新車試乗レポート
更新日:2022.02.02 / 掲載日:2022.02.02

【試乗レポート 三菱 アウトランダーPEHV】街中からオフロードまで好印象は変わらない

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス

 最近テレビでパジェロが走っている映像を観た。齢五十路以上の方は「えっ!」と二度見してしまうに違いない。新型アウトランダーのTVCMだ。こいつはかなりインパクトが大きい。三菱のアウトランダーに対するホンキが伺える。

 先日、フルモデルチェンジされたそんなアウトランダーを街中でテストドライブした。前回は袖ヶ浦フォレストレースウェイだったのでステアリングを握るのはこれが2度目。ただ、サーキットという特異な走行環境との違いは明らかなので興味は募る。個人的にかなり好きな走りなだけに、期待は高まるというものだ。

フラットな乗り心地とクイックな身のこなしに関心

 結論から言うとやはりいい。動き出しから高速走行まで好み。フラットな乗り心地ながら、ステアリング操作に対する反応はクイックで身のこなしも悪くない。常にタイヤの設置感があって安定した走りを提供してくれる。時としてスポーティな走りを欲すれば、十分それに応えてくれるだけのポテンシャルはありそうだ。

 こうした走りができるのは、プラットフォームが秀逸なのだと思われる。ルノー、日産、三菱が共有するグローバルプラットフォームは日産がメインで設計したそうだ。そしてそれを各社がそれぞれの好みでセッティングする。三菱はこのアウトランダーで採用したが、ルノーはコレオスやクリオに使う。

 プラットフォームの特徴はやはり堅牢さだろう。今回の走りを鑑みてもそれを実現しなければ達成できなかった。つまり、ボディを硬くして足回りのセッティングを柔らかな方向へ煮詰める手法だ。それにより、フロントはスタビとダンパーでしっかり感を出しながらストロークの長いしなやかさを両立させている。この塩梅が絶妙だ。同様にアライランスの面で言うと、運転支援システムもハード部分は日産と共有するらしい。それをベースに最終的な味付けを三菱サイドが行う。

PHEVシステムの進化は大きいがノイズ対策にもう一工夫欲しい

 それでは新たなプラグインハイブリッドシステムはどうかというと、発電能力が高められた。電動化は高効率が求められるだけに、そこは大きい。電池、モーター、発電機すべてが見直された。走行モードはこれまで同様3つ使うことができる。電気のみのEVモードとエンジンを発電機に使うシリーズモード、それとエンジン主体でモーターが走りをアシストするパラレルモードだ。パラレルモードがある分、日産よりもホンダに近い考え方だろう。高速巡航時にエンジン走行の方が効率いいとコンピューターが判断すれば、その出力をフロントアクスルにダイレクトに伝える仕組みである。

 とはいえその制御は極めて精緻で、高速道路で切り替えが行われてもわかるものではない。メータークラスター内のパワーフロー表示で認識できるレベルだ。ただ、電池の残量が少なくなり、EVモードを蓄電優先の“CHARGE”にするとエンジン音は気になる。特に信号待ちではアイドリングよりも少し回転数の高い振動とノイズがキャビンに侵入してきた。思わず窓を開けて外の音を確認したが、どうやら外よりも中の方が気になるようだ。無論対策は施しているのであろうが、もうひと工夫必要であろう。

 EVモードは“CHARGE”の他に、“NORMAL”、“EV”、“SAVE”があり、切り替えはセンターコンソールのボタンで行う。操作は簡単で間違えはないのだが、ボタンを押すたび目線を落とすのが気になった。最近のトレンドは目線の横移動で操作を完結する傾向にあるので、こうした上下移動は次なる改良ポイントにしてほしい。

存在感のあるデザイン。さらなる展開にも期待したい

 走りの印象を先に書いてしまったが、デザインも個人的に気に入っている。全体のボリューム感が高く実際の寸法よりも存在感が強い。フロントマスクも迫力があってSUVらしい力強さを表現している。この辺は、北米マーケットでウケそうだ。デトロイトスリーのSUVやピックアップを見るとわかるが、この押し出しの強さはそれと同じベクトルにある。

 それに動き出しのフィーリングやダンパーのしっかり効いた乗り味も総じてそれに近い。キャビンは快適ながらアクセルに対するグイッと前へ押し出された時のフィーリングはアメリカンなテイストだ。ちなみに、販売は日本の後、オーストラリア、ニュージーランドと続き北米へと展開されるらしい。先代まで好調な販売を見せていたヨーロッパでは売られないそうだ。理由は、会社全体の方針もあるようだが、すでにPHEVやEVが増えている彼の地におけるレギュレーション上のメリットが薄くなったのは大きいだろう。オランダでのバブルのような数字はもう見込めない。

 と言うのが今回のインプレッション。サーキットでの走り同様好印象であることは変わらない。が、最近のSUVトレンドはアウトドア色が強くなっているのも確か。その意味では18インチモデルをベースにそんな仕様を送り出してもいいだろう。三菱らしいアウトドア感の強いモデルの追加を期待したい。

三菱 アウトランダーPHEV G(電気式CVT・7人乗り)

  • ■全長×全幅×全高:4710×1860×1745mm
  • ■ホイールベース:2705mm
  • ■車両重量:2110kg
  • ■エンジン:直4DOHC+モーター
  • ■総排気量:2359cc
  • ■エンジン最高出力:133ps/5000rpm
  • ■エンジン最大トルク:19.9kgm/4300rpm
  • ■モーター最高出力前・後:116ps・136ps
  • ■モーター最大トルク前・後:26kgm・19.9kgm
  • ■ブレーキ前後:Vディスク
  • ■タイヤ前後:255/45R20
  • ■新車価格:462万1100円-532万700円(全グレード)
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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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