新車試乗レポート
更新日:2020.04.03 / 掲載日:2013.12.19
ボルボ S60 試乗レポート
洗練を重ねたミドル級セダンの注目株
今や“いいクルマ”というだけではユーザーは満足しない。ハードウェアが優れているのは当たり前。走行性能に優れ、低燃費というだけでは、ライバルから一歩先を行くことは難しい時代だ。そこでボルボが注力したのが、安全性とデザインだった。その考え方が正しかったのは、XC60から始まった60シリーズとその後の40シリーズの成功を見ればあきらか。さらに言えば、内容に対してリーズナブルなプライスも人気に寄与しているのは間違いない。
輸入車マーケットにおけるミディアムセダンは人気のあるボリュームゾーン。そのエントリーモデルの価格は400万円半ばというのが相場だ。それに対してS60 T4は1.6L4気筒ターボを搭載し、価格はベーシックなT4で379万円。これは昨年モデルまでに比べて20万円ディスカウントされた価格となる。テスト車はその装備充実版であるT4 SEで、HDDナビや電動調整式シート、パドルシフトなどを装備する基幹グレード。こちらは409万円。
昨今安全装備の充実、とくに衝突軽減ブレーキの採用については各社積極的だが、ここで一日の長を見せるのがボルボのシステム。20万円のセーフティ・パッケージは、さらに進化を遂げている。もっとも大きな進化は、歩行者検知機能付追突回避・軽減フルーオートブレーキ(ヒューマン・セーフティ)が自転車も検知可能となったこと。さらに対向車を検知してヘッドライトの配光を可変させることで、つねにハイビーム状態を保つフル・アクティブ・ハイビームの採用も画期的だ。駐車場での後退時の死角をレーダーで監視するクロストラフィックアラートも、実社会での安全を考えるボルボならではのアイデアだと言えるだろう。
最後に試乗での印象を手短にまとめると、すっきりとしていて過不足を感じさせない、実直かつ軽快な乗り味であった。きっと長く愛用できるはずだ。
文●GooWORLD 写真●内藤敬仁
問い合せ ボルボ・フリーダイヤル TEL:0120-55-8500
Detail Check
コックピット
コックピット
本革巻きステアリングは全グレードに標準で、写真のTEではさらに華飾パネルとヒーター、そして感応式パワーステアリングが備わる。デジタル液晶メーターパネルは、3つのテーマからデザインが選択可能だ。
インテリア
インテリア
本革シートはT6に標準でT4では25万円のパッケージオプションとなる。こちらを選択すると助手席も8ウェイの電動調整式シートとなり、12セグ地上デジタルTVも備わる。
エンジン
エンジン
1.6Lの排気量から180馬力と24.5kgmのトルクを発生させるインタークーラー付ターボチャージャー仕様のB4164T型エンジン。ブレーキエネルギー回生システムなどの燃費対策を採用する。
フロントグリルにはレーダーが組み込まれているが、2014年モデルからは、表面のカバーが変更され、より自然でスタイリッシュな印象となっている。
主要諸元:ボルボ S60 T4 SE(6速AT)
全長×全幅×全高 | 4635×1845×1480mm |
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ホイールベース | 2775mm |
トレッド前/後 | 1590/1585mm |
車両重量 | 1815kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1595cc |
最高出力 | 180ps/5700rpm |
最大トルク | 24.5kg m/1600‐5000rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/マルチリンク |
ブレーキ前後 | ディスク |
タイヤサイズ前後 | 215/50R17 |
全国メーカー希望小売価格(発表・発売 2013年8月 マイナーチェンジ)
S60 T4(6速AT) | 379万円 |
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S60 T4 SE(6速AT) | 409万円 |
S60 T6 AWD(6速AT) | 539万円 |
Body Color
□クリスタルホワイトパール ■ブライトシルバーメタリック ■パワーブルーメタリック ■エンバーブラックメタリック ■ブラックサファイヤメタリック □アイスホワイト |