新車試乗レポート
更新日:2018.10.23 / 掲載日:2016.06.16
クライスラー 300 S 試乗レポート

スポーティなルックスが魅力の新型300S
アメリカンフルサイズとして知るひとぞ知る個性派セダンが「300」。そのルーツは1999年に登場した300Mだ。しかし、300Mもまた50~60年代に存在したC300から300Lまでの「レターカー」と呼ばれた一連のモデルが起源なわけだから、「300」というモデルはクライスラーにとって由緒ある名称と言える。
ビッグFFセダンの300Mは、日本にも導入されたが知名度という意味では大成功とは言えなかった。しかし、2005年に登場した次の「300C」は、フルサイズとしては大ヒット。そのカギとなったのは、欧州車にも劣らぬ足腰を持つ新世代FRシャシーとレトロモダンなスタイルで、室内は広いが走りは緩いというアメ車観を払拭することに成功している。2012年には外観を一新した現行型が登場し、日本での車名は本国と同じく「300」に変更。そして昨年末、各部がアップデートされたマイチェン版が登場した。

そこでの改良は、内外装のリニューアルがおもなトピック。ブラックのグリルを採用したほか、前後ライトの意匠を変更して一段とスポーティに。グレード体系は今回紹介する「S」と「SRT8」というスポーツモデルに集約され、趣味性がグッと高められた。
ではその走りの実力は? 今回はメカニズムに大きな変更点はなく、「S」には従来同様3.6L V6が積まれる。このエンジンは同社の主力ユニットで、省燃費と滑らかな回転フィールがウリ。8速ATの変速も滑らかで、街なかでは早めのシフトアップを行って燃費を抑えるが、アクセルペダルでムチを入れれば即座に応えてくれる懐の深さがある。1880kgのヘビー級でもストレスを感じることはないはずだ。
ところでフルサイズと言うと、「混雑した街なかでは厳しい?」と心配になるが、スクエアで見切りのよいボディと、セダンとしてはアップライトなドラポジで取りまわしは悪くない。アメ車好きだけでなく、もっと広いユーザーにも受け入れられそうな1台だ。
文●GooWORLD 写真●澤田和久、北川 泉
問い合わせ クライスラーヘルプデスク TEL:0120-300-813
Detail Check
コックピット
コックピット
改良前でも十分高品質だったが、今回のマイナーチェンジでインパネの素材が変更されて質感が向上。ナビゲーションやセンターパネルのデザインが変更されたほか、変速操作がロータリーシフターになったのも特徴。
インテリア
インテリア
アメ車らしい大ぶりのシートを装着。写真の「S」は本革シートが標準。後席の快適性も高い。今回の改良でプレミアムスピーカーが標準設定となったのも特筆すべき点。
エンジン
エンジン
ペンタスターと呼ばれる3.6L V6ユニット。最高出力は286馬力と必要十分。高回転域でもスムーズで、静粛性が高いのが特徴。
トランクルーム
トランクルーム
トランクルームは広大で、大容量を誇る。家族4人での旅行程度なら十分すぎる広さ。フルサイズセダンの強みと言える。
主要諸元:クライスラー 300S(8速AT)
全長×全幅×全高 | 5070×1905×1495mm |
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ホイールベース | 3050mm |
トレッド前/後 | 1625/1640mm |
車両重量 | 1880kg |
エンジン | V6DOHC |
総排気量 | 3604cc |
最高出力 | 286ps/6350rpm |
最大トルク | 34.7kg m/4650rpm |
サスペンション前/後 | ウィッシュボーン/5リンク |
ブレーキ前後 | ディスク |
タイヤサイズ前・後 | 245/45ZR20 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2015年10月)
300S(8速AT) | 577万8000円 |
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Body Color
□アイボリートライコートパール ■レッドライン3コートパール ■グロスブラック |