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更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.12.03

TOYOTAパッソセッテ&DAIHATSUブーンルミナス新生コンパクト7シーターの実力は?

売れ線を狙った鉄板ミニバン登場

【本記事は2009年2月にベストカーに掲載された記事となります。】未曽有の大ピンチにみまわれている日本自動車界に売れ線を狙った鉄板ミニバンが登場。がんばってほしいゾ。12月25日にダイハツトヨタからデビューした「パッソセッテ」と「ブーンルミナス」。その名のとおり、パッソ/ブーンをベースとした3列シートの7人乗りコンパクトミニバンだ。開発の主体はダイハツで、チーフエンジニアはダイハツの伊藤淳一小型開発センター主査。「ダイハツ内部でスペース系軽乗用車の上級移行に応える商品が必要、と開発を企画しました。ちょうどトヨタ側も、このクラスのクルマを必要としていたところから、OEMが決定しました。トヨタ側の要望を踏まえながら、企画を煮詰め、開発したものです」と伊藤主査はいう。ダイハツ主体で企画、開発がスタートし、トヨタとの共同開発というスタイルで商品化する、という手法はまさにこのクルマのベースとなったパッソ/ブーンと同じである。ちなみに車名の「セッテ」とはイタリア語で7を意味する言葉。7人乗りをあらわしている。いっぽうブーンルミナスの「ルミナス」は造語で、英語のルミナス(輝き)やルーミー(広々)といった意味を表現している。

トヨタにはシエンタがあるけれど!?

シエンタ継続販売で棲み分けはどうなる?

シエンタ継続販売で棲み分けはどうなる?

■トヨタにはシエンタがあるけれど!?ここで気になるのがシエンタの存在。トヨタにはすでに小型3列シート7人乗りのシエンタがあるが、シエンタとの棲み分けはどうなるのだろう!? 当初はシエンタの後継車と目されていたが、セッテ/ルミナスは純然たる新規投入車で、シエンタも継続販売される。ボディサイズを見ればそのあたりが見えてくる。セッテ/ルミナスは全長4180mm、全幅1695mm、全高1620mmでホイールベースは2750mm。対するシエンタは全長4100mm、全幅1695mm、全高1670mm、ホイールベース2700mmとなっている。ホイールベース50mm、全長80mmの差が室内ユーティリティの差となって表われる。セッテ/ルミナスはシエンタよりもほんのちょっと大きくなったことで3列目シートも充分実用的に使える室内空間を確保した、というのがシエンタとの最大の違い。シエンタの3列目シートはハンモックのような形状で、トヨタも最初から明言しているように、あくまでも「近所の移動だったらあと2人乗れますよ」というシート。セッテ/ルミナスは、基本的には5人乗りで使うのだが、「ちょっとしたドライブだったら7人で行けますよ」という3列目シートなのである。この差は思いのほか大きい。シエンタは3列目を使うには割り切りが必要だが、セッテ/ルミナスは実用的。ホンダ フリードに近い室内空間を作り出しているのがセッテ/ルミナスだ。

小さいけれど、3列シートがちゃんと使える!!

コンパクトなボディに3列シートをレイアウトしたセッテ/ルミナス。2列目は前後150mmのスライドで、もっとも前に出してもまだ乗員のヒザ前には余裕がある

コンパクトなボディに3列シートをレイアウトしたセッテ/ルミナス。2列目は前後150mmのスライドで、もっとも前に出してもまだ乗員のヒザ前には余裕がある

■小さいけれど、3列シートがちゃんと使える!!実際に室内に乗り込んでみたが、2列目シートの居住空間はウィッシュオデッセイクラスと比べてもまったく遜色ないレベル。特に2列目シートは前後150mmのスライドをするので、3列目を使わない時は最後端にスライドさせれば余裕タップリ。また、3列目シートに乗員がいる場合でも、2~3列目シート間距離750mmを確保しても1から2列目シート間距離は880mmあるので、大人の男性がそれぞれに着席しても充分足元には余裕があり、窮屈さを感じることはない。シエンタとは大きな差であり、フリードの室内空間といい勝負。シートそのものは、2列目シートは座面長が515mmありきっちりモモをサポートしてくれるので座り心地も快適。3列目に関しては、座面長が455mmとなるため、ちょっと短いけれど、ビアンテの3列目シートより座面長はあり、ボディサイズを考えれば、よく頑張っていると思いました。シートバックに関しては、さすがに薄く高さも肩口よりもやや低いため、快適とはいえないが、このクルマの使われ方を考えれば充分納得できるもの。フリードの3列目シートもシートバック高は肩口より低く、ほぼ同程度。収納性などを考えれば、やむを得ないところだろう。

パワートレーン

エンジンは直4DOHC。最高出力109ps、最大トルク14.4kgm

エンジンは直4DOHC。最高出力109ps、最大トルク14.4kgm

セッテ/ルミナスはダイハツの1.5L、直4エンジンを搭載。トランスミッションは4ATのみで10・15モードは15.6km/L。フリードは16.4km/Lだしシエンタは18.6km/L。もうひとふん張りしてほしかった。価格はセッテXが149万円、ルミナスCXが153万5000円、上級のセッテSが186万5000円、ルミナスCXエアロが188万円となる。目標販売台数はセッテが3000台、ルミナスが500台。

大人気ホンダフリードと新生パッソセッテ&ブーンルミナス徹底比較対決

フリード:こちらフリード。3列目シートは左右跳ね上げタイプとなり、2列目シートは前倒しさせて畳むタイプ。最大奥行きは1445mm、2列目使用時で1085mmとなる

フリード:こちらフリード。3列目シートは左右跳ね上げタイプとなり、2列目シートは前倒しさせて畳むタイプ。最大奥行きは1445mm、2列目使用時で1085mmとなる

大人気ホンダフリードと新生パッソセッテ&ブーンルミナス徹底比較対決1.5Lクラスの3列シート車、といえば、ホンダフリードだ。フリードは5月29日のデビュー以来順調な販売をマーク。6月=5331台、7月=8948台、8月=5931台、9月=8679台、10月=8037台、11月=7032台と、常に販売トップ5に入る絶好調ぶり。フリードはホンダらしい独創的なパッケージングが魅力的で、セカンドシートが左右独立キャプテンシートタイプの7人乗り、セカンドシートが3人がけベンチシートタイプの8人乗り、さらにサードシートがない2列シートの5人乗りと、3タイプの室内バリエーションを設定。ボディサイズの小さいこのクラスでは、3列目シートが2人がけとなるのが一般的だが(セッテ/ルミナスでは2人がけ)、フリードの3列目は3人がけとなっており、オーバー2クラスなみの2列目セパレートシート仕様の設定が可能となった。

室内空間

パッソセッテ:2列目シートは多少前に出しても、まだ前席との間に余裕はある

パッソセッテ:2列目シートは多少前に出しても、まだ前席との間に余裕はある

さて気になる室内空間だが、これは両車いい勝負、というか、ほぼ互角である。後席へのアクセスはフリードがスライドドアなのに対し、セッテ/ルミナスはヒンジドア。どちらがいいかは好みの問題もあり、いちがいには言えないが、狭い空間での乗降性のよさなど、スライドドアを支持するユーザーは多い。ドア開口幅はフリードの600mmに対しセッテ/ルミナスは935mmと大きいが、ヒンジタイプのドアが斜め前を遮るため、使い勝手的にはほぼ同等と感じられた。ただ、3列シートへのアクセスは、後ろ側が大きく開くヒンジドアのセッテ/ルミナスが一歩リードする。フリードは2列目ベンチタイプの8人乗りだと、3列目へは身をよじるような姿勢で乗り込むことになる。

フリード:フリードの7人乗りは2列目シートが独立タイプの2人がけとなる

フリード:フリードの7人乗りは2列目シートが独立タイプの2人がけとなる

2列目シートの居住空間は両車ほぼ互角で、充分余裕。フリードにはセパレートタイプのシートが用意されていて、これは肘かけも付いていて快適。セッテ/ルミナスには3人がけのベンチタイプしか設定はない。

3列目シート

フリード:フリードの3列目シートは3人がけ。2人で座ると横方向は余裕がある。

フリード:フリードの3列目シートは3人がけ。2人で座ると横方向は余裕がある。

3列目シートはフリードは3人がけとしているだけに左右横幅に余裕があり、2人で座るなら、セッテ/ルミナスよりも余裕がある。シート自体は両車ともに座面長が腿部完全にサポートできていないのと、シートバック高が肩口までカバーしていないため、長距離ドライブではやや疲れそうだが、レベル的には同程度。

パッソセッテ:ギリギリ膝頭が前席に接触するが、窮屈というほどではない

パッソセッテ:ギリギリ膝頭が前席に接触するが、窮屈というほどではない

大人の男性が座ってギリギリ膝が前席につくかつかないかというスペースもほぼ同じだが、足の置き場所はセッテ/ルミナスのほうがやや広い。

パッソセッテ/ブーンルミナスVSホンダフリード お買い得はどっちのクルマ!?

オプションパーツ装着でグッとスポーティに変身!

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パッソセッテ/ブーンルミナスVSホンダフリード お買い得はどっちのクルマ!?さてさて、セッテ/ルミナスとフリード、どちらが「いいクルマ」でどちらが「お買い得」か!? 徹底的に分析したい。まず、8人乗りが必要だ、というのなら、これはもうフリードで決定。セッテ/ルミナスは7人乗りのみの設定で、このクラスで8人乗りの設定があるのはフリードのみである。7人乗りで比較した場合はどうか!? フリードの7人乗りはセカンドシートがセパレートタイプとなり、居住性ではベンチシートタイプのセッテ/ルミナスよりも一歩優れる。が、小さな子供などがいる場合、2列目シートはベンチタイプのほうが便利な場合がある。ただ、その場合、フリードでは8人乗り仕様を選べば2列目シートはベンチタイプとなるので、使い勝手は同等だ。後席へのアクセスで両車は大きな違いがある。セッテ/ルミナスはヒンジドアを採用するのに対し、フリードはスライドドアである。ドア開口部の大きさは、フリードの600mmに対しセッテ/ルミナスは935mmと広いのだが、開口部をすべて有効に使えるスライドドアのフリードに対し、ヒンジドアの場合、開けたドアが開口部を邪魔するため、実際の開口部幅ほど広く使えないという弱点があり、両車の使い勝手は互角と判断したい。ただ、2列目ベンチタイプのフリードでは、3列目へのアクセスがちょっときつくなり、ヒンジドアのセッテ/ルミナスが一歩リードする。価格だが、中間グレード同士で比較すると、セッテG、ルミナスCXが173万5000円、フリードG・Lパッケージの8人乗りが180万6000円、7人乗りが178万5000円で、ちょっとフリードのほうが高価。ともにオートエアコンが標準装備でカーナビはメーカーオプション、オーディオレスが標準仕様で装備はほぼ同等。 燃費に関しては、10・15モード16.4km/L のフリードが15.6km/Lのセッテ/ルミナスを一歩リード。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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