新車試乗レポート
更新日:2018.11.14 / 掲載日:2013.04.18
ジャガー XF 試乗レポート(2013年04月)

ダウンサイジングでジャガーらしさを
2013年モデルのジャガーXFの驚きは、大胆なダウンサイジングを実行した心臓にある。5L自然吸気V8の代わりに3L直噴スーパーチャージドのV6、3L自然吸気V6の代わりには、なんと2L直噴ターボの直4を設定したのだ。これに合わせて6速だったATも、ZF最新の8速に進化させた。
ねらいは言うまでもなく、燃費に代表される環境性能の改善にあるが、エコだけでジャガーファンが納得するはずがない。問われるのは、ジャガーに相応しい性能と走り味を備えているかだ。2.0プレミアムラグジュアリーに乗って、それを確かめてみた。
まずは動力性能だが、243馬力/30.6kg mの3Lに対して、2Lターボは240馬力/34.7kg mを発生。低回転から生む太いトルクと、AT多段化の相乗効果で、旧3Lを上まわるほどの力強い加速を実現していることがわかる。今やBMW528iも、メルセデスE250も4気筒ターボだから衝撃的とまでは言えないが、Eセグのなかでも大柄なXFが、4気筒の心臓でジャガーらしく走る様には驚きがある。

回転フィールの滑らかさや静粛性も、4気筒のネガをほとんど感じさせないレベルにあり、トータルの完成度も期待を裏切らないものだ。でも、トルクの出方はときにやや唐突で、頻繁なシフトがせわしない印象をもたらす面もある。欲を言うならば、感覚的なゆとりの演出をもう一段上に上げてほしい。
そしてハンドリング。ノーズが軽くなった印象はないが、試乗車のフットワークはキレのいいスポーティなものだった。その大きな要因は、エアロダイナミックパックとともにオプション装着されていた20インチタイヤ。ルックス面でも効果は抜群だ。しかしながら、低速での乗り心地はややドタバタしたもので、高速の継ぎ目も直接的にガツンとくる面が認められる。「上質な乗り心地こそジャガー」という人には、標準の18インチタイヤが向いている。
文●森野恭行 写真●森山俊一、佐藤亮太
問い合わせ ジャガーコール 0120-050-689
コックピット
コックピット
高級サルーンらしいゴージャスなムードを漂わせるコクピット。格納式のジャガードライブセレクターはすでにおなじみのアイテムとなった。プレミアムラグジュアリーはメリディアンの高級オーディオも標準装備する。
インテリア
インテリア
上質なタッチのソフトグレインレザー張りシートを採用。大柄なボディを持つだけに、居住性も申し分のないものだ。ジャガーらしいプレミアムな世界に浸ることができる。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
バンパーレベルから開くラゲッジの使い勝手は良好。容量は500Lと大きめで、6対4分割可倒機構も装備する。クーペのようなルックスと、高い実用性をバランスさせているのだ。
エンジン
エンジン
ジャガー・ランドローバーでは、イヴォークが初だった2L直4の直噴ターボユニット。FRモデルでは8速ATが組み合わされる。樹脂カバーが覆うためわかりづらいが、エンジンはコンパクトだ。
主要諸元:ジャガー XF 2.0プレミアムラグジュアリー(8速AT)
全長×全幅×全高 | 4975×1875×1460mm |
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ホイールベース | 2910mm |
トレッド前/後 | 1560/1605mm |
車両重量 | 1760kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1998cc |
最高出力 | 240ps/5500rpm |
最大トルク | 35.7kg m/1750rpm |
サスペンション前/後 | ダブルウィッシュボーン/マルチリンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前後 | 245/45R18 |
全国メーカー希望小売価格(発表・発売 2008年4月・2008年5月)
XF 2.0ラグジュアリー(8速AT) | 595万円 |
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XF 2.0プレミアムラグジュアリー(8速AT) | 694万円 |
XF 3.0プレミアムラグジュアリー(8速AT) | 829万円 |
XFR(8速AT) | 1200万円 |
Body Color
□ポラリスホワイト ■クラレット ■エボニー ■カシミア ■ロジウムシルバー ■ブラックアメジスト ■ルナーグレイ ■イタリアンレーシングレッド ※ほか6色。 |