NISSAN　日産　ノート　NOTE　NE12　異音　診断　点検　修理　交換　 エンジン始動中ガラララ音する｜車検・点検・修理のグーネットピット

こんにちは！
今日はエンジンをかけるとガラララと異音がするノートの修理のご案内です
さっそくお車を点検しますと、どうもファンベルトの張りがおかしいがためにベルトテンショナが暴れることで異音がしているようです

実は私、今回初めてこのような事例に遭遇しました！
あまりにオートベルトテンショナが暴れていたので、当初ベルトテンショナの不良を考えました(結果的には駄目だったのですが・・・)

こちらのノート、車で使用する電力を発電するためのオルタネータという部品と、e-4WDモーターを駆動するためのジェネレータという二つの発電装置もファンベルトによって駆動しています
そしてその二つの装置のプーリー(ベルトの受け部品)は通常の構造とは違い、ワンウェイクラッチが内蔵されています
なぜそのような構造になっているかというと、エンジンの回転減少時には、ベルトには逆方向の大きな力がかかってしまい、ベルト負荷がかかるためベルトの寿命が短くなってしまいます
また、減速中の低回転時にはオルタネータの回転数も一気に低下するので発電効率も悪くなります
そのため減速になったときに発電装置内部を惰性で回転させることで発電効率を高めている
という仕組みです

上がオルタネータ、下がe-4WDジェネレータになります
基本的な構造は一緒です
一見画期的な構造ですが、実はこれらの部品の不良が今回のエンジン異音の原因でした！
原理としては、ワンウェイクラッチが壊れる→プーリーと中の部品はクラッチによってつながっており、1本物じゃありませんので中身に対してプーリーだけが早く回るような感じに・・・→結果ベルトの張りが保てず、ベルトテンショナがベルトの張りを保とうと暴れまくる！というわけです
恐らく放置すると、最後にはプーリーが破損することで発電不良となり、エンジンがかからなくなることが予想されるので要修理です

オルタネータはプーリーだけでの交換もできないこともないらしいのですが、特殊工具が必要となります
またジェネレータはASSYでの部品供給しかありません
どちらも高額ですがジェネレータの方が高いです
個人的にこの構造は正直どうかと思います
余計なものをつけて複雑にしたばっかりに、そこが故障原因となるウィークポイントとなってしまっては意味ないですよね！

更に問題は部品の取り付けかたです
オルタネータはともかく、ジェネレータはエンジン後方についているため脱着にはそれ相応の時間がかかる重整備となってしまいます
必然的に工賃も高くなってしまいます

今回はサスペンションメンバーを下ろし、エンジンを前方にずらし、ジェネレータをステーから分離させたあとでステーをエンジンから外したことでギリギリスペースを稼いで脱着しました
なぜかジェネレータのステーのボルトがジェネレータ裏からエンジンに向かって刺さっているのが嫌らしいです(笑)
ツワモノになるとドライブシャフトの脱着でも外す人もいるようですが・・・ほんとなの？と思ってしまう狭さです(笑)

また、暴れ続けたベルトテンショナにも負荷がかかったのかプーリーもがたがたになってしまっていたので交換したのですが、こちらも高い！
そしてやっぱりエンジン側に向かってボルトが刺さっているので、脱着にはオルタネータとエアコンコンプレッサを外す必要がありました

その他ファンベルトがかかるアイドラプーリも交換します
ファンベルトは今回は交換の必要はありませんでしたので再使用しました
ジェネレータ脱着の際に冷却水を抜きましたので、冷却水を入れてエア抜きを行います
エンジン始動中の異音はまったくなくなりました！

その後は故障診断機をつないできちんとオルタネータやジェネレータがきちんと作動をしているか、4WDに切り替わるかなどを確認しながら試運転を行い、最後に冷却水の漏れがないことも確認して作業完了です！

私は初めてでしたが、日産のe-4WDでは比較的よくある故障みたいです
トヨタ車でもワンウェイクラッチ付のオルタネータがあるみたいですね！
診断の仕方としては、ファンベルトを外し、プーリーを手で回してスムーズに回ることはもちろんなのですが
正転方向にはスムーズに回り、逆転方向にはプーリーがスリップするような感覚で回るのが正常です
両回転スムーズに回る場合は異常となりますので修理が必要です
大変勉強になりました！
修理のご利用ありがとうございました！！