温度上昇を抑え、充電性能や走行性能の維持に加え、バッテリーの耐久性向上にも貢献しています。日産では、その性能に対する自信の表れとして、駆動用バッテリー容量を8年または16万km保証しています。

さらに、バッテリーを効率よく使うためのエネルギーマネジメントシステムも進化しました。ナビゲーションで目的地を急速充電器に設定すると、走行中からバッテリー温度を充電に適した状態へ自動調整する「バッテリーコンディショニング」が作動。充電器に到着した時点で効率よく充電できるよう制御することで、気温や季節による影響を抑え、安定した急速充電性能を実現しています。また、バッテリーから発生する熱を暖房に有効活用するなど、エネルギー効率を高める工夫も取り入れられています。
【解説ポイント-6】「走る蓄電池」として暮らしを支える

電気自動車は、大容量のバッテリーを備えた「走る蓄電池」として活用できることも大きな魅力です。新型リーフでは、その価値がさらに高められています。
家庭とクルマをつなぐV2H(Vehicle to Home)に対応し、住宅に設置した対応機器と組み合わせることで、車両に蓄えた電力を家庭で利用できます。さらに、太陽光発電システムと連携すれば、昼間に発電した電気をリーフに蓄え、夜間に家庭で使うといった効率的なエネルギーマネジメントも可能です。
また、停電などの非常時には非常用電源として活用できることも大きな安心材料です。さらに、車外へ電力を供給できるV2L(Vehicle to Load)にも対応。アウトドアやキャンプはもちろん、屋外での作業や災害時などでも電気製品を使用でき、EVの活用シーンをさらに広げています。
【解説ポイント-7】Google連動で、いろんなことが簡単に

新型リーフでは、コネクテッド機能も大きく進化しました。新たにGoogle built-inを採用したことで、Google マップによるナビゲーションやGoogle アシスタントによる音声操作、Google Playから対応アプリを追加できるようになりました。普段スマートフォンで使い慣れたサービスを車内でも利用できるため、新しい操作を覚える負担を減らし、より直感的に扱えるようになりました。

また、EV専用のナビゲーション機能も充実しています。目的地までの航続可能距離やバッテリー残量を考慮しながらルートを案内するほか、必要に応じて充電スポットを経由するルートも提案。さらに、急速充電器を目的地に設定すると、走行中からバッテリー温度を充電に適した状態へ調整する「バッテリーコンディショニング」とも連携し、充電効率の向上にも貢献します。スマートフォンのような使いやすさと、EVならではのきめ細かなサポート。その両方を実現したことも、新型リーフの大きな魅力といえるでしょう。
【解説ポイント-8】先進の安全技術がもたらす安心感

新型リーフには、日産が長年培ってきた先進運転支援技術「ProPILOT(プロパイロット)」を採用しています。高速道路では、アクセル、ブレーキ、ステアリングの操作を支援し、長距離ドライブや渋滞時のドライバーの負担を軽減します。
さらに、ナビゲーションと連携する「ProPILOT ナビリンク」により、ルート情報に応じた速度制御をサポート。カーブや高速道路の分岐などでも、より自然でスムーズな運転を支援します。

安全性能も充実しています。360°センシングによる先進安全技術を採用し、車両の前後左右を検知することで、車線変更時や交差点、駐車時など、さまざまな場面でドライバーの安全確認をサポートします。また、インテリジェント アラウンドビューモニターや各種衝突被害軽減技術など、日常の運転を支える先進安全装備も数多く搭載されています。
移動を快適にするだけでなく、毎日の運転をより安心して楽しめることも、新型リーフが目指した大きな価値のひとつです。
EVの先駆者がおくる、考え抜かれた1台

2010年に誕生した初代リーフは、「電気自動車は日常の移動手段になれる」という可能性を世界へ示した1台でした。世界各地で積み重ねられた膨大な走行データやユーザーからのフィードバックは、日産のEV開発を支える大きな財産となり、第3世代となる新型リーフにも数多くの技術として受け継がれています。
新型では、クロスオーバーという新たなスタイルを採用するとともに、新開発の3-in-1 EVパワートレインや液冷式リチウムイオンバッテリー、高効率な熱マネジメントシステム、最大150kWの急速充電、Google built-in、V2H・V2L対応など、あらゆる面で大きな進化を遂げました。電気自動車としての基本性能を磨き上げるだけでなく、デザインや快適性に加え、「電気を使いこなす」という新しい価値まで提案する一台へと進化しました。新型リーフは、EVのパイオニアとして15年以上にわたり培ってきた技術と経験を凝縮した一台といえるでしょう。
次回は、編集部・大塚が新型リーフを1週間徹底試乗。街乗りから高速道路まで、さまざまなシーンで実際に走らせながら、その実力をユーザー目線で詳しくレポートします。ご期待ください!
日産 リーフ B7 G(2WD)主要諸元
| 全長 | 4360mm |
| 全幅 | 1810mm |
| 全高 | 1550mm |
| ホイールベース | 2690mm |
| 車両重量 | 1920kg |
| 乗車定員 | 5名 |
| 駆動方式 | 2WD(前輪駆動) |
| バッテリー総電力量(使用可能電力量) | 75.1kWh |
| バッテリー種類 | 液冷式リチウムイオンバッテリー |
| モーター最高出力 | 160kW(218PS) |
| モーター最大トルク | 355N・m(36.2kgf・m) |
| 一充電走行距離 | 685km(WLTCモード) |
| 最小回転半径 | 5.3m |
| タイヤサイズ(前後) | 235/45R19 |
※撮影車両は下記オプション追加。
100V AC電源(1500W)、センターコンソール1個、ラゲッジ1個 6万6000円
特別塗装色(P)ルミナスターコイズ/スーパーブラック 2トーン 7万7000円
オーバーヘッドコンソール(サングラスホルダー付)+ルーフレール+調光パノラミックガラスルーフ(遮熱機能付) 22万5500円
後席ヒーター付シート+リヤヒーターダクト+バッテリーヒーター 9万1300円
ステアリングスイッチ(プロパイロット2.0)+アドバンスド アンビエント ライティング(マルチカラー)+ダブルシャークフィンアンテナ+プロパイロット リモートパーキング+プロパイロット 2.0+プロパイロット緊急停止支援システム(SOSコール機能付)+ワイパーデアイサー+リヤLEDフォグランプ(中央) 40万9200円
モデルラインアップ
車両本体価格(標準、税込)
B5 S:438万9,000円
B5 X:473万8,800円
B5 G:564万8,500円
AUTECH B5:616万2,200円
B7 X:518万8,700円
B7 G:599万9,400円
AUTECH B7:651万3,100円
