車検・点検・メンテナンス
更新日:2026.07.09 / 掲載日:2026.07.09
セレナのエンジンがかからない・システム故障の原因と対処法を解説

セレナのエンジンがかからない——突然のことで焦ってしまう状況ですが、原因によって対処法はまったく異なります。「スタートボタンを押しても無音で何も起きない」「セルは回るがエンジンがかからない」「システムが故障しているため使用できないと表示が出た」——症状が違えば原因も違います。
この記事では、セレナ(C25/C26/C27/C28)のエンジン始動トラブルを症状のパターン別に整理し、今すぐできる応急確認とグーネットピット加盟店での実際の診断・修理事例を解説します。
経歴: 自動車整備アドバイザー歴 8年
資格:二級自動車整備士
コメント:「エンジンがかからないときはパニックになりがちですが、まず『スタートボタンを押したときに車からの反応があるか・ないか』を確認してください。それだけで原因の候補が大きく絞れます。」
この記事はこんな方に向けて書いています
今まさにエンジンがかからない方(緊急)
・スタートボタンを押しても反応がない
・セルが回らない・弱々しい
・「システムが故障しているため使用できません」と表示が出た
原因・費用を事前に確認したい方
・バッテリーとセルモーターの違いを知りたい
・C27セレナのインジェクター問題について調べている
・修理費用の目安と保証対応の有無を知りたい
中古でセレナを購入した方
・C25・C26・C27でエンジン始動トラブルの傾向を知りたい
・走行距離が多い中古車の注意点を知りたい
まず確認:症状のパターンで原因が変わる
エンジンがかからないとき、最初に判断すべきは「どんな症状か」です。以下の表で原因の候補を絞ってください。
| 症状 | 主な原因 | 緊急度 |
|---|---|---|
| ・無音 ・メーターも暗い ・何も起きない | バッテリー上がり(完全放電) | 高(ジャンプスタートで応急可) |
| スタートボタン押しても「カチッ」と1回鳴るだけ | バッテリー弱または接点不良 | 高 |
| セルは回る(キュルキュル音)がかからない | ・セルモーター弱 ・燃料系・点火系 ・イモビライザー系統 | 高 |
| 時々かからない・かかったり、かからなかったりする | ・セルモーター劣化 ・接触不良 ・燃料系・点火系 | 中(完全停止の前兆) |
| ・エンジンはかかるが走り出せない ・ミッションが動かない | ・オルタネーター故障(電圧低下) ・ミッション内部不良 | 高(走行不能) |
| 「システムが故障しているため使用できません」と表示 | ・EGRバルブ詰まり ・ハイブリッド系異常 ・運転支援系システム異常 | 高(走行禁止推奨) |
| エンジンかかりにくい・始動性が悪い(C27) | インジェクター詰まり | 中(放置するとエンスト) |
【症状別】セレナのエンジンがかからない時に起きていること
セレナのエンジンがかからないときは、バッテリー上がりやセルモーターの故障など、さまざまな原因が考えられます。この章では、それぞれの症状を詳しく解説します。
バッテリー上がり・劣化(最多)
セレナ(S-HYBRID搭載のC26/C27)は、メインとサブの2個のバッテリーを搭載しており、どちらかが弱るとエンジンが始動できなくなります。また、アイドリングストップの多用でバッテリーへの負担が大きいのが特徴です。バッテリーの交換目安は2〜3年です。
バッテリー交換の詳細な情報はVol.1で解説しています。
→ バッテリー交換の費用・リセット方法はこちら: セレナのバッテリー交換|2個バッテリーの費用・交換時期・リセット方法を解説
今すぐできる応急処置:ジャンプスタート
バッテリーが上がっている場合、他の車やモバイルジャンプスターターからブースターケーブルを接続してエンジンをかけることができます。かかった後はすぐ整備工場へ向かい、バッテリーの状態確認と交換の相談をしてください。
セルモーター(スターターモーター)の故障
「スタートボタンを押すとキュルキュルと音はするがかからない」「時々かからない・何度か試すとかかる」という症状はセルモーターの劣化が疑われます。
セレナのセルモーターは走行距離が多くなる(目安:10万km以上)と寿命を迎えることがあります。特に「時々かからない」という症状は完全停止の前兆であることが多く、放置すると突然エンジンがかからなくなります。
セレナのセルモーター交換の特徴: セルモーターの場所はエンジンルームで確認できますが、セレナは「上からも下からも抜き出しにくい」構造であることが整備士間で広く知られています。C26では下からはラジエーターのロアホースを外さないと困難なほど狭く、工賃が他の車種より高くなる傾向があります。リビルト品を使用することで費用を抑えることが可能です。
C27特有:インジェクター詰まりによる始動不良
C27セレナで「エンジンがかかりにくい」「始動性が悪くなった」という症状が報告されています。スパークプラグやイグニッションコイルを交換しても改善しない場合、インジェクター(燃料噴射装置)の詰まりが原因であることがあります。
整備士によると「C27セレナのインジェクター詰まりは最近よく出てきた故障」とされており、日産の保証期間(5年)内であれば無償対応の可能性があります。症状が出たら、まずディーラーで保証対応の可否を確認することをおすすめします。
オルタネーター(発電機)の故障
エンジンはかかるものの「走り出せない」「ミッションが動かない」という状態は、オルタネーターが正常に発電できていない可能性があります。バッテリー警告灯(赤いバッテリーアイコン)が点灯していたら、まずオルタネーターを疑ってください。
オルタネーターが故障すると12Vの電圧が正常に供給されなくなり、ミッションのセンサーやコンピューターが正常に動作しなくなります。エンジンがかかった状態でもミッションが動かず、車が前後に動けなくなるケースがあります。
特にセレナ(C25系)のオルタネーター交換は特殊なサイズのボルトが多用されており、専用工具やジャッキアップが必要な難易度の高い作業です。
「システムが故障しているため使用できません」の表示
C27/C28セレナで「システムが故障しているため使用できません」という表示が出た場合、EGRバルブの詰まりが主な原因として多く報告されています。この状態で走行を続けると、エンストや走行不能に至るケースがあります。
また、この表示と共に点灯している警告灯の形も確認することが大事です。点灯している警告灯によってシステムが変わるためです。
この症状の詳細な原因と修理費用については「警告灯・故障警告灯」の記事で詳しく解説しています。
→ 「システム故障」表示の原因と対処法: セレナの警告灯が点いた!種類別の意味と緊急度・「システム故障」表示の原因と対処法
セレナのエンジン不良時にすぐできる応急対処
セレナのエンジンがかからないときは、ジャンプスタートを試みたり、セルを叩いてみたりと、応急処置を行いましょう。
① 無音・電気もつかない → ジャンプスタートを試みる
バッテリーが上がっている場合は、他の車やモバイルジャンプスターター(バッテリーブースター)を使ってエンジンをかけることができます。またJAFや任意保険付帯のロードサービスに連絡する方法もあります。応急始動後はすぐ整備工場へ向かってください。
② 電気はつく・でもかからない → セルを叩いてみる(暫定)
セルモーターが故障している場合、セルモーター本体をハンマーで軽く叩くと内部のブラシが動いて一時的に始動することがあります。あくまで暫定的な確認であり、根本解決にはなりません。始動後は整備工場へ向かってください。
③ 「システム故障」表示が出た → 走行を控える
「システムが故障しているため使用できません」という表示が出た場合は、走行を続けると症状が悪化することがあります。安全な場所に停車してロードサービスを呼ぶか、グーネットピット加盟店へご相談ください。
セレナのエンジンに関するグーネットピット 診断・修理実績
グーネットピット加盟店が実際に対応した、セレナのエンジン不具合の修理事例をご紹介します。
事例1:時々エンジンがかからない→バッテリー正常→セルモーター交換(C25)
入庫時の状態:セレナのエンジン不動でご入庫。バッテリーは正常で、何度か試すとかかるときもある状態。セルモーターへの電圧チェックを実施。
施工内容:セルモーターの電圧確認後、故障と確定。セルモーターを交換。狭い場所での作業になるため大変な作業。交換後はセルモーターが元気よく回るように。
事例2:エンジンかからなくなりレッカー入庫→C26 セルモーター交換
入庫時の状態:エンジンがかからなくなってしまいロードサービスでレッカー入庫。C26セレナ。
施工内容:セルモーターを取り外すため、リフトアップしてアンダーカバーを外して作業。18mmボルト2本を外すが、上からも下からも抜き出しにくい構造。なんとか抜き出してセルモーターを交換。交換後はエンジンが始動。
事例3:キュルキュル音がするがかからない→C25 セルモーター交換(走行22万km)
入庫時の状態:H24年式セレナC25、走行22万km。スタートボタンでキュルキュルと音はするがかからない状態で入庫。診断の結果セルモーターの故障と診断。
施工内容:リビルト品のセルモーターに交換して作業完了。走行距離22万kmの車両だったため、リビルト品で費用を抑えた対応。
事例4:エンジンかかりにくい→C27 インジェクター交換(日産5年保証確認)
入庫時の状態:C27セレナでエンジン始動性が悪いとのことで入庫。各種ガスケット等も含めた点検を実施。
施工内容:インジェクター交換を実施。C27セレナのインジェクター詰まりは「最近よく出てきた故障」として認識されている。保証期間が過ぎてしまったため今回は有償作業。各種ガスケット等も交換し、試運転で始動性の改善を確認。
事例5:バッテリー警告灯点灯・走行不能→C25/CC25 オルタネーター(ダイナモ)交換
入庫時の状態:C25セレナでバッテリーチャージランプが点灯して入庫。測定すると12Vが出ていない。エンジンがかろうじてかかっている状態だが、12Vが出ないためミッションが動かず前後に動けない状態。
施工内容:特殊サイズのボルトが多い作業で、エンジンのマウントを上下外してジャッキで持ち上げないと工具が入らない構造。ルノーの設計が入った日産車特有の難易度。リビルト品のオルタネーターに交換して作業完了。
セレナのエンジン修理に関する費用目安
セレナのエンジンがかからないときの修理に関する費用目安をまとめています。ただし、車両の状態・使用部品・店舗によって変動します。
| 修理・作業内容 | 費用目安 |
|---|---|
| ジャンプスタート(応急) | 無料〜数千円 |
| バッテリー交換(2個・リセット込み) | 約5万〜8万円 |
| セルモーター交換(リビルト品・工賃込み) | 約3万〜5万円 |
| インジェクター交換(C27・全数) | 約10万〜20万円 |
| オルタネーター(発電機)交換(リビルト品) | 約4万〜8万円 |
| 故障診断 | 無料〜5,000円 |
セレナのエンジンに関するよくある質問
バッテリーを換えたばかりなのにエンジンがかかりません。なぜですか?
バッテリー以外の原因(セルモーター・オルタネーター・燃料系・点火系)の可能性があります。また、バッテリー交換後に「放電電流積算リセット」を行っていない場合、アイドリングストップが正常に動作しない症状が出ることがあります。交換を行った工場に確認してください。
C27セレナのインジェクター問題ですが、保証で直してもらえますか?
日産の新車保証は5年です。症状が保証期間内に発生した場合、ディーラーで保証対応の可能性があります。保証期間が切れてしまっている場合は、グーネットピット加盟店でリビルト品や中古品を使った修理も選択肢になります。
時々しかエンジンがかかりません。様子を見ていいでしょうか?
「時々かからない」という症状は、セルモーターが完全に壊れる前の前兆であることが多いです。いつ完全に始動不能になるかわからないため、早めに診断を受けることをおすすめします。
出先でエンジンがかからなくなりました
まずJAFや任意保険付帯のロードサービスに連絡することをおすすめします。ジャンプスタートで一時的に始動できる場合は、グーネットピット加盟店へ直接持ち込んでください。
まとめ
セレナのエンジンがかからないときは、症状によって原因が異なります。無音・電気がつかない場合は、バッテリー上がりの可能性が高く、セルは回るがエンジンがかからない場合は、セルモーターや燃料系・点火系を疑いましょう。グーネットピット加盟店では、リビルト品を使った費用を抑えたエンジン不具合の修理や、メーカー保証期間外の対応も可能です。症状が悪化する前に、お近くの整備工場へご相談ください。
程度の良い一台を。
中古車価格帯9~489.8万円(年式・走行距離による)
※2026年07月09日時点のデータです