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更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.11.30

BMW3シリーズの主力グレードの320i登場 日本車の脅威か?

320iが追加

8速ATのシフトレバー右下にはドライブモードの切り替えスイッチがある。トランクは40対20対20の分割可倒式。

8速ATのシフトレバー右下にはドライブモードの切り替えスイッチがある。トランクは40対20対20の分割可倒式。

【本記事は2012年8月にベストカーに掲載された記事となります。】今年1月に発表されたBMW328iに続いて、320iが追加になった。この320iは3シリーズの最多量販車種となる本命グレードでラインアップは全部で5つ。スポーツ、モダン、ラグジュアリーの3グレードともに8速AT=470万円/6連MT=459万円。標準グレードの320iが8速AT=450万円、6速MT=439万円。この3グレードの違いはインテリアの素材やカラーリングなど。基本的なメカニズムは同じだ。スポーツはインパネやシートステッチにレッドを用い、アクセントとしている。モダンはメタル系の色や素材で、未来的なイメージ。ラグジュアリーは上質なレザーシートや落ち着いた配色が特徴になる。装備が簡略化されたベースモデルの320iSEが399万円で設定されている。さて、昔から3シリーズは日本のスポーツセダンの模範とされ、3シリーズの壁を日本車はなかなか超えられないといわれてきた。はたして、この320iは日本車にとって脅威なのか、石川真禧照氏が320iに試乗して徹底チェック。

320iの概要

■320iの概要全長4625×全幅1800mm×全高1440mmとトヨタのSAIやレクサスISに近い。全幅は立体駐車場など日本の事情を考え、わざわざドアハンドルを替え11mm小さくした。こうした細かい対応が人気の秘密。軽量化も注目だ。新型は旧型に比べて、全長は85mm、ホイールベースも50mm、高さは15mm大きくなっている。しかし、重量は1500kg(8速AT)と同じ。プレス資料を見ても、新素材などを大幅に採用していない。これがBMWの技術力。提携したトヨタが欲しくてしかたがなかったものだ。

肝心の走りをライバルと比較

320iには184ps/27.5kgmを発生する2L直4ターボ(N20B20A)を搭載。基本的に同じ2Lターボ(N20B20A)だが328iは制御系の違いで245ps/35.6kgmを発生する

320iには184ps/27.5kgmを発生する2L直4ターボ(N20B20A)を搭載。基本的に同じ2Lターボ(N20B20A)だが328iは制御系の違いで245ps/35.6kgmを発生する

■肝心の走りをライバルと比較BMW320iのエンジンは184ps/27.5kgmの2Lターボエンジン。吸気側と排気側の両方に連続可変バルブタイミング機構のダブルVANOSと通常のスロットルバルブを用いずに吸気バルブのリフトを無段階に制御するバルブトロニック、高精度のダイレクトイグニション、さらにツインスクロールターボチャージャーといったBMWの最新技術を集約したエンジンだ。また、高効率な8速AT、無駄な燃料消費を抑制するアイドリングストップ機構、ブレーキエネルギー回生システムが組み合わされ、JC08モード燃費は16.6km/Lでエコカー減税75%減税対象車(320i)となっている。ドライブモードには、エアコンやエンジンレスポンス、シフトタイミングを替えて燃費のいい運転ができるECO PROモードのほか、コンフォート、スポーツ、スポーツ+と4つの走行モードをドライバーが切り替えられるのも嬉しいポイントだ。走り出した瞬間からしっとりとしたしなやかな足回りで、この時点で、このクラスのライバルはいないと感じるほどだが、なかでもFR、50対50の前後重量配分に改めて注目したい。このバランスのよさが安定したコーナリングを実現しているのだった。普通よりもちょっと速いペースで走った時の素直さ、ドライバーのイメージに合った走りができるのだ。つまり、ある程度の運転レベルがあれば、3シリーズの走りの楽しさを体感できるのだ。ここが、国産車と違うところ。例えばスカイラインシリーズのスカイラインセダンと比べると、コーナーでのハンドルの重さや戻しの強さはFFのよう。素直さで320iにかなわない。中速での安定感もイマイチ。レクサスISもコーナーでのハンドリングの素直さや高速での安定感が負けている。ライバルの最右翼、レガシィB4の2Lターボは300psというパワーこそ圧倒されるが、ハンドリングのよさという点で、あと一歩がほしい。ベンツCクラスとアウディA4と比較しても、中速コーナーでの素直さは320iのほうが上。A4もハンドリングという点では到底およばない。■結論乗り心地とハンドリングのバランスのよさ、低燃費、そしてなんといっても走りの楽しさ。絶対的なエンジンパワーでは他車に劣る部分はあるが、輸入車、日本車を含めたライバル車のなかで総合性能は一番。正直ここまでバランスがいいとは思わなかった。トヨタがスポーツカーを共同開発する相手に選ぶというだけのことはある。

320iのMTの出来も最高!

6速MTは320i(439万円)とモダン、スポーツ、ラグジュアリーに各459万円で設定

6速MTは320i(439万円)とモダン、スポーツ、ラグジュアリーに各459万円で設定

320iのMTの出来も最高!320iにはなんと6速MTもラインアップしている。6速MTのシフトフィールは少しロングストロークだがスコスコと気持ちよく入る。クラッチも国産車並みに軽い。1速に入れ、シフトアップしながら加速していくと、マニュアルならではのクルマとの一体感が味わえるのだ。8速ATの通常での加速はエコプロが1500rpm、コンフォートが1800rpm、スポーツが3000rpmでシフトアップ。アクセル全開ではどのモードも6000~6700rpmあたり。その点MTは自分の意思でシフトチェンジでき、2Lターボの特性がわかりやすい。アイドリング状態から6500rpmまでスムーズに加速していき、トルクに大きな山はなく、フラットに回っていく印象。MTの320iの完成度も高かった。

実測燃費テストで最高20.5km/L

実測燃費テストで最高20.5km/L

実測燃費テストで最高20.5km/L

実測燃費テストで最高20.5km/LBC恒例のいつものコースで実測テストを敢行。東名東京から東名御殿場までの84.8kmを走行して燃費は18.4km/L。御殿場から籠坂峠をとおり、河口湖までのワインディングでは11.2km/L。河口湖から中央道、首都高の復路ではなんと20.5km/Lまで伸びた。燃費運転ではなく、通常の走行でこれだけ燃費が伸びるのだからたいしたものだ。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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