新車試乗レポート
更新日:2026.06.30 / 掲載日:2026.06.30
【5008】3列7人乗りのプジョーは乗る人にも走らせる人にも優しい【石井昌道】

文●石井昌道 写真●ユニット・コンパス
3列シート7人乗りのプジョー5008がフルモデルチェンジを受けた。2012年に発売された初代モデルはミニバンだったが、2代目でSUVへ。そして3代目となる新型もその流れを継承するSUVだ。
全長約4.8mのSUVスタイルに3列シートをパッケージ

従来モデルに対して全長は170mm伸びて、全長4810mm×全幅1895mm×全高1735mm、ホイールベース2900mm。昨年登場している3008の全長4565mm×全幅1895mm×全高1665mm、ホイールベース2730mmをストレッチ(+170mm)したスタイルとなる。
プラットフォームは3008で初出となった新世代のSTLAミディアム、パワートレインはステランティスの最新世代である1.2L直列3気筒ガソリンターボエンジンにモーターを内蔵した6速DCTを組み合わせた48Vマイルドハイブリッドで3008と同様となっている。
マイルドハイブリッドは高効率で運転しやすさも好印象

3008での試乗経験からある程度は5008の乗り味は想像できたが、車両重量が120kg増えた1740kgとなると1.2Lの小排気量で物足りなさがないのかは気になるところだった。エンジン単体では最高出力136PS、最大トルク280Nm、モーターも22PS、51Nmでシステム出力は145PSに過ぎない。
だが、走らせてみると発進時にはグッと背中を押されるような力強さがあり、従来モデルにあったディーゼルのように頼もしい。しかもレスポンスでは明らかにディーゼルを上回っている。市街地を一般的なペースで流したり、高速道路を淡々とクルージングする分には必要十分+αだ。
ただし、追い越しのための加速などではさすがにパワフルとは言えない。スパッと床までアクセルを踏みつけてエンジンのパワーを引き出してあげるようなメリハリの効いた運転が求められる。
それはそれでドライバーとして腕が鳴るところで、パドルシフトを活用しながら積極的に走らせるのは楽しく、不思議とストレスにはならない。

WLTCモード燃費は18.4km/Lと従来モデルのディーゼルを上回る。古くからプジョーで使用されているエンジンをベースに吸気バルブを早閉じするミラーサイクルとして、レスポンスに優れるVGTターボを採用。ロスの少ないDCT、駆動アシスト用のモーターの他、スタータージェネレーター用モーターを備えるなど、マイルドハイブリッドではあるものの高効率化と常用域のドライバビリティ向上を狙った優れたパワーユニットなのだ。
重厚かつ快適な乗り心地

インテリアは独創的だ。横長の21インチパノラミックカーブドディスプレイを採用し、ステアリングは小径なうえに上下ともフラットな形状。メーターはステアリングの上部から視認するパノラミックi-COCKPITとなっている。

このスタイルは長年採用されてきたが、初期は小径ステアリングに慣れていないと舵角を与えすぎてしまってヒョコヒョコと動いてしまったものだが、最新モデルでは違和感なく普通に運転できる。ステアリングギア比の見直しやシャシー性能との調和を図るなどして、熟成が進み自然なフィーリングに仕上がっている。

ステランティスにはシトロエンやDSなどフランスブランドがあるが、プジョーは乗り味ではあえて個性を抑えている印象がある。
その昔は“猫足”と呼ばれるしなやかなサスペンションが特徴的だったが、現代のプジョーはそこまでソフトタッチではなく、どっしりと重厚で頼もしい雰囲気。決して硬くはなく乗り心地は快適なのだが、リアのスタビリティが高く、安定感が高い。ハンドリングも俊敏性よりも穏やかさを重視しながらステアリング操作に忠実であろうといったタイプで癖がない。

3列シート7人乗り輸入車としてオススメできる
誰にとっても扱いやすい部類だろう。最新世代のプラットフォームだけあってボディの剛性感は高く、挙動は上質だ。
デザインは個性的だが、乗り味はいい意味で万人向け。3列シート7人乗りの輸入車を探している人にとって検討する価値のあるモデルだ。
新車価格帯:596万円(5008 GTハイブリッドのみ)



