新車試乗レポート
更新日:2021.01.29 / 掲載日:2020.12.09

【試乗レポート スバル レヴォーグ新型】今年ナンバー1に選ばれたクルマの実力をチェック!

スバル レヴォーグ

スバル レヴォーグ

文●九島辰也 写真●スバル

 2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したスバル レヴォーグ。今年のナンバー1に選ばれたこのクルマを自動車ジャーナリストの九島辰也氏がロングドライブ。リアルワールドで使った感想をレポートする。

 新型レヴォーグのステアリングを握るのはこれで3回目。1回目は日本自動車研究所のテストコース、2回目は袖ヶ浦フォレストレースウェイだった。そして今回の初公道試乗となるのだが、それぞれ目的は異なる。1回目は主にアイサイトXを、2回目は動力性能をクローズドエリアという定められた条件で体験するという内容だ。テストする上で安全を担保するのは重要なこととなる。

 1回目で印象的だったのは、ドライバーモニタリングシステム。これは専用の車内カメラがドライバーの居眠りやよそ見を感知して警報を鳴らすのだが、実用性は高そうだ。2回目では前側方プリクラッシュブレーキが気に入った。これで“うっかり事故”はなくなるだろう。スバルの安全装備はますます進化している。

 そうした安全装備と新たな動力性能を交通環境が多種多様の公道で走らせるとどうなのか、というのが今回の試乗だ。過去2回の試乗がいい感じだったので期待は募る。

STIスポーツの可変ダンパーは乗り心地に好影響

STIスポーツにはZF社製の電子制御サスペンションが採用される

STIスポーツにはZF社製の電子制御サスペンションが採用される

 では試乗のルートだが、起点は軽井沢で、鬼押出し周辺のワインディングと上信越道、関越自動車道といった高速走行がメインとなる。特に後者は新型レヴォーグを試す上での初めてのフィールドだ。クルマは可変ダンパーの付いた「STIスポーツ EX」とスタンダードの「GT-H EX」だった。ともに1.8L DOHC直噴ターボ+8速リニアトロニックという組み合わせとなる。

 走らせてすぐに感じるのは高いボディ剛性だ。これは袖ヶ浦のサーキットでも感じられたが、これまでと印象が異なる。ボディを硬く作ることでサスペンションのセッティングが柔軟に仕上げられているのだ。よって、“スポーツ”にしても“コンフォート”にしても、足の動きが滑らかで乗り心地が非常にいい。これまでの「とにかく固める!」というのとは全くの別物だ。

 で、それが今回は一般道を走ることで如実にわかった。特に感動的だったのはドライブモードを“コンフォート”にしての走り。アスファルトの割れた路面を5キロほど走ったのだが、終始キャビンはフラットに保たれ快適な空間が演出された。まさにバネ下がしっかり働いているという感覚である。

 これは、言ってしまえばかなりドイツ車的だ。というか、ドイツ車そのものの乗り味である。今回ZF社との初コラボは聞いていたが、これほどまでに完成度が高いとは思わなかった。というのも、サーキット試乗での注目は“スポーツ”、“スポーツ+”であり、“コンフォート”側にはあまり触れずにいたからだ。がしかし、こうして街中で“コンフォート”を試すとその出来栄えは想像を超えていた。このクラスでは日本一の快適さだ。

 それじゃZF社に言われたままのモノを装着したのかといえばそんなことはない。現地でのテストドライバーはすべて日本人で、スバルの実験部が何回も足を運んでつくったそうだ。つまり、これがスバルが目指すゴールなのである。

 そう考えると、今回の新型レヴォーグはやはりこの可変ダンパーを装着するSTIスポーツが、クルマを走らす上での醍醐味であり、オススメだと思う。特にクルマの性格上、長距離ドライブが頻繁に行われそうだから、この優位性は高い。実際、軽井沢から東京までの高速走行でもいろいろなモードを試したが、“コンフォート”が一番気に入った。きっとリアシートに座ったらさらにそう思うに違いないだろう。ロングドライブでの快適性はそのまま疲労に直結するので、この辺は重要ポイントだ。

  • 「アイサイトX」はカメラや衛星などの情報から総合的に状態を判断し、安全で快適なツーリングをサポートする

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  • 1.8L水平対向4気筒ターボは、日常からスポーツ走行まで充分なパワーを提供

    1.8L水平対向4気筒ターボは、日常からスポーツ走行まで充分なパワーを提供

  • 切削光輝+黒塗装仕上げのSTIスポーツ専用ホイール。タイヤサイズは225/45R18

    切削光輝+黒塗装仕上げのSTIスポーツ専用ホイール。タイヤサイズは225/45R18

  • インテリアもSTIスポーツは特別な演出が施されており、ボルドー×ブラックの本革シートが備わる

    インテリアもSTIスポーツは特別な演出が施されており、ボルドー×ブラックの本革シートが備わる

縦型のインフォテインメントシステムは実用的

インテリアの質感も大幅にレベルアップ。インフォテインメント機能も一新された

インテリアの質感も大幅にレベルアップ。インフォテインメント機能も一新された

 この他では、縦型のセンターディスプレイの使い良さが目立った。縦型モニターは市販車ではテスラやボルボが採用しているが、実用性は高い。特にナビ画面ではそれが顕著に表れると思う。行き先を追うスペースが広いのだから当然だ。それに操作表示のひとつひとつのピクトグラムもわかりやすくていい。

 というのが新型レヴォーグ3回目のテストドライブの概要だが、仕上がりはかなりいいことがわかった。スバルらしいこだわりがギュッと凝縮して詰まっている一台である。

スバル レヴォーグ STIスポーツ EX

■全長×全幅×全高:4755×1795×1500mm
■ホイールベース:2670mm
■トレッド前/後:1550/1545mm
■車両重量:1580kg
■エンジン:水平対向4DOHCターボ
■総排気量:1795cc
■最高出力:177ps/5200-5600rpm
■最大トルク:30.6kgm/1600-3600rpm
■サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン
■ブレーキ前後:Vディスク
■タイヤ前後:225/45R18

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グーネットマガジン編集部

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