タイミングベルトの異音の原因と交換時期・走行距離の目安について

車のエンジンには、タイミングベルトというパーツがあります。このタイミングベルトが切れるとエンジンが停止してしまうため、日頃から注意しておくことが必要です。ここでは、エンジン付近から聞こえてくるベルトによるものと思われる異音の原因と、タイミングベルトの交換時期の目安について見ていきたいと思います。

この記事の目次

1. タイミングベルトからはどのような異音がするの？
2. エンジン付近から異音がする原因は？
3. タイミングベルトの交換における時期や走行距離の目安とは？

タイミングベルトからはどのような異音がするの？

タイミングベルトとはエンジンの中に組み込まれているベルトのことです。一般的には、ゴミやオイルの付着を防ぐために金属製や樹脂製のカバーで覆われています。エンジンの動作のうち、「点火」や「吸気バルブ・排気バルブの開閉」などのタイミングをコントロールしています。また、水冷エンジンの場合は冷却水を循環させるウォーターポンプを動かすためにも使用します。タイミングベルトは「ベルト」とついてはいるものの、その担っている役割上滑るような構造はしていないため、異音を発することはほとんどありません。

しかし、何らかの不具合が起きてタイミングベルトが切れる際に、エンジンから「コンコン」や「バン！」といった音がして、エンジンがストップする場合があるようです。
参考：http://www.jaf.or.jp/qa/mechanism/trouble/20.htm

車のエンジン付近からベルトが出すような「キュルキュル」という異音が聞こえる場合は、前述したようにタイミングベルトが発しているとは考えられないため、異音はファンベルトから出ていると思われます。ファンベルトは本来、ラジエーター冷却用のファンを回すベルトだったためファンベルトと呼ばれていましたが、冷却用には電動ファンが組み込まれるようになった現在は、オルタネーターやエアコンコンプレッサーなどを駆動させるベルトのことを総称してファンベルトと呼んでいます。そのファンベルトが「キュルキュル」という異音を出している場合は、ベルトが劣化して滑りなど何らかの問題が発生している可能性があります。早急に点検して、問題があれば交換する必要があります。

「キュルキュル」という異音で交換のタイミングを知らせてくれるファンベルトとは異なり、タイミングベルトは何の前触れもなくいきなり切れてエンジンが停止してしまうことが多いため、交換の時期をドライバーがある程度把握しておく必要があります。一般的に、ゴム樹脂製のタイミングベルトは走行距離10万キロが目安とされていますが、それよりも短く5万キロ程度で切れてしまう場合もあります。また、金属製のチェーンが使われている場合は、10万キロより長く持つこともあると言われています。いずれのタイプのタイミングベルトでも走行パターンによっても寿命は変わってきます。タイミングベルトが切れると文字通りバルブとピストンがぶつかって、エンジン内部を損傷してしまう可能性があります。万一、エンジン内部が破損してしまった場合は、エンジンの脱着を含め、大掛かりな修理に発展してしまうので注意しましょう。タイミングベルトは、簡単に見ることができず交換の目安もつかみにくいため、定期点検時にしっかりと確認しておくことが大切です。また、車種によってはエンジンを脱着して交換をするタイプもあるので、注意が必要です。少なくとも自分の車のタイミングベルトがゴム樹脂製のベルトなのか、金属製のチェーンなのかくらいは、調べて把握しておくことをおすすめします。