新車試乗レポート
更新日:2018.11.12 / 掲載日:2009.08.14
メルセデス・ベンツ Sクラス 試乗レポート(2009年08月)
メルセデス・ベンツ Sクラス 試乗レポート
海外試乗
ドイツ/シュツットガルト/日本導入時期/2009年秋予定
メルセデス・ベンツ日本 TEL:0120-190-610
文:九島辰也 写真:メルセデス・ベンツ日本
■クラス最高峰の環境性能を手にするハイブリッドモデルを投入
新型Eクラスがデビューした今年、フラッグシップサルーンのSクラスもマイナーチェンジで進化した。本国で発表されたラインアップは全部で7種類あり、ディーゼルエンジンでは、S350CDI BlueEFFICIENCY(ブルーエフィシエンシー)とS450CDI、ガソリンエンジンでは、V6のS350、V8のS450とS500、V12のS600。そして、今回の目玉となるハイブリッドのS400ハイブリッドが加わった。目立つのはやはり環境系ユニット。日本仕様のラインアップは未定だが、ハイブリッドは投入されるだろう。
■ドライビング/ユーティリティ
マイチェンしたSクラスのエクステリアは、グレードにもよるがフロントバンパー脇のフォグランプがLEDとなり、リヤのコンビネーションランプから横のラインが消え52個のLEDが内蔵された。それとドアミラーのウインカーレンズ部分の形状が変わっている。どれも光りモノ系で、夜にならないと違いはわかりにくい。
では、注目のS400ハイブリッドはどんなクルマなのか?
パワーソースは3.5L V6で、最高出力は279ps、それに出力20psの電気モーターを足したものとなる。燃費値は7.9L/100km、二酸化炭素排出量はわずか186g/kmという、クラスの世界最高峰の環境性能を実現した。このモーターはあくまでもエンジンのサポート用で、単体でクルマを動かすものではない。要するにトヨタ・プリウスよりホンダ・インサイトに近いシステムだ。
その走りは、電気モーターのサポートが低速から中速で効果的に効くため、出足は至ってスムーズ。3.5L以上の排気量を感じさせる。ただ、それも慣れてくると電気モーターだけで走ることはないので、ハイブリッド車であることを忘れてしまう。もともとSクラスはドライバーに強烈なフィールを与えるクルマではないが、それにしてもナチュラルなフィーリングは格別だ。
■インテリア/エクステリア写真[1]
ダッシュパネルの造形は変わらない。コラム式のシフトレバーも同じ。ただ、ナイトビューアシストなど、安全装備に進化の跡は見える。それを映すメーターは液晶。
ゆったりとした空間を持つSクラス。シートのボリュームも文句はない。センターコンソールの容量は大きく収納に便利。
液晶メーターにはハイブリッドシステムの動きを表示。同様の作動図をセンターモニターでも見ることができる。
■インテリア/エクステリア写真[2]
写真はハイブリッド用ユニット。3.5L V6をベースとする。コンパクトなリチウムイオンバッテリーの開発で実現した。
モーター単体で走らせることなく、あくまでもエンジンのサポートというカタチでレイアウトされたハイブリッドシステム。
外観に大きな変更はなく、52個のLEDが内蔵されるテールランプが目立つ。またプレセーフシステムやレーンキーピングアシストなど、さまざまな電子デバイスの投入も特徴となる。
メルセデス・ベンツ S400ハイブリッド(7AT)主要諸元
全長×全幅×全高 | 5096×1871×1479mm |
---|---|
ホイールベース | 3035mm |
トレッド前/後 | 1600/1606mm |
車両重量 | 1955kg |
エンジン | V6DOHC |
総排気量 | 3498cc |
最高出力 | 279ps/6000rpm |
最大トルク | 35.7kg m/2400~5000rpm |
モーター最高出力/最大トルク | 20ps/16.3kg m |
システム最高出力/最大トルク | 299ps/39.3kg m |
サスペンション前/後 | 4リンク/マルチリンク |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤ前後 | 235/55R17 |