新車試乗レポート
更新日:2018.10.16 / 掲載日:2018.07.26
HONDA S660ModuloX 試乗インプレッション
●文:川島茂夫●写真:奥隅圭之
HONDA S660 ModuloX

●発売日:7月6日●価格:285万120円●販売店:ホンダカーズ全店●問い合わせ先:0120-112010
主要諸元(S660ModuloX)
●全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1180●ホイールベース(mm):2285●車両重量(kg):830●駆動方式:MR●パワートレーン:658cc直3DOHC(64PS/10.6kg・m)●トランスミッション:6MT●JC08モード燃費(km/L):21.2●燃料タンク容量(L):25[レギュラー]●最小回転半径(m):4.8(持ち込み車検)
S660をホンダ・アクセスがカスタマイズ
軽乗用にしてミッドシップの本格スポーツカーがS660。業界自主規制で最高出力が抑えられているため、動力性能は程々のレベルでしかないが、内外装の雰囲気も運転感覚もスポーツカーそのもの。それをホンダ・アクセスがカスタマイズした試乗車である。
S660の標準車は高速コーナリングの安定のために徹底したサスチューニングが施され、タイトターンでの旋回性はトルクベクタリングを応用したアジャイルハンドリングアシストにより補う。その結果、タイトターンから高速コーナーまで同じような操縦特性を示す。ライントレース性のよさはスポーツカー全般でも際立っている。
モデューロXの基本操縦特性も標準車と同じく、コーナーの大小、速度域に影響されにくいライントレース性を特徴とする。しかし、細かな挙動やその収束性が段違いなのである。操舵初期回頭反応は標準車が「ヒョイ」なら、モデューロXは「グイッ」という感じ。操縦感覚全般でそんな違いがある。操作した分だけ確実に反応し、不要な挙動が見事に抑えられていた。
減衰の利いた接地感のよさ。多少のうねりや段差でも弾かれない。まるで車体が一回り大きく重くなったようにも思える。ハードサスといっても、接地性がよく上下動の揺れ残りがないので、標準車よりも乗り心地の質感も向上している。
もうひとつ見逃せないのが高速直進安定性。強風の高速道路で試したが、大雑把に中立を維持していれば済んでしまう。空力改善は特徴のひとつだが、これほどの効果があるとは思わなかった。
価格は標準車のαの約66万円高。割合にすると30%増。軽乗用に300万円近い投資は考えものだが、乗ってしまうと、「それだけ払っても」と納得させる差がある。
ロールトップはオリジナルのボルドーレッド。
リヤには専用のガーニーフラップ付きアクティブスポイラーを採用している。

ブレーキはスポーツブレーキパッドとドリルドタイプディスクローターの組み合わせ。サスペンションは5段階減衰力調整機能付き。
各所にボルドーレッドを配したインパネデザイン。シートもボルドーレッドとブラックの組み合わせにModuloXのロゴが入っている。
提供元:月刊自家用車