新車試乗レポート
更新日:2018.11.10 / 掲載日:2016.06.16
ボルボ S60 T3 試乗レポート

なめらかな走りはエントリーという領域を超える
ブランドの方針として、エンジンを最大でも2L以下の直4とすることを新型「DRIVE-Eパワートレーン」発表時に宣言したボルボ。直4エンジンをベースに、過給器やモーターを組み合わせることで、小型ハッチバックから大型SUVまで、ラインアップのすべてを補うという戦略だ。
この戦略には、高まるCO2排出規制に対応するという側面に加え、開発リソースの集中による高性能化というねらいもあった。新型エンジンが十分なポテンシャルを発揮できるという自信が、ボルボのエンジニアおよび経営陣にあったということだろう。そして、そのねらいが正しかったことは、新プラットフォームの第1弾であるXC90(もちろん2L直4ベース)が世界中でヒットとなっている事実からも裏付けられている。

そんな新型「DRIVE-Eパワートレーン」は、出力と性格に応じて、ガソリンエンジンがT3、T4、T5、T6、T8、ディーゼルがD4と展開。ここで紹介するT3は、2Lエンジンのストロークを減らして排気量を1497ccまで縮小、ターボと組み合わせることで、最高出力152馬力、最大トルク25.5kg mという十分なパワーと16.5km/Lというコンパクトカー並みの低燃費を両立させたのがポイントになる。
新エンジンを搭載したS60 T3に乗り込んだ際の最初の印象は、クルマが軽く、しなやかというもの。実際の車重も軽いのだが、それ以上にパワートレーンの存在感がいい意味で薄く、控えめということ。トランスミッションもT3のみ6速(T5、T6は8速)ではあるものの、ギヤ比が適切でシフトショックも少ないため、街なかはまったくのストレスフリー。T5やT6と乗り比べればパワーの違いは歴然だが、通常の使い方で不満を覚えることはそうそうない。
あとはD4との価格差、約20万円をどう考えるか。ガソリン派ならばT3は賢い選択肢になるはずだ。
文●GooWORLD 写真●川崎泰輝
問い合わせ ボルボ お客様相談室 TEL:0120-922-662
Detail Check
コックピット
コックピット
歩行者・サイクリスト検知機能付追突回避・軽減フルオートブレーキシステムに代表される10種類の先進的な安全技術「インテリセーフ」を装備。同クラスのモデルと比べても、標準装備の充実度には目をみはる。
インテリア
インテリア
すべての席で等しく高い安全性を約束するのがボルボ。前席にはとくに高度な装備を多数盛り込んでいる。撮影車はオプションのレザーパッケージ装着車で、調整機構も電動。
エンジン
エンジン
高効率を追求した1.5L 4気筒エンジン。小型のターボと直噴システムを組み合わせることで、低燃費とパワーを両立した。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
6対4分割のリヤシートバックは荷室側にあるレバーでも展開可能。3ボックスのセダンとしては標準的な使い勝手。
主要諸元:ボルボ S60 T3 SE(6速AT)
全長×全幅×全高 | 4635×1845×1480mm |
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ホイールベース | 2775mm |
トレッド前/後 | 1590/1585mm |
車両重量 | 1580kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1497cc |
最高出力 | 152ps/5000rpm |
最大トルク | 25.5kg m/1700-4000rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/マルチリンク |
ブレーキ前後 | ディスク |
タイヤサイズ前・後 | 215/50R17 |
全国メーカー希望小売価格(S60全グレード)(発売 2016年2月)
S60 T3 SE(6速AT) | 434万円 |
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S60 D4 SE(8速AT) | 459万円 |
S60 D4 Rデザイン(8速AT) | 529万円 |
S60 T5 SE(8速AT) | 515万円 |
S60 T5 Rデザイン(8速AT) | 554万円 |
S60 T6 AWD Rデザイン(8速AT) | 614万円 |
Body Color
□クリスタルホワイトパール ■ブライトシルバーM ■マジックブルーM ■エンバーブラックM ■オニキスブラックM □アイスホワイト |