【試乗レポート メルセデス・ベンツ Cクラス】これが新たなるメルセデス基準

新車試乗レポート [2021.10.18 UP]

【試乗レポート メルセデス・ベンツ Cクラス】これが新たなるメルセデス基準

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス

 4桁のパスワードを入れるか、指紋認証をする。これ、ケータイの話と思いきやクルマである。近頃のメルセデス・ベンツはそんな手順が必要だ。今回ステアリングを握った新型Cクラスもそう。「操作の多くはSクラスと共通です」と試乗会での説明。確かに彼ら独自のシートのカタチをしたドア内側のスイッチでポジションを合わせる時も、操作は動かしたい方向に触れるだけ。これまでとは似て非なるものとなった……。

プレミアムコンパクトセダンのベンチマークが生まれ変わった

C 200 アバンギャルド ISG搭載モデル

 さて、新型Cクラスである。今年はVWゴルフと共に大物のモデルチェンジとなった。どちらも自動車業界のベンチマークとなるだけに、仕上がりは興味津々。もちろん出来栄えが悪いわけはないが、どう進化したかはしっかり把握したくなる。

 新型の特徴はまずはデザイン。CLSからスタートしたデザイン言語はSクラスまで波及し、こうしてCクラスに落とし込まれた。保守的なセダンがグッとモダンに感じられるのだからすごい。他のモデルを含め販売は順調のようだから、しばらくこの路線で進むのであろう。

 パワーユニットは全部で3種類。今回試乗した1.5リッター直4ターボと2リッター直4ディーゼルターボ、それと追ってラインナップされる2リッター直4ターボのプラグインハイブリッドとなる。それじゃ2つのエンジンの電動化はというと、今回も48Vマイルドハイブリッド+ISGが装備された。しかも、しっかり手を入れ軽量化と効率化が図られる。具体的にはスターターを高出力モーターとしたことで、エンジン始動時の振動などが顕著に抑えられている。

 そんな仕上がりなので、実際に走らせると排気量以上の頼もしさを感じる。204psというパワーからも想像できるように、これまでの常識であれば2リッタークラスといったところだ。しかも、その頼もしさはアクセルを力強く踏み込んだ時だけのものではなく、パーシャルなアクセルワークの時にも感じられる。高出力モーターのアシストがうまい具合にトルクを発生させ、少ないアクセル開度で走行を安定させるのだ。まさに排気量から想像するパワーの概念を覆す仕上がりである。同排気量のライバル車よりも骨太さを感じるところだ。

 コーナリング性能に関してはリアタイヤが操舵することで印象が変わった。全長やホイールベースが延びたにもかかわらずコンパクトに思えるほど扱いやすい。時速60キロ以下では逆位相し、それ以上では同位相する仕組みだ。自然な動きは新たなファンを生むことであろう。新型は大きな武器を手に入れた。このリアアクスルステアリングは選びたくなるオプションだ。

 また、乗り心地がいいのも付け加えたい。路面のいい箱根のワインディングでは雲の絨毯のようにスイスイと泳ぐように駆け抜けた。サスペンションのセッティングをどう変更したのか知らないが、これは驚きだ。高級感が増したといえよう。ホイールはAMGラインの18インチ、タイヤはピレリ チントゥラートP7を履いていた。

サイズはコンパクトだが機能はSクラスレベル

C 200 アバンギャルド ISG搭載モデル

 インパクト大なのはインテリアも同様。なんとダッシュボードセンターには11.9インチの大型メディアディスプレイが備わった。Sクラスから踏襲されたもので、違いは6度ドライバー方向に傾いているだけだ。特徴はご覧のように縦型であること。最近はボルボやスバルがこうした縦型を取り入れているが、それよりも大きく見やすい。特にナビゲーションにした場合は進行方向が広く描かれるのが利点だ。振り返れば、テスラが縦型を最初に導入したが、こうしてメルセデスが取り入れたことで業界に波及する速度は早まるであろう。確実に横長より実用性は高い。

 この他では、高速道路を主眼とした安全運転支援システムのアップグレードが目立つ。レーダーとカメラで360度にわたって自車の安全を見守るものだ。それが最新のSクラスとほぼ同等のレベルまで引き上げられているのだから恐れ入る。「Cクラスはこのレベル」といった妥協はないのだ。

 といったのが新型Cクラスの概要。見た目から走りまで高級感は明らかに高まった。その背景にはFWDをベースとするCLAの存在があるだろう。そことの差別化が進んだように思える。となると、SクラスとEクラスとCクラスは大きさの違いだけで、中身はかなり同等にしていくのかもしれない。新型Cクラスはそんな戦略が見え隠れする仕上がりになっている。

メルセデス・ベンツ C 200 アバンギャルド ISG搭載モデル(9速AT)

  • ■全長×全幅×全高:4751×1820×1438mm
  • ■ホイールベース:2865mm
  • ■車両重量:-
  • ■エンジン:直4DOHCターボ
  • ■総排気量:1496cc
  • ■最高出力:150ps/5800-6100rpm
  • ■最大トルク:30.6kgm/1800-4000rpm
  • ■ブレーキ前後:Vディスク
  • ■タイヤ前後:225/50R17
  • ■新車価格:654万円-682万円(全グレード)

執筆者プロフィール:九島辰也(くしま たつや)

自動車ジャーナリストの九島辰也氏

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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