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2022年03月05日 16:46BMW 135i 車検整備

BMW 135i 車検整備

BMWのモデルコードから通称”E82”と呼ばれる1シリーズクーペの中でも、135iはハイパフォーマンスモデルに当たります。同社のE90系335iに搭載された306馬力を発揮する強力な3リッター・ツインターボエンジン、「N54B30」をワンクラス下であるCセグメントのコンパクトな車体に押し込んだ当モデルの動力性能は痛快そのもの。それもそのはず、同年式の335i比で実に90㎏も軽量なのです。
40.8kg・mの強大なトルクを1300~5000rpmという非常に広い領域で発生するエンジンは普通に乗る限りでは扱い易く、1530kgという決して軽量とは言えない車重ながらクラッチミートのみでも何一つ気負うことなく発進可能。しかし一度踏み込めば、そのフラットすぎるトルクは極低回転からも後輪を空転させる獰猛さを見せ、ドライバーに牙を剝きます。組み合わされるトランスミッションは6速マニュアルですが、このフラットトルクがあれば例え5速でもスポーツ走行に於いてギア比に不満を感じることはそうそう無いでしょう。

BMW 135i 車検整備

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ブレーキもフロント6ポッド・リア2ポッドの対向キャリパーが奢られ、何れもブレンボ製。ストッピングパワーも抜かりありません。
後により過激な1シリーズMが登場したことで影が薄れた感もありますが、こちらは日本に正規導入されず並行輸入で数台が入るに留まります。
このようなホットなモデルもラインナップされていた初代1シリーズですが、基本的にはワークスでのモータースポーツ投入はされず、競技での活躍は専らプライベーターによるものでした。中でも最も著名なのは、ドイツ出身のヒルクライムドライバーにしてFIAヒルクライムカップを筆頭に多くのヒルクライム競技にてトロフィー獲得経験を持つゲオルグ・プラサ(Georg Plasa)選手が駆った”134Judd V8”でしょう。
この134Juddはモノコックや外観の意匠こそ1シリーズクーペのそれをベースとしていますが、グループE1規定に準じたあらゆる改造が施されており、ヒルクライム競技に特化した完全なるレーシングカーと言っていい程の動力性能を持っています。

車内には強固なロールケージが張り巡らされ、キャビンから前は切り落としセミ・パイプフレーム化。フェンダーは大幅にワイド化されていますが、そのワイドな全幅を超えるほど強大なリアウィングを始めとし、リアバンパー後端よりも張り出したディフューザーやオーバーフェンダーの幅を使い切ったカナード等、各部をド派手な空力パーツで武装。
搭載されるエンジンは、その名が示す通り英国・ウォリックシャーに拠点を構える名門レーシングエンジンビルダー・ジャッド製の「KV675」。このKV675は95年に開発されたF3000用の3L・V8のKVエンジンを原型とし、2001年にLMP675(現在で言うところのLMP2)クラスのスポーツプロトタイプ用に手直しされたもので、3.4LのNAで450馬力の公称値を誇ります。

プラサ選手の134Juddに搭載されたものはLMP675用のエアリストリクター(吸入空気量を制限することで出力を抑制し、競争力の均整化を図る装置)が装備されていない関係か公称値を上回る550馬力超を発揮すると言われており、僅か780kgの超軽量に仕上がった車重と素早い変速を可能とするヒューランド製のセミATとの組み合わせでその加速は正しくモンスターマシンと呼ぶに相応しいもの。そんな怪物を片側一車線の狭い峠道で駆るのですから、プラサ選手のドライビングスキルの高さも推して知るべしといったところでしょう。
また、この車の為に特注されたエキゾーストは非常に甲高い快音を奏でることで知られており、宛らV10時代のF1を想起させるサウンドを奏でながらヨーロッパの峠道をハイスピードで疾走するその姿は見る者の多くを魅了し、その記憶に強く焼き付く迫力と魅力を持っています。
2009年の夏にペーパープランが起されたこの車は長い製作期間を経て2011年の2月にシェイクダウン、同年に実戦投入され、2つのヒルクライムコースにてE1クラスのコースレコードを記録する速さを見せました…が、悲劇は突如訪れました。

2011年7月10日にイタリア・リエーティにて開催された欧州ヒルクライム選手権の第8戦、プラサ選手の駆る134Juddはマシントラブルからか突如コントロールを失い、殆ど減速も旋回もできぬまま正面から岸壁に激突。インパクトの瞬間の速度は200㎞/h超と言われており、ケージで補強されたキャビンが大きくひしゃげるほどの衝撃を受け重傷を負った彼は救助ヘリで搬送されましたが、そのヘリの中で息を引き取りました。
しかし、彼がこの世を去った後も少しだけ物語は続きます。事故から7年後の2018年、英国の著名なモータースポーツの祭典である「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」にて、プラサ選手のマシンが再びヒルクライムコースを駆け抜けました。134Juddは前述の事故により修復不能なほどのダメージを負いましたが、それ以前に彼が使用していた”320i Judd V8”(E36)が残っていたのです。

プラサ選手のマシンの脚回りを長きに渡って担当してきたパートナーであるドイツのKW社は、彼の追悼の為にグッドウッドで320i Juddを復活させることを画策。多くの協力を得てレストアされた320i Juddは現役当時と遜色ないパフォーマンスを取り戻しました。
そして迎えたグッドウッド本番、320i Juddはヒルクライムアタックにて全体の3番手、内燃機関を動力源とするマシンとしてはトップのタイムを叩き出し、完全復活を観衆にアピール。故人の輝かしい功績に相応しい追悼レースを完遂してみせたのです。
この復活劇に関するより詳細な記事や走行時の動画のリンクはKW JAPANのホームページに纏められているので、気になる方は是非ご一読することをお勧めします。

BMW 135i 車検整備

さて、前置きは程々にして本題へ入って行きましょう。
今回は車検整備ですが、年間のマイレージがそこまで伸びるお客様ではなく、尚且つ自身のお車のコンディションをきちんと把握している方でしたのでブレーキフルードの交換のみになります。

BMW 135i 車検整備

ブレンボの対向キャリパーの多くは外・内にブリーダープラグが付いているものですが、こちらは裏側に1つのみのタイプ。

BMW 135i 車検整備

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ホイールを外しついでに裏側まで綺麗にブレーキダストを洗い流します。
ここ数年は普段使いのみのようですが、以前ご入庫した際はホイール内側にマーブル(タイヤカス)がこびりついていたり、良く見るとショルダーに溶けた跡があったり、ブレーキパッドが焼けで変色していたり、運転席にはフルハーネスが取り付けられていたりと至る所に”走り”の痕跡が見受けられました。かつてはスポーツ走行を嗜まれていたのでしょうね。

対象車両情報

初年度登録年月平成21年メーカー・ブランドBMW
車種1シリーズグレード135i
型式ABA-UC35

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店舗情報

オレンジモータース
認証工場:第1-3072号

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県道133号線(国分寺街道)ぞい、国分寺七小入口交差点そば
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創業年
平成 21(2009)年
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