エアコンガス漏れ　パイプを切断してどっぺ（栓）で対応　クールボックス用を遮断　ライン・ターミネーターをお客様に教えて頂きました　トヨタ：ランクル１００　｜車検・点検・修理のグーネットピット

「下からオイルっぽいのが漏れてて、エアコンも効かなくなりました」と、Ｅ様から点検ご用命です。車両はトヨタ：ランクル１００系。エアコンはＯＮになりません。下廻りを確認すると、運転席下側に位置する箇所がオイルっ気で濡れてます。エアコン用のオイルな感じで、同時にエアコンガスも漏れたと言え、その為エアコンが効かなくなったと予想できます。ご報告すると、他店さんで「エアコンガス漏れチェック用の蛍光剤」を注入している旨をお聞きしたので、紫外線（ＵＶ）を当てチェック。間違いなくブシューっと漏れた模様で光ってます。原因は配管の腐食損傷です。
ここで一旦車両をお戻しで、配管図を確認。損傷個所は、室内のクールボックス（冷蔵庫）に繋がるパイプ部分です。
Ｅ様とご相談の中で、「室内のクールボックス（冷蔵庫）は使っていないので～不要です。」との事。では、クールボックス無しタイプの配管一式へ交換か、クールボックス側のパイプをどっぺ（塞ぐ）か？・・・です。ただ、塞ぐにしても、アルミのロウ付けは配管を車両から取り外す必要があるので、作業料が高額になる事は変わりません。
余談ですが、「どっぺ」は山形の方言です・・・。

そんなこんなのやり取りを行ってる中で、E様からご提案が。これでどうですか？と。
ＬＩＮＥで送って頂いたＵＲＬを確認。
へ～こんな便利商品あるのですね。知りませんでしたー。です。
「ライン　ターミネーター」って言うパーツです。
ではこれで、やってみましょう。
切断する箇所のパイプ径を２ケショ確認し２ケ準備頂きました。
パイプの切断にはパイプカッターを使用します。エアソーやサンダーなどを使うと、切子が配管内に入って、いらぬ不具合を引き起こします。
丁度、ブレーキパイプ補修キットに幅広で小さめのカッターがあったのでラッキーです。
刃を絞りながらグルグル回して切っていくので、車体にパイプが付いたまま行うには、小さいに越した事はありません。

では早速、車両をリフトアップし右前輪を取り外し。
パイプを切断。ターミネーターをバラして嵌めて締めるです。
ターミネーターがガッチリ噛んで抜けない仕組みは、コマ部がミソで、締め込むとパイプに食い込む構造。丁度、オートグリースホースの補修キットと同じ原理でした。って言ってもピンと来ないと思いますが、大型トラックなどのグリース充填用ホースが切れた際などに繋ぎで補修できるパーツの事です。
切断したパイプを清掃、ナットとコマを先にセット、ボルトのゴムシール部に組付け油を塗って挿入し、ボルト・ナットを締め付ける。です。
クールボックスの低圧側は右前輪内側周辺。高圧側はエンジンルーム左側でどっぺです。

どっぺが完了し、エアコンシステムを真空引き確認。
１時間程度放置しても状態を保持しているので、どっぺはOKな感じです。
エアコンガスの充填量は、クールボックス無しの車両で実施。
システム作動状態での、ガス圧の動きは正常です。
室内の吹き出し温度は、外気温２８.８℃（そこまで暑くないですが）で、６.８℃。
充分な冷えと言えます。

ガス漏れチェックを行いOK。
作業完了となります。
今回のパーツは、お客様からご紹介頂けなかったら、これからも知る機会が出ないかもです。
とても勉強になった一件でした。
ありがとうございます。