新車試乗レポート
更新日:2026.06.29 / 掲載日:2026.06.29

Q3スポーツバックはスタイリッシュな新世代アウディ【九島辰也】

文●九島辰也 写真●アウディ

 近年ブランドとしての存在は地味だが、昨年あたりからアウディはクオリティの高いモデルを輩出している。2025年はA6 e-tronやガソリンエンジンのA5、Q5などがリリースされ、気持ちのいい走りを体感させてくれた。デザインもアウディらしい二枚目感が蘇り、「かっこいいアウディが戻ってきた」という印象を受けた。

3代目へのフルモデルチェンジで全方位的に進化

アウディ Q3スポーツバック

 今回ステアリングを握ったQ3もその延長線上にある。新世代を感じさせるフロントマスクは大胆な装いとなるが、決して違和感はない。上品さを持ちながらのアグレッシブな雰囲気は、まさに彼ららしく仕上がっている。

 もちろん、Q3はドル箱であることからハズすわけにはいかない。2011年の初代モデル以降、全世界の累計台数は200万台以上を数える。よって正常進化であることは言わずもがな。気を衒ってマーケットにそっぽを向かれると、会社は傾いてしまう。

 では3世代目にフルモデルチェンした新型の目玉はどこにあるのか。特筆すべきはデザイン、シャシー、電子デバイス、それとインターフェイスだろう。VWグループ内の英知を合わせ完成させた。ドライバーアシスタンスシステムの充実は、まさにそんなところである。

アウディ Q3スポーツバック

 実際にこのクルマに触れて感じたことから話を進めよう。試乗車はスポーツバックの2Lターボガソリンエンジンを積んだTFSIクワトロだった。クーペライクなシルエットがかっこいいスポーツバックの日本での人気は高く、スタンダードボディよりも多く売れているそうだ。

操作系を見直して使いやすさをレベルアップ

アウディ Q3スポーツバック

 ドライバーズシートに座って驚いたのは、ギアのシフトレバーの位置がハンドルの横に移動していた点。メルセデスがすでに何年も前から採用しているように、国産車で言うところの右のウィンカーレバーの位置にそれがある。しかも操作方法は同じ。下に下げればDレンジ、先っぽを押せばパーキングに入る。

アウディ Q3スポーツバック

 ではなぜ、そこへ移したのか。

 その理由をアウディジャパンの担当者に伺うと、どうやらセンターコンソールを広く使いたいのが目的らしい。そこからシフトレバーを無くすことで、ケータイ電話の置き場所と2つの大きなカップホルダーを備えたかったと言う。さらに、メルセデス以外にも電気自動車がそこにレバーを置いていることが関係する。確かヒョンデがそうだったような。要するにセンターコンソールのスペース確保とマーケットがレバー式を受け入れたことが要因だ。この方式はQ3からスタートし、今後他のモデルに広がることだろう。

アウディ Q3スポーツバック

 ついでに言うと、ステアリング左側のウィンカーレバーの形状も変わっている。長細いレバーが個性的な形に入れ替わった。で、この使い勝手が予想以上にいい。操作しやすい位置にあり、しっかりした感触を得られる。これは好印象だ。

上質な走りを生み出す2バルブ式電子制御ダンピングコントロール

アウディ Q3スポーツバック

 走り出してからは2つのことが強調された。正確な操作ができるステアリングと乗り心地の良さだ。

 後者に関しては2バルブ式の電子制御ダンピングコントロールが一役買っている。伸び側と縮み側を独立して制御する2バルブ構造のダンパーが高級感ある乗り心地を提供してくれるのだ。具体的には細かな振動を抑え、キャビンをフラットにする。特に、ドライブセレクトでその変化が大きく代わり、路面に見合った理想的なフィールをドライバーに与える。“コンフォート”ではマイルドに、“ダイナミック”では硬めでスポーティな味付けになる。

アウディ Q3スポーツバック

 このシステムはアウディではe-tron GTに続き2台目の搭載だそうだ。その意味からもQ3が大切なクルマであることがわかる。VWブランドでは“DCC pro”の名前で、ティグアンやパサートに採用されている。

アウディ Q3スポーツバック

 そのダイナミックセレクトは5つのモードに分けられる。バランス/ダイナミック/コンフォート/エフィシェンシー/オフロードプラスと言うように。デフォルトは“バランス”だが、個人的には“コンフォート”が好み。ストロークが長く路面からの入力が少ない。言うなれば上質だ。ちなみに、“ダイナミック”ではエンジン音を作っているのに気づいた。もちろんそもそもガソリンエンジンなのだが、それを演出しているのだ。この辺はきっとユーロ7の規制が関係しているのだろう。ユーロ7は排ガス以外にも騒音やタイヤの粉塵なども規制対象に入る。

アウディ Q3スポーツバック

SUVスタイルの「Q3」やリーズナブルなFFモデルも用意

アウディ Q3・Q3スポーツバック

 Q3にはスタンダードボディとスポーツバックがあり、このエンジンの他に1.5リッター直4ターボのマイルドハイブリッドがある。こちらの駆動方式はFWD。価格ではこちらを選びたいところだが、「アウディ=クワトロ」の図式はやはり魅力である。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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