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更新日:2021.10.11 / 掲載日:2021.10.11

バッテリー液とは?内部で減少する要因3つ!安全な補充方法について

「バッテリー液って何?」「補充が必要なの?」など、バッテリーのメンテナンス方法がわからず困っている方も多いのではないでしょうか。

バッテリー液とは、車に電力を送るために必要な無色透明の液体です。水と同じように見えるかもしれませんが、扱い方に注意が必要です。

当記事では、バッテリー液の概要やバッテリー液が減る要因、安全な補充方法を解説します。バッテリー液に関する情報をまとめて確認したい方は、ぜひ参考にしてください。

バッテリー液とは?

バッテリー液とは?

車にはオーディオやランプなどを動作させるために電力が必要であり、電力を供給しているのがバッテリーです。そのバッテリー内部にある液体をバッテリー液といい、別名「電解液」とも呼びます。

それでは、バッテリー液がどういったものなのかを見ていきましょう。

バッテリー内部の液体は「硫酸+精製水」

バッテリー液は、硫酸と精製水が混ざりあった無色透明の液体(希硫酸)です。

詳しくはのちほど説明しますが、バッテリーは走行中に充電と放電を繰り返しており、この充電・放電に合わせてバッテリー液の硫酸濃度は変化します。

バッテリーの充電 バッテリー液の硫酸濃度
充電100% 約37%
充電0% ほぼ水状態

なお、硫酸は強い酸性を持ち、接触した金属を酸化させたり、皮膚の炎症を引き起こしたりすることがあるため、バッテリー液を取り扱う際には十分に気を付けなければいけません。

バッテリー容器から誤って漏れ出てしまった場合は素手では触らず、速やかに湿らせた布で拭き取りましょう。皮膚に付着した場合は、たっぷりの水で洗い流してください。

バッテリー液のもう1つの成分である精製水は、水道水に含まれる不純物を取り除いたものであり、水道水とは別物です。水道水には、バッテリー本来の電力供給構造を乱す不純物が多く含まれています。見た目は同じ「水」でも、水道水を誤って流し込まないように注意しましょう。

バッテリー液は充電・放電に欠かせない

バッテリーは、車の走行中に起こる「バッテリー液(希硫酸)」と「鉛製の極板」の化学反応によって、充電・放電を繰り返す仕組みです。

希硫酸または極板のどちらかが不足すると、電力供給に必要な化学反応を起こせません。スムーズな充電・放電を行なうためには、バッテリー液の適量を維持する必要があります。

電力が生まれる流れ

・エンジンが動く
・オルタネーターが電力(直流電流)を生成
・バッテリー内部の極板が直流電流を集配
・バッテリー液と極板による化学反応(※充電・放電)

バッテリー液が減る要因3つ

バッテリー液が減る要因3つ

車種や乗り方によってペースは変動しますが、バッテリー液は着実に減ります。バッテリー液が減るおもな要因は、「自然蒸発」「電気分解」「液漏れ」の3つです。なお、液漏れは未然に防げる内容なので、対策もしっかり確認しておきましょう。

エンジンの熱で起こる「自然蒸発」

バッテリー液は、熱(高温)の影響を受けると少しずつ蒸発します。バッテリーをエンジンルーム内に設置している車が多いため、急激に減ることはないものの、対策をしても自然蒸発は避けられないでしょう。

ただし、車種によってはエンジンルームではなく、助手席下や荷室の床下などにバッテリーを装備しているケースもあります。

水素と酸素に分かれる「電気分解」

バッテリー液の電気分解とは、水素と酸素が気体に分解される現象です。バッテリー内部の蓄電量が許容範囲を超えたときに発生します。

オルタネーターが生み出す電力(直流電流)は、エンジンが動き続けている限り止まりません。エンジンの稼働時間が長くなるほど過充電に陥りやすく、自然蒸発とともに電気分解の発生率も上がります。

バッテリー点検時に「サルフェーション現象」が発生している場合は、過去に過充電が行なわれていた証拠です。サルフェーション現象とは、バッテリーを放電したまま放置した際に、極板などに硫酸鉛の結晶化したものが付着している状態を指します。

バッテリーの使用期間が長い車ほど起こりやすいので、注意深く点検してみましょう。

減りが早いときは「液漏れ」の可能性も

上記の「自然蒸発」と「電気分解」は、どちらも急激な減少は起きません。そのため、バッテリーの減りが早いと感じたときは、フタや極板の接続部などで液漏れしている可能性があります。

液漏れのおもな原因は、転倒と整備不良の2つです。液漏れしたバッテリーは継続使用できないケースが大半なので、速やかに交換しましょう。

・転倒:横向きでの保管・放置
・整備不良:バッテリー液の補充量が多い、劣化してフタが緩くなっている、装着時に固定していない、斜めの状態でバッテリーを装着した、など

バッテリー液が少ないと火災・劣化促進につながる!

バッテリー液が少ないと火災・劣化促進につながる!

バッテリー液が少なくなると金属部(極板など)が露出するため、電力を十分に配給できなくなります。露出時間が長くなるほど劣化し、バッテリー本体の性能も落ちていくので注意が必要です。極板は一度劣化すると、再度バッテリー液を補充してもうまく機能しません。

また、エンジンルーム内では、電気分解(バッテリー液の減少)によって水素ガスが充満します。水素ガスは引火性の高い成分のため、最悪の場合にはエンジンの熱によって火災・爆発に発展するリスクもあります。

なお、点検・補充時は、間違ってもタバコを吸いながら作業しないように注意してください。

バッテリー液の残量チェック!空っぽにしない点検方法

バッテリー液の残量チェック!空っぽにしない点検方法

バッテリー液を空っぽにしないためにも、定期的な残量把握が欠かせません。バッテリー側面に記載のある2本の線を目印に、液面が中間に位置しているかを目視で確認しましょう。

・UPPER LEVEL(最高液面線)
・LOWER LEVEL(最低液面線)

液面がUPPER LEVELを超えている、またはLOWER LEVELを超えていない状態は、過不足が生じているということです。その場合は「UPPER LEVEL以下、LOWER LEVEL以上」になるように調整してください。

バッテリー液の点検頻度

バッテリー液の量は、月1度のペースで点検しておくと安心です。時間の確保が難しい方は、最低でも半年に1回は点検しましょう。

バッテリーを覗き込んで「極版やキャップ周りが汚れている」「液体が濁っている」と感じた場合は、劣化している可能性が高いのでバッテリー交換がおすすめです。

バッテリー液の点検手順

1.凹凸・勾配のない平らな場所に停車
2.エンジンの熱が取れるまで時間を空ける
3.バッテリーが装備されている場所を開く
4.UPPER LEVELとLOWER LEVELの間に液面があるか確認する

バッテリー液の残量が見えないときの対処法

・液面を少し揺らして確認する
・バッテリー本体の裏からライトで照らして確認する
・極板の湾曲具合を上から見て判断する
→UPPER LEVELに近い:屈折して見える
→LOWER LEVELに近い:まっすぐ見える
液口栓に割り箸を差し込んで濡れた場所を、本体側面の表示に照らし合わせて判断する

バッテリー液の補充方法!必要なアイテムは?

バッテリー液の補充方法!必要なアイテムは?

バッテリー液は少しでもこぼれると厄介なので、万全な体制で挑みましょう。以降では、補充の際に必要なアイテム、準備、補充手順、注意点をそれぞれ解説します。

補充に必要なアイテム

・バッテリー液(バッテリー強化剤)
・スポイト
・ゴーグル
・ゴム手袋
・マイナスドライバー(コイン)

バッテリーの補充液は市販品を使います。1本200円前後なので、カー用品店やインターネットで用意しましょう。通電力を高める「バッテリー強化剤」は、劣化状況に応じて使用してください。

補充前の準備

・平らな路面に車を停車し、エンジンを停止させる
・エンジンの熱が下がるまで時間を空ける
・金属製の時計・アクセサリーなどを外す(ショート防止のため)
・ゴーグルや手袋を装備する

補充の手順

1.エンジンルームを開く(車種によって異なる)
2.バッテリー本体の位置を把握する
3.液口栓をマイナスドライバーかコインで開ける
4.液口栓からバッテリー液を注ぐ
5.UPPER LEVELとLOWER LEVELの間に液面があるか確認
6.UPPER LEVELを超えていたらスポイトで吸引
7.液口栓を閉める
8.液漏れがないか確認し、適度に拭き取る
9.エンジンルームを閉じて終了

補充の注意点

・バッテリー上部のフタ部分の水滴はむやみに触れない
・水道水は補充しない
・作業中は火気厳禁

バッテリー周りの水滴は、バッテリー液(希硫酸)の可能性があります。目に入ると失明するリスクもある危険な液体なので、安易に触れないように注意してください。

また、前述のとおり、水道水を補充したり、補充時にタバコ・ライターなどの火気を扱ったりすることもNGです。バッテリー液の補充に慣れてくると、気が緩みやすいので慎重に取り掛かるようにしましょう。

バッテリー液のセルフ交換自体は簡単ですが、希硫酸による危険がともないます。取り扱いに不安がある方は、業者に依頼するのがおすすめです。

グーネットピットでは、全国各地から最寄りの業者を検索・比較ができます。業者選びに困っている方は、ぜひご確認ください。

https://www.goo-net.com/pit/

<補足>バッテリー液を補充する前にチェック!

<補足>バッテリー液を補充する前にチェック!

最後に、バッテリー液の補充に関する補足情報を2つお伝えします。

メンテナンスフリーはバッテリー液の補充が不要

技術の発展により、近年は電気分解を防ぐ「メンテナンスフリー」のバッテリーが登場しています。通称「MFバッテリー」といい、完全密閉型と半密閉型の2タイプが存在します。

MFバッテリーを装備している車は、バッテリー液の補充を必要としません。しかし、100%バッテリー液が減らないとは限らないので、適度な点検は必要です。

バッテリー自体が劣化していると補充の効果半減

充満・放電には、バッテリーの性能が大きく影響します。バッテリー自体が劣化していると、液を補充しても十分な性能を発揮できません。

バッテリーの一般的な交換ペースは2~3年に1度とされていますが、車の状態によって前後します。点検・補充時に以下のような劣化サインを見つけたら、交換を検討しましょう。

・6つある電槽の減少スピードがバラバラ
・バッテリー液が半年未満で減ってしまう
・バッテリー液がLOWER LEVELよりも少ない
・バッテリー液の極板周辺の汚れが目立つ
・バッテリーの電圧が12.5Vを下回っている

まとめ

バッテリー液は充電・放電を繰り返しながら、蒸発によってゆっくりと減少しています。バッテリー液が不足すると十分な充電・放電が行なえないため、定期的な点検・補充が欠かせません。

しかし、バッテリー液の成分は腐食性の強い「希硫酸」なので、補充時は危険がともないます。補充作業自体は簡単ですが、慎重に取り掛かりましょう。

「補充タイミングがわからない」「セルフ補充は少し怖い」など、不安を抱えている方はプロへの依頼がおすすめです。グーネットピットよりお気軽にお問い合わせください。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
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