車種別・最新情報[2019.07.30 UP]

【海外試乗レポート マツダ CX-30】日本の環境にジャストサイズのクロスオーバーSUV

マツダ CX-30(欧州仕様)

文●石井昌道 写真●マツダ

 マツダにとってもクロスオーバーSUVは販売の中心的な存在になってきたが、新たに登場するCX-30はいまもっとも伸び盛りのセグメントのモデルだ。BセグメントのCX-3とDセグメントのCX-5の中間に位置するCセグメント。ネーミングの数字が二桁になったのは、すでにCX-4は中国向けモデルで使われているからで、本来はCX-3をCX-2にして、これをCX-3としたほうがハッチバック系との数字の整合性的にもすっきりといくが、まあ仕方がない。ドイツのプレミアムブランドも近年車種を飛躍的に増やしたことで整理に苦心しているようだったが、マツダはそこまで拡販路線ではないので混乱するほどではないだろう。

この記事の目次

マツダ CX-30のボディサイズはCX-3とCX-5の中間で立体駐車場対応
CX-30の魅力はプレミアムカーレベルの静粛性
スカイアクティブ・ヴィークル・アーキテクチャー採用の効果はクルマとの深い一体感。それにより、自然と上手に運転できる
CX-30はハイスピード走行中でもリラックスできる実力の持ち主
CX-30は購入後も長く付き合えそうなキャラクターの持ち主

関連情報

ボディタイプ:SUV・クロカン 新車

マツダ CX-30のボディサイズはCX-3とCX-5の中間で立体駐車場対応

CX-30のボディサイズは全長4395×全幅1795×全高1540mm

 先に発売されたmazda3で初出となったスカイアクティブ・ヴィークル・アーキテクチャーが採用され、ボディサイズは全長4395×全幅1795×全高1540mm、ホイールベースは2655mm。mazda3のハッチバックは4460×1795×1435mmの2725mmと比較すると、全長とホイールベースを短くして取りまわしをよくしている。全高は立体駐車場対応の1550mm以下、全幅は扱いやすさの目安ともなる1800mm以下に抑えられており、日本の都市生活者にとってジャストサイズとなっている。

CX-30の魅力はプレミアムカーレベルの静粛性

CX-30は音、振動の原因をBピラーの減衰節と呼ばれるパーツに集めて減衰させることで大幅に低減することに成功。さらに遮音や静音にもこだわった

 パワートレーンはガソリンNAのSKYACTIVE-G2.0、ディーゼルのSKYACTIVE-D1.8、そして話題のスカアクティブ-Xが用意されるが、今回はディーゼルとガソリンへの試乗となった。
 スカイアクティブ・ヴィークル・アーキテクチャはすでにmazda3で体験済みで、従来のマツダ車とは次元の違う滑らかな走りや静粛性の高さなどといった乗り味に感銘を受けたが、CX-30でもそれは同様だった。静粛性については、地上高が高いゆえにロードノイズで有利に働いていることもあってさらに進化しているように思えた。音、振動の原因をBピラーの減衰節と呼ばれるパーツに集めて減衰することでそもそもを大幅に低減し、さらに遮音や静音にもこだわることで、プレミアムカーのように静か。
 いま思えば、2012年に発売された初代CX-5からの商品群はそれ以前に比べれば飛躍的に走りが良くなっていたが、静粛性はいまひとつだった。2代目CX-5ではかなり進化したが、今回は音・振動の性能を制御することに関して確固たる手法を掴んだのではないかと思える。基本的に静かだというだけではなくロードノイズ、風切り音、エンジン音の聞こえ方のバランスがいい。静かになればなるほど、何かの音が耳につきやすくなることもあるが、CX-30は速度や状況によって音が高まっていったとしても自然な感覚で不快感がまったくない。とくに感心したのはロードノイズ。今回試乗したアウトバーンは路面状況がコロコロと変化していったが、良路からザラついた路面に乗り変わってもゴー音ガー音が一気に高まってイラッとさせられることもなかったのだ。

CX-30のコックピット。スイッチ類は感触に統一感を持たせクオリティ感を表現

電子式パーキングブレーキを標準装備することで、センターコンソールのスイッチ類はコンパクトにまとめられた

CX-30のホイールベースはMazda3に対して70mm短いものの、前席とのヒップポイント間を広め、なおかつフロアを低くする工夫を凝らした

CX-30のラゲッジ容量は430L。開口幅は1020mmを確保している

スカイアクティブ・ヴィークル・アーキテクチャー採用の効果はクルマとの深い一体感。それにより、自然と上手に運転できる

人馬一体を「スカイアクティブ・ヴィークル・アーキテクチャー」によってさらに進化させた

 スカイアクティブ・ヴィークル・アーキテクチャーでは人間の能力を最大限に活かせるクルマが目指されているが、それはmazda3やCX-30ではシートに表れている。腰掛けると自然と骨盤を立てた状態になるようになっており、これによってドライバーは身体の重心のバランスが取りやすく、自然と頭部を安定させられるようになっているという。歩いたり走ったりするときに無意識に身体のバランスを取っているのと同じように、運転中もGの移り変わりなどに対応できるよう考えられているのだ。サポート性能などではなく、そういった人間研究からシートを科学していく例はあまり他に見たことがない。たしかにCX-30を試乗していると、クルマを運転している自分がとても自然体でいられるような気がしてきた。とくにハンドリングの俊敏性が凄いとか、安定感がずば抜けているなどと強い印象を受けないのだが、自然とクルマと一体になれている。無意識のうちに上手に運転できているのだ。

CX-30はハイスピード走行中でもリラックスできる実力の持ち主

ドイツ アウトバーンの試乗では、日本では体験できないようなハイスピード走行もテスト。CX-30の高いポテンシャルを確認した

 クルマの動きはあくまでスムーズ。低速域ではタイヤの大きさや重さを意識させられることがあったものの、少し速度があがればしなやかで比較的に穏やかな乗り心地になる。それでいて道の荒れたアウトバーンを160km/h以上で巡航しても安心感が高く、リラックスして運転できるのは見事だった。よく出来たドイツ車などのように、硬質でビシッと安定している感覚ではないのだが、これまた自然とハイスピードで直進性を維持できるのだ。
 スカイアクティブ-GはクロスオーバーSUVの車両重量に対して必要十分といったパフォーマンスだった。NAエンジンなのである程度はまわしてやらないと力強いトルクは出てこないので、ペースの速いドイツの流れのなかではアクセルを踏み込んでいる度合いが大きかったが、それはそれでスポーティな気分になれる。1.5L NAのロードスターを速く走らせているときのように爽快なのだ。

CX-30は購入後も長く付き合えそうなキャラクターの持ち主

自動車ジャーナリストの石井昌道氏は「mazda3に比べると全体的に穏やかなフィーリングだが、長く付き合っていくには向いている」と評価

 それでもやはり本命はスカイアクティブ-Dだろう。スカイアクティブ-Gは4000rpmで21.7kgmを発生するが、こちらは1600-2600rpmで27.5kgm。その力感の違いは明らかで、とくに常用域で頼もしさを感じる。ただし、レスポンスはそれほど鋭くないこと、回転上限が4500rpm程度なので積極的にアクセルを踏み込んでいったときの爽快感はあまりないことなどを考えると、全域でトルクが太めながら高回転までシャープにまわるスカイアクティブ-Xでも試してみたくなる。
 いずれにせよCX-30は都市生活者を中心に多くのひとがショッピングリストに載せたくなるモデルだろう。mazda3に比べると全体的に穏やかなフィーリングだが、長く付き合っていくには向いているだろう。あくまで自然な感覚ながら、一体感の高さで運転が楽しくなる新世代のマツダ車の美点と肩肘張らずに付き合っていけそうなのだ。


マツダ CX-30 SKYACTIVE-G 2.0(6速AT)※欧州仕様

全長×全幅×全高 4395×1795×1540mm
ホイールベース 2655mm
トレッド前後 1565mm
エンジン 直4DOHC
総排気量 1998cc
最高出力 120ps/6000rpm
最大トルク 21.7kgm/4000rpm
サスペンション前/後 ストラット/トーションビーム
ブレーキ前・後 Vディスク/ディスク
タイヤ前後 215/55R18


マツダ の新車カタログ情報はこちら
 

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

グーネット SNS公式アカウント