新車試乗レポート
掲載日:2013.02.21 / 更新日:2014.09.24
クライスラー イプシロン 試乗レポート

文●九島辰也 写真●GooWORLD 問い合せ クライスラー・ジープ・ダッジコール TEL:0120-712-812
「これはPTクルーザーの後継モデルですか?」
先日、撮影中にカメラマンからそんな質問を受けた。たしかに、そういわれてみればそう見えなくもない。ちょっぴりクラシカルで存在感のあるフロントマスクとハッチバックスタイルは、PTクルーザーとの共通項とも思えるが、その後継モデルではない。
それじゃナニモノかといえば、「イプシロン」という名前からもすでにおわかりだと思うが、ランチア・イプシロンのバッジ違いとなる。要するに同じフィアットグループの一員となったクライスラー用に、新たに仕立てられたコンパクトモデルということだ。ハードウエアから装備に至るまで、ランチア版を踏襲するが、フロント周りのデザインとバッジはクライスラー独自のもの。
1990年代の半ば、フィアットグループの高級車ブランドであるランチアからリリースされたプレミアムコンパクトのイプシロンは、その洗練されたセンスで人気を集めている。

さて、このクライスラー版のイプシロンでも、目玉となるのはやはり900cc直列2気筒のターボエンジンだろう。ツインエアと呼ばれるそれは2011年にエンジンオブザイヤーに輝いた、斬新な発想のエコなユニットだ。フィアット500にも積まれ、多くの支持を得ているのはご存知のとおり。パワーを維持しながら環境にもやさしいという究極のダウンサイジングエンジンなのである。
走りのパフォーマンスについては、なんら不満を感じることはなかった。今回の試乗はひとり乗りだったとはいえ、出だしからスムーズで高速域でももたつくという場面はなかった。
ところで、今回はゴールドとプラチナという2つのグレードが用意された。違いは装備の中身でハードは同じ。価格も抑えられたことから、どちらも魅力的な存在であることは間違いない。
Detail Check
コックピット
コックピット
デザインはランチア版を踏襲。センターパネルにピアノブラックを持ち込むなど高級感があるが、インダッシュのナビゲーションシステムはない。日本仕様は右ハンドルのみの設定。両グレードとも本革ステアリングを装備。
エンジン
エンジン
エンジンは900cc直列2気筒ターボの1種類。実力はすでにフィアット500で披露済み。少々振動は大きいが思いのほか力強い。アイドリングストップ機構も備えた低燃費が光る。
インテリア
インテリア
定員は5名。シート地はファブリックがゴールド、レザー(一部合皮)がプラチナという設定。パッケージング効率が重視されていながら、座り心地も上々。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
カーゴスペースはこんな感じ。5ドアハッチバックスタイルなのでそれほど広くはない。もちろん6対4の分割可倒式のリヤシートを畳めば、それなりになるのは言わずもがなだ。
主要諸元:クライスラー イプシロン ゴールド(5速AT デュアルファンクション)
全長×全幅×全高 | 3835×1675×1520mm |
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ホイールベース | 2390mm |
トレッド前/後 | 1415/1410mm |
車両重量 | 1090kg |
エンジン | 直2マルチエアターボ |
総排気量 | 875cc |
最高出力 | 85ps/5500rpm |
最大トルク | 14.8kg m/1900rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/トーションビーム |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ドラム |
タイヤサイズ前後 | 185/55R15 |
全国メーカー希望小売価格(発売・発表 2012年11月・12月)
コルベット クーペ(7速MT/6速AT) | 918万2000円/929万円 |
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コルベット クーペ Z51(7速MT/6速AT) | 1088万2000円/1099万円 |
ゴールド(5速AT デュアルファンクション) | 235万円 |
プラチナ(5速AT デュアルファンクション) | 260万円 |