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更新日:2018.11.08 / 掲載日:2018.07.27

愉快なコダワリ軽自動車のススメPart1 HONDA N-VAN

●文:横田晃●写真:奥隅圭之

個性的な軽自動車が注目を集めている!ホンダが今月に発売したN-VANもそんなクルマの1台だ。商用車ながら、自由度の高い設計が話題となり、働くクルマとしてだけでなく、趣味のシーンでも大活躍しそう。そんなN-VANの魅力を詳しくお届けしよう。

icon HONDA N-VAN

●発売日:7月13日●価格:126万7920~179万9280円●販売店:ホンダカーズ全店●問い合わせ先: 0120-112010

■主要諸元(+STYLEFUNHondaSENSING)
●全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1945●ホイールベース(mm):2520●車両重量(kg):960●駆動方式:FF●パワートレーン:658cc直3DOHC(53PS/6.5kg・m)●トランスミッション:CVT●JC08モード燃費(km/L):23.8●燃料タンク容量(L):27[レギュラー]●最小回転半径(m):4.6

遊びの足としても魅力的な新世代Nシリーズの軽バン


 4ナンバーの商用バンは日本の経済を底辺で支える、大きな働きをしている。中でも身近な軽商用バンには、宅配便などの小口配送や大工や職人さんの足、キッチンカーなどとして、誰もがお世話になったことがあるはずだ。
 ホンダのNシリーズの最新作となるN-VANも、そんな4ナンバーの軽商用バン。ユニークなミッドシップレイアウトを採用していたアクティバンの、事実上の後継モデルとなる。
 プロユースがメインの商用バンが、本誌のような自動車雑誌の記事になることはあまりない。しかし、このN-VAN、遊びの足などのプライベートユースにも、なかなか魅力的な一台なのだ。
 軽乗用車でも、最近はミニバン感覚の広い室内を持つスーパーハイトワゴンが人気だ。ホンダにもすでにN-BOXがあり、販売台数ナンバーワンの実績を持つ。けれど、そのN-BOXをベースに、とにかく積めて、使いやすいハコとしたN-VANには、乗用車規格車とはまた違った夢がある。
 運転席以外をパタパタと畳めば、真っ平らな床を自由に使える広大な部屋。左側のピラーレス大開口ドアと合わせて、何を積もうか考えるだけでわくわくできるのだ。

  • たくさんの荷物を積むことを目的としたスクエアボディーのサイドにはジュラルミンスーツケースをモチーフとした3本のビードを採用。強度とともにデザイン的な強さも表現している。

  • 威圧感のない親しみやすいフロントマスク。

  • テールランプにLEDを採用することで、縦長形状を実現。これによりテールゲートの大開口化を可能にしている。

人気のN-BOXがベース

  • ベースとなるのは軽乗用車としてトップの販売台数を誇るN-BOX。FF仕様の第2世代「N」プラットフォームを採用し、スーパーハイトワゴンのボディに低床でフラットな荷室を確保。

  • 完成度の高いプラットフォームを共有しながら、軽バンに必要な性能を求め、ボディではリヤフロアとサイドシル、シャシーではリヤサスペンションを中心に専用設計している。

実はよくわからない軽商用車(4ナンバー)のメリット・デメリット

維持コストは安いが使い方に合うかどうかを考えよう
軽自動車に限らず、商用車は経済振興のために毎年の自動車税が優遇されている。地域によって多少異なるが、軽商用車の場合、軽乗用車と比べて約半額だ。ただし、新車登録から次の車検までの期間は2年と、軽乗用車の3年より短い。もっとも、登録車クラスの商用車では初回以後の車検が毎年になるが、軽商用車の場合は、2回目以降の車検も軽乗用車と同じ2年ごと。トータルで考えると、軽商用車は軽乗用車より安いコストで乗れると言えるだろう。あとは、荷物を積むために簡便に作られた助手席や後席が、自分の使い方に合うかどうかはよく検討しよう。

使い手の声を徹底的に聞き実現させた新しい使い勝手


 先に述べたように、N-VANは乗用車規格のスーパーハイトワゴン、N-BOXをベースとし、開発も同時に進められたという。’12年に先代N-BOXから始まったNシリーズは、現行N-BOXで第二世代となり、プラットフォームも大幅な進化を遂げているが、走りや快適性を主眼にした乗用車規格と、きちんと積んでしっかり走ることが求められる商用車規格では、要求性能が大きく違う。そこで開発陣はまず、既存の軽商用バンユーザーの話を徹底的に聞き、それをいかに実現するかを考えていったという。
 四角四面のボディをフルに生かした、ビールケースが40個もガッツリ積める広い荷室は当然の要件。最大積載量は350kgもある。そのためには、広くてフラットなフロアも必須だ。そこで、Nシリーズの特徴であるセンタータンクレイアウトを活かしながら、運転席以外のシートは完全にフラットに畳めるようにした。
 大きな荷物の積み下ろしには、広い開口部が複数欲しい。それに応えるために、左サイドはドアに構造材を内蔵してセンターピラーをなくし、リヤゲートと合わせて自在な使い勝手も実現した。それらのために、プラットフォームやサスペンションには専用の補強がなされている。
 壁面に数多く設けたネジ穴には、パイプや棚、金具などを取り付けて什器を設置したり、車内を整理できるし、フロアには8個ものタイダウンフックを設けて、大きな荷物や自転車、バイクなども固定しやすくした。内装には、荷物が当たっても傷がつきにくい素材やシボが使われている。
 一方で、長く過ごす室内空間を快適にするために、運転席のシートは乗用車並みのサイズやかけ心地を確保。静粛性や乗り心地も乗用車に限りなく近づけた。
 NAとターボが用意されるエンジンは乗用車用から可変バルブタイミング機構を省いて、多用される低中速域を力強くチューン。強化されたCVTと、S660用をベースとした6MTで、ロングドライブも余裕でこなす。
 エクステリアには、街の風景に溶け込むベーシックなGとLに加えて、華やかな遊び心のある+STYLEとして、FUNとCOOLの2タイプを用意。外装色も鮮やかなこちらは、遊びの足として乗り回すのにもオシャレ。
 しかも、自動ブレーキや前車追従クルーズコントロールなどを含むホンダセンシングも、全車に標準装備。趣味の秘密基地や書斎として、自分専用車にしてみたい……と、思う人はきっと多いはずだ。

バリエーション

個性豊かな3タイプからチョイス可能
軽バン本来の仕事車に徹したタイプとしてはスタンダードな「G」と便利機能を充実させた「L」を設定。さらに明るく楽しく使いたい人への「+STYLEFUN」、カッコよさにこだわる人への「+STYLECOOL」が用意される。

  • G/L

  • +STYLE FUN

  • +STYLE COOL

  • 横から楽に積載できて空間の使い方も広がる助手席側センターピラーレスは、全モデル共通。助手席ドアと左側スライドドアにはピラーと相当の強度を持たせたドアインピラー構造を採用。

  • リヤシートに加え、助手席にもダイブダウン機構を採用することで、助手席からリヤシート、テールゲートまでフラットな空間を実現。長尺物の積載も可能としている。

パワートレーン

2代目N-BOXで新開発した高効率エンジンを商用ユースに最適化。「+STYLE」には、仕事だけでなく、休日のレジャーにも活躍するターボエンジンを設定している。

  • 宅配業などのように発進・停止を頻繁に繰り返す走行パターンを想定し、低車速域でのトルクを重視。JC08モード燃費は23.8km/L(ターボ車を除くFF/CVT車)を達成。

  • 力強い走りに加え、走る楽しみを提供できる6速MTを自然吸気エンジン車に設定。S660のミッドシップ用MTをベースにFFおよび4WDに対応させている。

発表会でも多くのメディアが注目

発表会でも多くのメディアが注目
7月12日に行われた発表会(東京・港区)では、軽商用車としては異例ともいえる数のメディアがつめかけた。商用だけでなく、幅広い用途で使える自由度の高さに注目があつまっていた。会場ではN-VANをフル活用したアイデアを募集する企画「#N-VAN_Dream」も発表された。

インテリア

仕事使いがメインとなることを想定し、ドライバーにとっての使い勝手と快適性を求めたインパネレイアウト。トレイや収納、装備などをインパネの各所に設置している。

買い物のレジ袋や、休息時の食事の際のゴミ袋などを下げられるコンビニフックが、助手席フロントと助手席ドアの2箇所に設置されている。

低くフラットな底面に加え、荷室の両サイドを垂直に立たせることで、高さも幅も有効に活かせる、積載性に優れたスクエアな空間を実現している。

  • 運転席には乗用車と同様のゆったりしたサイズのシートを使用。シートバックのサイドをしっかりとサポートする形状とすることで、長時間座っていても疲れない姿勢を保てる。

シートを収納すれば、バイクもらくらく積載可能。荷物の固定に便利なタイダウンフックを標準装備。助手席の足元や荷室の四隅など8か所に設置されている。

先進安全装備

HondaSENSINGを全タイプに標準装備
単眼カメラとミリ波レーダーなどの各種センサーを組み合わせたHondaSENSINGをホンダの商用車として初めて採用し、全モデル標準装備となっている。サポカーS<ワイド>/サポカーS<ベーシック+>に該当。

N-VAN用無限パーツも発売

無限からは「俺のトランポ」「俺たちのモーターホーム」をキーワードとして、N-VAN用のパーツが発売。エアロパーツやアルミホイール、デカール、マット類、折りたたみコンテナなど幅広いラインナップが揃う。

ボディカラー

G/L

  • タフタホワイト2

  • ルナシルバーメタリック

+STYLE FUN/COOL

  • プレミアムイエロー・パール2(+STYLECOOL専用色)

  • プレミアムベルベットパープル・パール(+STYLECOOL専用色)

  • ガーデングリーンメタリック

  • プレミアムピンクパール

  • シャイニンググレーメタリック

  • プレミアムホワイトパール2

  • ブリリアントスポーティブルー・メタリック

  • クリスタルブラックパール




提供元:月刊自家用車



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グーネットマガジン編集部

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