車検・点検・メンテナンス
更新日:2026.04.23 / 掲載日:2018.08.29

スペアタイヤは車検に必要?搭載義務と注意点を車種別に解説

「車検でスペアタイヤがないと不合格になるのか」「ジムニーやハイエースの外付けタイヤは外してもいいのか」など、車検を控えて、スペアタイヤの扱いに不安を感じる人もいるでしょう。

現在の車検では、スペアタイヤの搭載義務はありません。ただし、外付けタイプの車種や、テンパータイヤの装着車は不合格になるケースがあるため注意が必要です。

この記事では、スペアタイヤの車検搭載義務の有無と、車種別の搭載基準を詳しく解説します。スムーズに車検を通過できるよう、正しい知識を身につけましょう。

1.スペアタイヤは車検に必要?

現在、スペアタイヤの車検時における搭載義務はありません。ただし、車体に外付けされているタイプは、車種によっては取り外すと車検に通らない可能性があり、注意が必要です。

(1)現在、車検時搭載義務はない

スペアタイヤの搭載義務が廃止された明確な時期は不明ですが、1999年に日本自動車工業会と日本自動車タイヤ協会が共同で作成した「スペアタイヤレス車両のガイドライン」が、搭載義務廃止の流れに大きな影響を与えたといわれています。

スペアタイヤには、大きく分けて以下の2種類があります。

種類特徴
ノーマルタイヤ通常使用しているタイヤと同じ規格のもので、主にオフロード車やRV車、トラックなどの車両後部に搭載される。サイズや性能が同等で、装着したまま通常走行が可能
テンパータイヤ応急用の細いタイヤ。コンパクトで収納しやすいが、あくまで一時的な使用を目的としており、速度制限(一般的に80km/h以下)や走行距離に制限がある

テンパータイヤを装着した状態で車検に出すと不合格となるため、注意が必要です。車検前には必ずノーマルタイヤに戻してください。

(2)外付けタイプは注意が必要

車体の外部にスペアタイヤを装着しているタイプ(SUVや一部のバン・トラックなどに多い)は、メーカーが最初から車体の一部として設計・認定しているケースがあります。この場合、スペアタイヤの取り外しが構造変更とみなされる可能性があり、注意が必要です。

ただし、車検証に記載してある車体の全長が外付けのスペアタイヤまで含まれていない場合は、外していても車検に通る可能性があります。外付けタイプの場合は、事前に車検場や販売店に確認しておくとよいでしょう。

2.【車種別】スペアタイヤの搭載基準と注意点

スペアタイヤの搭載基準は、車種によって異なります。主な車種別のポイントを確認しましょう。

(1)普通乗用車:搭載義務なし

普通乗用車の場合、現在の保安基準ではスペアタイヤの搭載義務はありません。新車時からスペアタイヤが装備されていない車両も多く、代わりにパンク修理キットが搭載されているケースが一般的です。

スペアタイヤが不要になった背景には、以下のような理由があります。

・道路状況の改善によるパンクリスクの低下
・タイヤ性能の向上による耐久性の向上
・車両の軽量化とコスト削減
・室内スペース確保へのニーズ

新車購入時にスペアタイヤが非搭載でも、車検時に用意する必要はありません。反対にスペアタイヤを搭載している場合は、いざというときに使用できるよう、定期的に空気圧などの点検を行うのがおすすめです。

(2)大型トラック・バス:搭載義務はないが定期点検での確認義務あり

大型トラックやバスについても、法律上は搭載義務がありません。ただし、2018年10月1日から一定の大型車両については、スペアタイヤの定期点検が義務化されています。

項目概要
点検義務の対象車両車両総重量8トン以上または乗車定員30人以上の大型自動車
点検頻度3ヶ月ごと
点検内容・スペアタイヤ取付装置の緩み、がた、損傷・スペアタイヤの取付状態・ツールボックスの取付部の緩み、損傷
参照:大型トラック・大型バスのスペアタイヤの点検が義務化されます~事故防止のため、確実な点検・整備をお願いします~

この規制は、2017年10月に岡山県の中国自動車道で発生した、大型トラックからのスペアタイヤ落下による死亡事故をきっかけに導入されました。対象車両以外でも、スペアタイヤを搭載している場合は自主的な点検を行うことが推奨されます。

(3)外付けスペアタイヤ装備車:車検証記載の全長を確認

車検は車検証に明記されているサイズを基準とするため、車の後部ドアにスペアタイヤが取り付けてあるタイプは、車検証に記載の全長がどこまでなのかを確認することが重要です。車検証記載の全長に外付け部分が含まれていれば車検時にも必要となり、反対に含まれていなければ不要となります。

例えば、ハイエースやジムニーは、多くのケースでスペアタイヤを搭載していなくても問題ないでしょう。ハイエースのスペアタイヤは、一般的に車両後方(荷室・ラゲッジルーム)の床下に吊り下げて格納されているため、全長には関与しません。

また、ジムニーのスペアタイヤは、車両背面のリアゲート(バックドア)にありますが、車検証にはスペアタイヤがない状態での全長が記載されています。スペアタイヤを外してブラケットを折り畳んだ状態で車検に出す人も多くいます。

3.車検時にスペアタイヤ以外に注意したいこと6つ

スペアタイヤの有無以外にも、車検では装着されているタイヤそのものが検査対象となります。以下6つの基準を満たしていないと、車検に不合格となるため注意が必要です。

(1)タイヤの負荷能力は適切か

車検時には、装着されているタイヤの負荷能力が、車両の重量に対して適切かどうかが確認されます。タイヤのサイド部分に記載されている「ロードインデックス(負荷指数)」が、車両の重量を安全に支えられる数値であることが必要です。

例えば、タイヤサイズ表示が「205/60 R15 91H」の場合、「91」がロードインデックスを示しています。

負荷能力が不足している場合のリスクは、以下のとおりです。

・タイヤの異常発熱によるバースト(破裂)の危険性
・構造の損傷
・タイヤの劣化が加速

車検では、4本すべてのタイヤが車両の総重量を安全に支えられる負荷能力をもっているかが審査対象となります。特に、タイヤを交換する際に、純正サイズと同等以上のロードインデックスをもつタイヤを選ぶことが重要です。

なお、ロードインデックスと密接に関係するのが、タイヤの空気圧です。空気圧が不足すると、耐荷重が下がっていくため、空気圧の点検も重要になります。

(2)すべてのタイヤの残り溝が1.6mm以上あるか

車検の必須条件の一つが、すべてのタイヤの残り溝が1.6mm以上あることです。

タイヤには「スリップサイン」と呼ばれる残溝確認用の目印が設けられており、トレッドパターンの溝の一部が浅くなっています。このスリップサインとトレッド面の高さが同じになると、残溝1.6mmと判断できます。

スリップサインが出たタイヤは、雨天時の排水性能が著しく低下しているため、スリップの危険性が高い状態です。車検に合格できないだけでなく、公道走行が違法となり、整備不良として違反点数が科されます。

車検前には必ず4本すべてのタイヤの残溝を確認しましょう。1本でもスリップサインが出ている場合は速やかにタイヤ交換が必要です。

(3)著しい破損がないか

車検時には、タイヤに著しい破損がないかを確認されます。具体的には、以下のような状態が検査対象となります。

・パンクの有無
・タイヤ表面の亀裂や切り傷
・サイドウォールの膨らみ(ピンチカット)
・コードやカーカス(タイヤの骨格部分)の露出
・ゴムの剥がれや欠損

特に、タイヤの中で一番構造的に弱い部分であるサイドウォールが損傷すると、走行中のバースト(破裂)につながる危険性が高いため、車検では厳しくチェックされます。また、タイヤのゴムは経年劣化によってひび割れが発生することもあり、これも著しい破損とみなされる場合があります。

日常的に目視でタイヤの状態を確認し、少しでも異常を感じたら早めに専門店で点検を受けることが大切です。

(4)異常な摩耗(偏摩耗)がないか

片側だけが極端に摩耗している状態は「片減り」、タイヤの一部分だけが異常に摩耗している状態は「偏摩耗」と呼ばれます。偏摩耗や片減りによって残溝が1.6mm未満になると、車検で不合格になります。

このような摩耗は、以下の原因で発生します。

・タイヤの装着位置(前輪・後輪)による負担の違い
・ホイールアライメントの狂い
・空気圧の不適正な管理

特に、片側のタイヤだけが極端に偏摩耗している場合、直進安定性に悪影響を及ぼすため、車検時に安全走行が困難と判断される場合があります。また、偏摩耗が進行するとサイドスリップ検査にも影響を与える可能性があります。

日常的にタイヤの摩耗状態を確認し、異常な摩耗パターンが見られた場合は、車検前に専門店で点検を受けるのがおすすめです。定期的なタイヤローテーションも、偏摩耗の予防に効果的です。

(5)適正な空気圧か

車検時には、装着されているタイヤが適正な空気圧であるかも重要な確認項目です。空気圧が不足していると、タイヤの偏摩耗や損傷を引き起こし、操縦安定性の低下や燃費悪化につながります。

逆に、空気圧が過多であっても、乗り心地の悪化やタイヤの損傷リスクが高まります。

適正な空気圧は、運転席側のドア付近や給油口に貼付されている空気圧表示シールで確認することが可能です。この数値は車両メーカーが指定した基準値で、前輪と後輪で異なる場合もあります。

タイヤの空気圧は自然漏れにより1ヶ月で約5%低下するため、車検前には必ず点検しましょう。

(6)規定以上にはみ出ていないか

規定以上にタイヤがはみ出していると、車検に通らなくなります。9人乗り以下の乗用車の場合、車検に適合するはみ出し基準は「タイヤの中心からの垂線とフェンダートップの当たる部分から前方30度、後方50度の範囲内で、最外側部のタイヤのみが10mm未満」です。(10人乗り以上の乗用車や貨物車は対象外)

これはタイヤに限った話であり、ホイールやホイール関連パーツ(ホイールナットやホイールキャップなど)のはみ出しは、一切認められていません。

車検の基準とは?主要項目や不合格になる原因・通過するためのポイントなどを解説|車買取・車査定のグー運営
車を所有する人にとって車検は欠かせない手続きです。安全な走行と環境保護のためにも車検は大切な役割を担っています。本記事では、車検の基本や必要なチェック項目について解説します。

4.車検時のスペアタイヤに関してよくある質問

(1)スペアタイヤが無くても車検は通りますか?

現在はスペアタイヤの搭載義務が廃止されているため、多くの車種ではスペアタイヤを搭載していなくても車検の合格基準を満たします。

ただし、リアゲート(車両背面)にスペアタイヤを標準装備している車種や、車検証の全長がスペアタイヤ装着状態で記載されている車両の場合は注意が必要です。このような車両は、スペアタイヤを外した状態では車検証記載の寸法と異なるため、車検に通らない可能性があります。

また、テンパータイヤを装着した状態では車検に通りません。テンパータイヤは緊急時の一時的な使用を目的としており、保安基準を満たさないためです。

(2)パンク修理キットは車検に必要ですか?

パンク修理キットは車検の検査項目に含まれていないため、搭載していなくても車検には通ります。また、キット内の補修液の有効期限が切れていても、車検の合否には直接影響しません。

ただし、スペアタイヤを搭載していない車両では、パンク修理キットが実質的な必需品となります。万が一の際に対応できないと、ロードサービスを待つ時間や費用が発生してしまうため、車検の機会に状態を確認しておくと安心です。

5.車検時のスペアタイヤに関して不安な場合はグーネットピットにご相談ください

スペアタイヤの搭載義務や車検基準について不明点がある場合は、ぜひグーネットピットにご相談ください。全国の認証・指定工場から、車検や修理、タイヤ交換など、愛車のメンテナンスをトータルでサポートする業者を見つけられます。

レビュー評価を参考にしながら業者を探すことが可能です。ぜひご活用ください。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

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