新車試乗レポート
更新日:2019.04.25 / 掲載日:2019.03.06
VOLKSWAGEN 雪上試乗会@斑尾


フォルクスワーゲンが長野県・斑尾で雪上試乗会を開催。降りしきる雪の中、TDI×4モーションの実力をチェックした。
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之
扱いやすく確実に進む。安心と信頼がVWらしさ

パワートレーンは速度域に影響されにくい使いやすさ、シャシー性能では安定性を重視、パッケージングではボディ形状の特徴を活かしたセオリー型、という具合にVWの考え方は堅実である。これは4WDも変わらない。多板クラッチの締結力により後輪へのトルク伝達を制御する電子制御式は定番型だが、FF車の基本特性を維持しながら雪道でも「コースアウトさせない」「スタックさせない」ように4WDを用いる。
急加速や転舵時は先読みで4WDクラッチの締結力を立ち上げる制御も行われているようだが、どちらかというと控え目である。トラコンや横滑り防止装置を先行させて、4輪のグリップ回復を優先させる感覚だ。ESPを切ってちょっと滑らせてスリップアングルを意図的にコントロール、といった小技は利きにくいタイプだが、安心感のある特性である。
雪上モーグル路では穴にはまった状態からも難なく発進。低い回転域で使いやすいディーゼルのトルクコントロールも効いているが、無駄なホイールスピンなしで済ます制御も巧みである。操縦性も踏破性も、雪上走行に不慣れなドライバーでも運転や精神的な負担が少ない特性が印象的だった。
2.0TDI

2系統EGRや尿素SCRを備える、2L直4のEA288型ディーゼルエンジン。400Nmの大トルクを1900~3300rpmにわたって発生させる。
4MOTION


フォルクワーゲンの4モーションは、前後トルク配分を状況に合わせて変化させる、トルクオンデマンド型のフルタイム4WDだ。
同一パワートレーンの2モデルに試乗
試乗会に用意されたのはコンパクトSUVのティグアンと、TDI 4モーションのみが設定されるパサートオールトラック。ともにディーゼル×4WDが似合う、レジャー向きの2台だ。

試乗車はともにミシュランのスタッドレスタイヤ「X‐ICE」シリーズを装着。
【ここも注目!】ウインターレジャーにうれしい仕様
最も安いベースグレードを除き、パサートオールトラックもティグアンもヘッドライトウォッシャーを装備している。
ティグアンはフロア下までドアが覆う。冬場の雪はもちろん、レジャー先で泥はねなどがあっても、裾の汚れも気にならない。