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2015年09月10日 11:59ヴォクシー スターターは廻るがエンジン始動しない インジェクタ後ダレ 点検 「様子を見て下さい」 チェックランプ点灯せず
MM様より、電話があり、車に関しての質問で、暑いとエンジンが始動しずらいのですか?
との内容で、状況を聞くとエンジンがかからなかったとの事。
今はかかったのですがこのまま使用していても大丈夫ですか?との質問です。
日頃より当店をご利用して頂いており、2週間後に12ケ月点検のご予約を頂いておりました。
平成21年式トヨタ・ヴォクシーです。
不具合時の症状を問診すると、スターターは廻るのだが、初爆が無い状態で、
何度かやっても始動しないので一度諦めて、1~2時間置いて再度始動させたら2回目で始動ができたという症状です。
いわゆる「かぶった」といえる内容です。
前型の2AZエンジンは直噴のガソリンエンジンで、燃料高圧噴射系統に持病があり始動不良はよくある事例ですが、
この車両のエンジン型式は3ZRのガソリンエンジンで、走行距離は7万㌔。
オイルメンテナンスも定期的に実施しており技術的な不具合情報も出ていません。
MM様が困るのが問題ですので、Dラーに情報提供を求めてみましたが、3ZRでの不具合情報としては報告が無いとの事でした。
ではまず、基本的な点検を実施します。Gスキャンにて、車両ECUと通信します。
始動不良2回の記憶はあるものの、故障コード無し(正常)、フリーズフレームデーター(故障と判断した時の記憶)無し、
データーモニターにて冷却水温、吸入空気温度、A/Fセンサ値などを確認してもこれといったエンジン始動時に
悪さを起こす数値上の異常は見られません。
では、かぶりと判断すれば、消耗品を点検します。
エアエレメント、スパークプラグを確認。
見た目ではまだまだ問題は無い模様ですが、ご了解いただき取替しました。
スパークプラグは長寿命のイリジウムタイプですが、一度かぶると従来の電極より細いので、
復活しにくく(乾きにくく)なります。モデルによりますが、点火信号が確実に読めなくとも燃料を供給し、
ドンドン始動しない悪循環となる場合があります。
エアエレメントについては、吸入空気量を測定するセンサ部分に、
清掃を繰り替えす事でケバゴミ(繊維)がついて実際のエア吸入量とのズレが生じて、
チェックランプは点灯しないが若干調子が悪いなどの症状を引き起こす機構です。
残る不具合の予想として、燃料をインレットバルブの手前で供給する(噴出)インジェクタの不良です。
ガソリンのカス(ワニス)やカーボンが先端に付着する事で綺麗な噴出ができず着火につながらない事や、
燃料を塞き止める事ができずにダラダラと後ダレする事で、再始動時に燃料が異常に濃くなってしまう等です。
インジェクタ先端を清掃する意味で、ケミカルの注入をします。
ピットワークのF-ZEROを注入してしばらくエンジンをかけたままで放置と、試運転を行います。
最後に、インジェクタ後ダレ点検を行います。見た目ではわからないので、排ガステスターを利用します。
本来は入庫時に点検する事ですが、今回に関しては不具合の再現ができなかった事と、
インジェクタの洗浄剤を入れた後の確認も行いたかったので、最後にしています。
エンジンの完全暖気終了後しばらく放置(今回は3時間)します。
その後インテークマニホールド内部のHC(ガソリン)濃度を測定します。判断基準としては1000ppmを超えない場合は
問題ないとします。後ダレが酷い場合はテスターで測定不能まで数値が上がる場合もあります。
ガステスターをスロットルバタフライより内部まで入れます。
190ppmまで数値が上がりました。インジェクタの燃料後ダレ状況は問題無いと判断します。
ここまで点検を行ってきたのですが、正直何が原因だったのかをお客様にお伝えできる項目はありません。
こういった点検の結果と状態をお伝えしての「様子を見て下さい」になり、MM様の不安を取り除くことはできませんでした。
恥ずかしながら、予定での12ケ月(1年)点検を実施していても、消耗品の点検では良好としてしまう状態で、
今回の不具合は防げていません。ですからそのままだと点検実施後に始動不良が発生するでしょうし、
たまたまのタイミングで起こった不具合です。
掴み所が無いので整理すると、今回の条件は、外気温度が30度前後で炎天下の直射日光があたる駐車場に
4時間以上駐車してからの帰り際。メーカーではいろいろな条件を考慮してはいるのでしょうが、想定外もあるのでしょう。
補足ですが、最近1年間ぐらいの当社のお客様を振り返ると、ミライース、タント、ライフ、ヴィッツが同じくカブッタ症状で
エンジンが始動できず、ミライース、タントに関しては登録から3年以内(1度も車検を受けていない)の車両で、
症状によってはプラグの番手を下げる対策が出ていました。
どのお客様もエコ運転を心がけている優良ドライバーですが、元気にアクセルを踏み込む人ほど、
カブりずらい気がしないでもないです。そして最新の車はミッションがCVTであり、ECUの燃費制御もあり、
エンジン回転数が高くならないのもカーボンが溜まる要因の一つではないかと思います。
MM様にお車を引き渡して、3週間以上経過ました。不安を解消できる程の確証が無かったので、
不具合時は即連絡くださいとお伝えしてます。問題なく始動できている模様で、ホットしてます。
掴み所の無い、モヤモヤな整備ですが、MM様の役に立てた模様でなによりです
対象車両情報
メーカー・ブランド | トヨタ | 車種 | ヴォクシー |
---|---|---|---|
店舗情報
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今回は車検をお願いしました。車検整備の試運転中に足周りから異音がするとの連絡があり、原因としてはショックアブソーバーのナットが緩んでおり、その隙間から金属音がしているとの事でした。しかも、ナット部から錆が発生しており進行すれば最悪の場合ショックアブソーバーの切断及び交換が必要になる可能性がありました。今回は潤滑剤を塗布して頂きナットを締め上げて作業出来たとの事で一安心。随時作業内容を画像付きで詳しく説明して頂いたので非常に分かり易かったです。個人的な意見ですが、自動車整備士はドクターだと思っています。こちらの工場さんは名医揃いですね。自分の命を預けて乗っている自動車ですから安心して運転したいですからね。次回も何かあれば宜しくお願いします。
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今回は、ハイエース社外品テールランプの配線が外れてしまい、持ち込みで対応してもらいました。他の業者では対応できず断られてしまい、カーコンサルエコーさんではこころよく受け入れてくれました。対応も丁寧かつ迅速で2日間での完成で驚きです。他にも、細かい汚れの清掃や、電装系の説明を丁寧に教えていただき、非常にありがたく感じました。また何かあるときは、お願いしたいです。
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