新車試乗レポート
更新日:2026.05.01 / 掲載日:2026.05.01
新型ヤリスの実力をチェック!《公道試乗&改良内容解説》
トヨタのベストセラーモデル「ヤリス」が、この春に最新改良を受けた。騒音対策を含めた装備機能のアップデートがされた改良モデルはどのような進化を遂げたのだろうか?
●文:まるも亜希子 ●写真:奥隅圭之
※本記事の内容は月刊自家用車2026年6月号制作時点(2025年4月中旬)のものです。
熟成が進むベストセラーコンパクト。最新モデルの実力に迫る
使い勝手を高めた実のある改良を実施
発売以来、常に販売台数上位を守る人気モデルのヤリス。欧州カー・オブ・ザ・イヤーの受賞や、高性能版であるGRヤリスの国内外モータースポーツでの活躍など、日本のコンパクトカーの実力と可能性を世界に届ける貴重な存在だ。それは、当時社長だった豊田章男現会長が推し進めてきたトヨタのものづくり改革、TNGAにおいて「もっといいクルマづくりの原点はコンパクトカーにある」という、開発への妥協なきこだわりが注がれてきたからだろう。
後席スペースが多少狭くなってもギュッとリヤをすぼめた躍動感のあるデザインとし、最新のプラットフォームやパワートレーンを搭載して走りの楽しさも突き詰めてきた。結果として、購入した人の満足度が高まり、さらに多くの人に受け入れられる魅力的なコンパクトカーとしての評価を不動のものとした。
また、高度駐車支援システム「アドバンストパーク」や交差点右左折時の横断歩行者まで検知するトヨタセーフティセンスなど、ヤリスは当初から時代を先取りした先進装備を取り入れており、快適装備や乗り心地などについても毎年といっていいほどの改良を受け磨かれてきた。一方で、ビギナーから熟練ドライバーまでさまざまな人が安心して運転できるよう、誤操作につながりやすい装備については、ある程度の一般的な認知度や需要度が定着するまで、採用を慎重に見極めてきた印象がある。
今回の改良では、満を持してといった感のある「電動パーキングブレーキ・ブレーキホールド機能」がハイブリッド車に標準装備となった。改良前のモデルでは、パーキングブレーキレバーを引き上げる操作が必要だったが、改良後の試乗車はカップホルダーに隣接して配置された小さなスイッチとなっており、見た目にもスッキリ。指でサッと操作できるようになっている。長い信号待ちなどでずっとブレーキペダルを踏み続けなくても停止状態を保持してくれる、ブレーキホールド機能もありがたい。
これは、渋滞時やショッピングモールの自走式立体駐車場などで、上り坂の途中で停車をしなければならないシーンでも、緊張や疲れによる負担を軽減してくれるはず。日常のさまざまなシーンで恩恵を受けられる機能であり、なによりブレーキホールドという機能が一般的に認知されたことが採用となった理由だろう。
大きくなったディスプレイ。見やすく操作もより便利へ
またZグレードには、大型の10.5インチディスプレイオーディオ(コネクテッドナビ対応)Plusが標準装備となっている。従来でもそれほど小さくはないと感じていたが、今回はコンパクトカークラス最大級の画面サイズとなり、見やすさ抜群。機能アイコンが大きいのでタッチ操作も迷いにくく、サッと指で操作できてストレスなく使いやすい。試乗は都心から首都高速に入り、東京湾アクアラインを通って千葉を目指したが、ナビの案内がとても見やすくなっていることも印象的だ。
見えない部分でも、エンジンアンダーカバーやトンネルインシュレータ等を吸音する材質に変更。試乗日はあいにく雨風が強かったので風切り音が大きめだったのだが、それを差し引いても室内に届くロードノイズは抑えられ、上り坂や追い越し加速の際に聞こえるエンジン音も小さくなった印象だ。
もともとヤリスのハイブリッドモデルは、発進時など多くのシーンでモーター走行をしてくれるため、コンパクトクラスとは思えない上質感があったが、この改良でさらに室内空間の快適性が高まり、もはや円熟の域。両立が難しい、走る楽しさと快適性を叶えた数少ないコンパクトカーだ。
TOYOTA 新型ヤリス

■主要諸元(ハイブリッドZ 2WD) ●全長×全幅×全高: 3950×1695×1495㎜ ●ホイールベース:2550㎜ ●車両重量:1090㎏ ●乗車定員:5名 ●パワーユニット:1490㏄直列3気筒DOHC(91PS/12.2㎏-m)+モーター(59㎾/141Nm) ●駆動方式:2WD ●WLTCモード総合燃費:35.4㎞/ℓ ●ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング ●サスペンション(前/後):マクファーソンストラット式/トーションビーム式 ●タイヤ:185/65R15 ●車両本体価格:266万9700円








