新車試乗レポート
更新日:2018.11.01 / 掲載日:2011.09.23
BMW 1シリーズ 試乗レポート
BMW 1シリーズ 試乗レポート
海外試乗
フルモデルチェンジ
発表・発売/2011年秋
BMW カスタマー・サポート
0120-55-3578
■プレミアムコンパクトカー唯一のFR 1シリーズが劇的に進化した
約7年前、プレミアムコンパクト市場にBMWが1シリーズを導入したときの衝撃は、今でもハッキリ覚えている。なぜならFFレイアウトが当たり前のこのクラスに、コストのかかるFRレイアウトを唯一選択してきたから。結果として、FRによる優れた走行性能や走りの気持ちよさが評価され、好調な販売を続けてきたが、このたびさらなる商品力を求めてフルモデルチェンジ。その進化には、先代モデル導入のときと同じような衝撃を受けた。
■ドライビング/ユーティリティ
新型1シリーズを試乗した今だからこそ言える。BMWが1シリーズにコスト負担を強いながらFRレイアウトを採用した真のねらいは、先代モデルでは十分に表れていなかった。
と言うのも、先代モデルでもフロントタイヤが曲がることに専念するFRらしいハンドリングの素直さや安定感など、ライバル勢に対するアドバンテージを持っていた。だが乗り味に硬さがあり、快適性において苦戦していたのも事実。しかし新型は違う。そもそも先代モデルの乗り味の硬さは、普通のクルマにありがちな、走行性能を高めるべく足まわりを強化したせいではない。ランフラットタイヤという、ノーマルタイヤより硬いがパンクしても走れる特性を持つタイヤを、安全優先で採用したことが原因。今回の新型では、そのランフラットタイヤが第3世代へと進化。ノーマルタイヤレベルの柔軟性を持っているので、それに合わせて足まわりやシャシーを作り込むことができ、FRのメリットであるハンドリングのよさと乗り心地のよさを高次元で兼ね備えた。
しかも搭載されるエンジンも新開発され、今の時代に求められる燃費性能と、気持ちよい走りを生み出す加速力を兼ね備える、1.6L直列4気筒を直噴ターボで武装したもの。さらに言えば、ノーマル・スポーツ・スタイルという3タイプの内外装を用意して、ユーザーの好みの違いにも対応してきている。まさに弱点を探すのがむずかしい盤石の商品力を、新型1シリーズは備えてきたのだ。
■インテリア/エクステリア写真[1]
センタークラスターの表面をリアルカーボンで整え、スイッチ類はマットブラックに変更。スポーティ感と高級感が同時に高められた。
シートは以前のモデルと見た目は大きく変わらないが形状が見直され、窮屈感を緩和させつつサポート性が向上している。
走行モードを任意に切り替えられるドライビング・エクスペリエンス・スイッチには、省燃費走行の「ECO PRO」モードも用意。
■インテリア/エクステリア写真[2]
ラゲッジルーム容量は、通常時で360L、2列目シートをたためば最大1200Lの積載スペースが得られる。
エキゾーストパイプ形状やエンジンコントロールユニットの変更で、エンジンの高効率化に成功。出力と燃費性能をともに向上させた。
グリップ性能を左右する空力性能の見直しにより、リヤディフューザーが大型化された。中央にはリヤフォグランプが標準で装着される。
BMW 118i (6MT)主要諸元
全長×全幅×全高 | 4324×1765×1421mm |
---|---|
ホイールベース | 2690mm |
トレッド前/後 | 1535/1569mm |
車両重量 | 1295kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1598cc |
最高出力 | 170ps/4800rpm |
最大トルク | 25.5kg m/1500~4500rpm |
サスペンション前 | ストラット |
サスペンション後 | 5リンク |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤ前後 | 195/55R16 |
※数値は欧州仕様のもの。