新車試乗レポート
更新日:2018.11.25 / 掲載日:2018.07.26
HONDA クラリティPHEV 試乗インプレッション
●文:川島茂夫●写真:奥隅圭之
HONDA クラリティPHEV

●発売日:7月20日●価格:588万600円●販売店:ホンダカーズ全店●問い合わせ先:0120-112010
主要諸元(クラリティPHEV)
●全長×全幅×全高(mm):4915×1875×1480●ホイールベース(mm):2750●車両重量(kg):1850●駆動方式:FF●パワートレーン:1496cc直4DOHC(105PS/13.7kg・m)+モーター(135KW/315N・m)●トランスミッション:CVT●JC08モードハイブリッド燃料消費率(km/L):28.0●燃料タンク容量(L):26[レギュラー]●駆動バッテリー:リチウムイオン電池(310.8V)●最小回転半径(m):5.7
プレミアムセダンと呼べる上質な走り
クラリティと言えば燃料電池車の印象が強いが、燃料電池に限らずホンダ電動車の先達として位置付けられる。PHEVはハイブリッドをどこまで電気自動車に近づけるかを基本コンセプトに開発されている。満充電時のEV航続距離は100km以上であり、レンジエクステンダーと呼べる程ではないが、思想的には近似である。もちろん、急速充電にも対応している。
駆動方式はアコードやオデッセイにも使われているi‐MMD。エンジンを発電機として用いるシリーズ式ハイブリッドに高速巡航用にエンジンによる直動機構を備えているのが特徴だ。しかし、電動/内燃機の使い方は前記2車とちょっと違っている。
エンジンはアトキンソンサイクルの1・5Lにダウンサイジング。電動モーター駆動を基本とし、蓄電量が少ないと如何にも発電機らしくエンジンを稼働する。アコード等ではパラレル式的なエンジン制御を行っているが、クラリティはあくまでも発電効率優先。エンジンの使い方もレンジエクステンダー的だ。
十分な蓄電量がある時のクラリティは発進から力強く、高速まで細ることのない加速感はまさに電気自動車である。この動力性能を維持するためにエンジンは小まめに充電を行う。余程の長く連続した上り坂でもない限り、蓄電量が不足することはないだろう。
フットワークも見所のひとつ。重質な乗り心地とアジャイルハンドリングアシストがもたらす素直な操縦性は走りの車格感や信頼感でホンダ車のトップレベル。プレミアムセダンと呼ぶに相応しい。
大人4名が長時間過ごすに十分な居住スペースや広い荷室など同クラスのセダン相応な実用性も備わり、アコードからの乗り換えにも対応できる。電気自動車時代を先取りしたいユーザーの現実的な選択と言えよう。

低全高フォルムの先進的で美しいストリームラインデザインを持つボディ。5人乗車可能な居住空間を備えたキャビンスペースを実現している。

直列4気筒1.5Lアトキンソンサイクルエンジンと2モーターハイブリッドシステムを組み合わせたパワーユニット。

先進的かつ水平基調による寛ぎの空間が調和したインパネデザイン。8インチワイドディスプレイを採用。

専用のアプリにより、スマートフォンでバッテリーの残量確認やエアコンのオン・オフの遠隔操作などが可能。
提供元:月刊自家用車