車検・点検・メンテナンス
更新日:2024.07.09 / 掲載日:2015.03.16
エンジンがオーバーヒートする原因・症状とその対処法
車のトラブルのひとつに、エンジンのオーバーヒートがあります。
その原因・症状と対処法について解説します。
オーバーヒートとは
エンジン本体が熱くなりすぎることです。
とはいえエンジン本体の温度を直接測ることは出来ないので、
冷却水の温度から判断します。
オーバーヒートが起きても対処策を講じないままにしておくと、
最悪の場合、エンジンオイルが高熱の為に分解されて使い物にならなくなったり、
シリンダーガスケットが破損したり、エンジン本体が焼き付いて壊れてしまうなど、
大きなダメージを負うことになります。
オーバーヒートの原因
いくつかの原因が挙げられます。
1.冷却水・冷却システムによる原因
冷却水の減少や、
ラジエーターキャップやウォーターポンプなどの劣化による、
冷却水漏れなどの「冷却水不足」、
または「冷却システムの不具合」などで冷却性能が落ちた。
2.エンジンオイルによる原因
エンジンオイルが不足したり、オイルそのものが劣化するなど、
「潤滑性能の異常」により摩擦熱が高まった。
主に以上のことが、オーバーヒートの原因として挙げられます。
具体的にはどんな症状が現れるのか
チェックするポイントは、水温計と走行時の感覚です。
初期段階では、水温計がHマーク近くを指し、
走行時に思うようにスピードアップしなかったり、
アクセルを踏むと、ノッキング音がしたり、
エンジン回転数が不安定になるなどの症状が現れます。
中期段階では、水温計はHマークを越えます。
エンジンから水蒸気が立ち上ってきたり、
車から「キイキイ」というような異音が発生します。
最終段階では、冷却水漏れなどで水温計はCマークを指し、
オイルの焼ける匂いがしたり、エンジン内部からの異音が聞こえるようになり、
最後は、アクセルを踏んでもエンジンが停止し、動かなくなってしまいます。
オーバーヒートが発生した場合の対処法とは
オーバーヒートが発生したら、
まずは速やかに車を安全な場所に停車させます。
冷却水が残っている場合は、
冷却システムを止めないようエンジンはつけたままにします。
冷却水が漏れていたり、残量が不明な場合はエンジンを止めます。
次にボンネットを開けて、エンジンルームに風を通します。
このとき、エンジンルームは熱くなっているので、
やけどをしないよう気をつけましょう。
水蒸気が立ち上っている場合特に危険です。
ボンネットを開けた後、
ラジエーターから水を入れようとキャップを開けるのは厳禁です。
熱い蒸気が噴出する可能性があり危険ですし、
キャップを開けることで圧力が抜け、冷却水の沸点が下降して一気に沸騰し、
オーバーヒートの症状を悪化させてしまうこともあるからです。
個人で対処するのはここまでとして、
ロードサービスや車の販売店に連絡し、対応してもらいましょう。
近年ではオーバーヒートは減っていますが、
猛暑時期などは要注意です。
発生を防ぐためには定期的に車体点検を行い、
安全な走行を心がけましょう。