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更新日:2018.12.02 / 掲載日:2017.12.03

自動車評論家7人+1人の評価と採点 NEWレガシィB4は○か×か!?

ニューレガシィ、あなたの評価はさて、どっち?

ニューレガシィ、あなたの評価はさて、どっち?

【本記事は2009年7月にベストカーに掲載された記事となります。】5代目となったレガシィは、熱心なファンが多いことで知られるクルマ。レガシィだけを乗り継いでいるユーザーが数多く、それだけに確固たる「私だけのレガシィ像」を持っているファンもたくさんいる。5代目レガシィは、そんな「昔ながらのレガシィ」とは一線を画すクルマに仕上がった。その結果、変化を求めない層には「不評」、変化を許容する層には「好評」と評価が二分しているもよう。そもそもクルマにかぎらず、商品というものはなんでも賛否両論あってあたりまえ。10人いれば10通りの評価が出てくるものなのだ。ならばたくさんの意見を聞いちゃえ! というのがこの企画。ニューレガシィを高く評価する人、そうでもない人、まだ迷っている人もいるかもしれない。原稿とともに、100点満点での採点もお願いした。これがBCにおけるニューレガシィ評価の最初のまとめと思っていただいていい。さて、どうなる?

石川真禧照の評価 新たな魅力をどう伝えられるか

最初はボディデザインから。今回のレガシィではセダンのB4がよい。次にアウトバック。ツーリングワゴンはこれまでのラウンドしたウィンドウが、ふつうのサイドウィンドウとリアウィンドウになってしまい、特徴がなくなった。デザイナーやメーカーの人はマンネリと思っているのかもしれないが、ユーザーはそう思っていないと思う。ボディサイズは大きくなったが、そのぶんリアシートが広くなった。ライバルはマークXスカイラインというが、それがユーザーにどう伝えられるかがポイント。わかってもらえれば他車からの乗り換えも期待できそうだ。走りは、3000回転以上になると、これまでどおりの力強いレスポンスが味わえるが、低回転でのパンチが感じられない。スタート時の力強さがほしい。これまでのGTオーナーはもの足りないだろう。これは低いギアのギア比で解決できるはずだ。全体にグレードアップしているのだが、それをどうアピールできるかが課題。採点は? 85点

小沢コージの評価 中身勝負でデザイン二の次

よくも悪くもひじょーにスバルらしい。この時代に中身勝負でデザインは二の次だっていうんだから。要するに志として「キムタクより草なぎ君」ってわけでしょ。その姿勢は今どき感動的だ。ただ、このやや寸詰まりのフロントノーズやオオゲサすぎるライト回りはいかがなものか。美意識にもよるけどやっぱ疑問アリ。いっぽう、走りはまあまあ。デカくなったぶん、ステアリングの切れは落ちたし、爽快さは足りない。でもそのぶん高級感やどっしり感は増した。それと予想どおりというか予想外によかったのは居住性で、リラックスできるのは当然、フロントシートも左右に幅があってかなりいい。懸念された取り回しも、横幅1.8m弱に収まってるので都内のフツーの道じゃそれほど問題ない。極端に狭い道に入った時は心配だけどね。本当の評価れるはずだが、とりあえずこのコンセプトを選んだ勇気には拍手!採点は? 100点OR 0点

渡辺陽一郎の評価 今や貴重な大いなる伝承物

発売はプリウスの2日後。マスコミ報道では埋もれた感が強い。しかしエコ一辺倒の時代だからこそ、昔ながらの運転する楽しさを今に伝えるレガシィ(大いなる伝承物)の意味が際立つ。運転感覚も期待どおり。全般的に市街地での乗り心地は若干硬いが、16インチタイヤを履いた2.5iなら走行安定性を含めてバランスがいい。居住性も向上。特に後席は、足元空間を約70mm拡大し、着座位置も約40mm高めて快適になった。ツーリングワゴンとアウトバックについては、先代型と比較すれば雲泥の差になる。価格も割安。特にツーリングワゴンの2.5i Lパッケージは、31.5万円の価格上昇で、38万円相当の装備が加わる。ただし、2L時代の身の丈に合った感覚が薄れ、2世代前と比較すれば視界や取りまわし性の悪化も否めない。少しずつだが、国内市場と商品の志向性にズレが生じ始めた。今の時代に、「大いなる伝承物」を担う貴重な存在だから、次期型では原点回帰を図ってほしい。採点は? 75点

国沢光宏の評価 レガシィだと思わなければ

ややこしい表現になるけれど、新しいレガシィは「新型レガシィ」だと思わなければ、なかなか魅力的なクルマだと考える。なんせDセグメントの本格的なフルタイム4WDって、世界的にみてもアウディA4とVWパサートしかない。この3車で比較すると、ハンドリングも雪道性能もコストパフォーマンスもTOP。400万円でフル装備の2.5Lターボが買えてしまうのだから。実用燃費も2L時代と変わらず、相当頑張った。しかし! 日本じゃDセグメントのマーケット、ほとんどニーズない。私も4世代にわたってレガシィを相棒にしてきたけれど、新型見て「う~ん!」。いろんな意味で「ストレスを感じる大きさ」なのだ。私と同じように考える人が多ければ、売れゆきは伸び悩む。逆に「そんなことないでしょ!」という意見多かったなら、スバルの販売目標どおり売れるに違いない。もし厳しい販売状況となれば、理由は明々白々。作戦変更すればよろしいです。採点は? 50点

清水草一の評価 熱いハートが冷めたGT

欲しいか欲しくないかという個人的な評価で言えば、欲しくないクルマになってしまった。とにかく顔が悪すぎる! もともとは、全体のフォルムに合った端正な顔だったらしいんだけど、これじゃ押しが弱いってことで、後から顔だけああなったらしいんだよね。これについては近いうち『水かけ論』でやるつもりだけど、とにかくあの顔では欲しくならない。ボディがデカくなりすぎたのもなぁ。特に後席足元が広すぎる! ひとりで運転してると、ミニバンみたいで空しくなる。これほどの居住空間はいらないですよ。走りは、2.5Lターボが非常によかった。アウトバックの3.6Lもいい。ただ、刺激はないね。かつてレガシィは、熱いハートを秘めた男のGTだったけど、新型は、熱いハートがかなり冷めた男のGTって雰囲気なんだよね。結局、贅肉がつきすぎたって気がする。好景気の時点で北米市場を狙って開発されたモデルだもんね。日本ではどうかなぁ?採点は? 63点

西川淳の評価 先代とは格違いの走り

ことダイナミックパフォーマンスだけで語っていいのであれば、先代とはまるで格違い。このカテゴリーのライバルたちを見渡してもトップクラスだ。コストパフォーマンスも高い。2.5Lになった主力エンジンはもちろん、アウトバック用の3.6Lでも、相対的にエンジンの存在を“小さく”感じるのだ。それほど、ボディ骨格の作り込みが凄い。NVH性能の大幅アップも、格上を感じさせる要因だ。特に静かさ。広さもふくめ、GTカーとして上質な室内空間だった。18インチタイヤ仕様の乗り心地に難アリだが、でかくなったのに軽快さは決して薄れず、足腰の粘りも上々。もっとも、レベルが高くなったぶん、汗をかくような楽しみは期待できないが。個人的にはアウトバックの3.6Lが、使えるGTカーとして一番のお気に入りである。張り切りすぎたカタチも含め、もはや我々がイメージする“レガシィレベル”じゃない。そこが評価の分かれ道。なんなら、誰かさんみたいに、旧型も売る?採点は? 80点

前澤義雄の評価 先代からの脱皮や飛躍がない

刷新されたレガシィは、よく言えば「すべてが改良されている」であり、デザインを含めたボディやインテリア、そしてパワートレーンやシャシーは一段と上級になったことはタシカ。だが、悪く言えば「脱皮や飛躍がない」となる。つまり従来的な刷新の手法のひとつで、作り手としては“レガシィらしさの継承と進化”ということであろうが、ユーザーにとっては“新たな魅力や新鮮さに欠ける”となってしまう。もちろん、少なからぬ「スバリスト」や「レガシスト」は“一段と進化した”と悦ぶだろうが。しかし世界不況を契機としたクルマ離れをへた後の市場は従来とは異なる。そしてそのキモとなるのは「経済性と実用性の高さ」、即ち廉価で燃費がよく使い勝手に優れたモデルと「新たな個性と高い魅力」、つまり価格や機能にかかわらずユーザーの価値観や美意識に強くアピールするモデルに二極分化していくのだ。従って、内外の競合モデルと戦っていくには今一歩の新鮮さや魅力が欲しいように思うしだい。採点は? 75点

本誌・飯干俊作の評価 みなさんキビシすぎる!!

後席の居住性は飛躍的に向上。これはボディの拡大が トータル評価 110点なければなし得なかった。要は何を重視するかということ。あなたはこの方針を支持する? しない?

後席の居住性は飛躍的に向上。これはボディの拡大が トータル評価 110点なければなし得なかった。要は何を重視するかということ。あなたはこの方針を支持する? しない?

評論家の皆さんに「30行でニューレガシィの評価をお願いします」と依頼したのはこの私。もちろん、自分自身もレガシィにじっくり乗って、自分なりの感想を持った。で、思ったのは「みなさんキビシ~!」ということ。「乗ればいいのはわかるけど、なんか納得できまへん」というのがほぼ全員の感想のよう。採点も新車のわりには低めの点数が多いように思える。わからんでもない。私もデザインは旧型のほうがスッキリしていて好みだし、サイズもあのくらいのほうがいいとは思う。だがしかし、右囲み記事でも紹介しているとおり、大きくなっても実用燃費は向上しているし、リアシートに座って長距離を走った時の快適性は旧型と比較にならないほどなのだ。皆さん、リアシートインプレッションをあまりなさらなかったのでは?ヤンチャな感じはなくなったが、そのぶん静かで快適になったニューレガシィ。私なら90点差し上げますね! 採点は? 90点「100点もしくは0点」という採点をした小沢コージの点数を100点とすると、8人の採点合計は618点。ひとり平均は77.25点となった。走りの評価は上々、しかし、サイズ、デザインを含めた商品性で「やや疑問」という評価が多かったように思う。予想どおりといえば予想どおり。スバルとしても(デザインに対する不評は別として)そのような反応は充分想定の範囲内だろう。メーカー自ら「レガシィ史上最大の変化」と呼ぶ5代目は、ある程度の反発は覚悟のうえで勝負に出たはず。サイズは大きくなったが、そのぶん後席の居住性はクラストップレベルに達している。何かを求めれば、何かを犠牲にしなければならないのはしかたのないことなのだ。欧米をメイン市場に据えたこのコンセプトやデザインをどう受け止めるかは人それぞれ。異常な人気を獲得するプリウスのあれば、賛否両論渦巻くレガシィのようなクルマもあっていい。これで、いいのだ(←バカボンのパパ風)10人の平均点数は? 77.25点

販売店に聞く NEWレガシィの出足/旧型よりもいいところ、悪いところ/NEWレガシィの実用燃費を測る

東京スバル中野店(03-3953-0131)のスタッフさん。「本当の勝負は7月から」と

東京スバル中野店(03-3953-0131)のスタッフさん。「本当の勝負は7月から」と

販売店に聞く NEWレガシィの出足ニューレガシィの販売スタートはいかに。東京スバル中野店の小野田修さんにうかがった。「個人的な感想では、売れゆきは予想を上回っています。当店の6月までの販売目標を5月中にクリアするなど好調です。私は今日までに(取材日は6月12日)9台売りましたが、すべて18インチホイールのSパッケージで、やはり走りを重視するお客さんが多いですね。レガシィからの乗り換えが5台、他銘柄からの乗り換えが4台。アウトバックは今週末が発表会でして、予約も何台か入っていますが、動くのはこれからという感じです。今度のレガシィは大きく変わったということで発表前は半信半疑でしたが、予想以上に評判がよくて手応えを感じています。“室内が広くなった”とか“高級感が出た”という声をよく聞きますね。シビアな意見はレガシィを乗り継いでいるお客さんからが多く、“なんかトヨタ車みたいになったね”なんて言われたこともありますが(苦笑)」また、別の営業マン氏によると「先代と同じくらいの出足。レガシィは7月から伸びるクルマなので、そこからが勝負」とのこと。月販目標はシリーズ全体で3000台だ。旧型よりもいいところ、悪いところ TEXT/鈴木直也これまでの4世代20年間、単一モデルとしては大成功といっていい歴史を刻んできたレガシィだが、それゆえの悩みも多い。その最たるものは、新規ユーザーが増えてくれないこと。熱心なマニアには支持されているのだが、逆にユーザー層が固定化して煮詰まっている。この膠着状態を打破しないとヤバいという危機感が、今度のレガシィのモデルチェンジの原動力になっているように思える。レガシィのデザイン的にも技術的にもユニークな個性を愛していたマニアにとっては、今度の新型は「こんなのレガシィじゃねぇ!」と反発したくなる気持ちもわからないではない。ただ、その気持ちはわかるんだけれど、これはレガシィというクルマが今後も生き残ってゆくために必要な進化と見るべきじゃないかな?走りの面でも、ここまで大きくなったボディとバランスするには2.5L化は必須だし、その拡大されたボディによる広く快適で静粛なインテリアは、まっとうなセダン&ワゴンとしては大いなる進歩。さらに、過度なスポーツ志向を抑えて乗り心地とのバランスをとったサスペンションの方向性も支持できる。NAは新開発CVTの採用によって、よりスムーズな走りを実現しているのも大きな進歩だ。ヘンな喩えだけれど、好きなクラブ活動に熱中していた学生時代を卒業して、レガシィは5代目にしてようやく“社会人”になりました、ってことじゃないかなぁ? 旧型からの進化は大きいといえる。NEWレガシィの実用燃費を測るレガシィといえばちょっと気になるのが燃費。「水平対向は燃費が悪い!」という俗説もあるから、気になるのも当然といえば当然。そこでB4のターボとワゴンの2.5L NAを借り出し、さっそく実用燃費をチェックすることにした。試乗コースはいつもの、編集部~首都高~東名・御殿場IC~一般道(篭坂峠経由)~中央道・河口湖IC~首都高~編集部という約250kmのコース。レガシィはエンジンの出力特性を、燃費志向の「インテリジェントモード」、スポーティにも走れる「スポーツモード」、さらに走りが楽しめる「スポーツシャープモード」の3種から選択できるが、スタータースイッチを押した時に「インテリジェント」モードだったので、B4&ワゴンともこのモードのまま全行程を走破することにした。で、気になる結果だが、ターボのB4が満タン法で13.7km/L(車載燃費計=14.0km/L)、NAのワゴンが同じく満タン法で15.2km/L(車載燃費計=15.1km/L)という結果になった。以前に同コースで2.5Lのクラウンシリーズ、クラウンアスリートが13.6km/L、やはり2.5Lのアテンザスポーツが14.4km/Lだったことを考えれば、充分納得できる数値だと思うが、いかが?●B4 2.5ターボ(5AT)=13.7km/L●ワゴン2.5NA(CVT)=15.2km/L

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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