新車試乗レポート
更新日:2018.11.14 / 掲載日:2014.10.16
ジャガー XJR 試乗レポート(2014年10月)
速さと優雅さが共存するトップ・オブ・ジャガー
このXJRは既存のスーパースポーツのさらに上に位置するモデルだ。XJはデビュー時スーパースポーツを頂点に位置づけたが、今回その上を追加した。なぜ当初から“R”の称号を与えず、スーパースポーツの名をかぶせたのかは……不明ではあるが。
それはともかく、XJRはスーパースポーツの510馬力をなんと550馬力までアップした。最大トルクも63.7kg mから69.3kg mへと上げている。550馬力はいまのジャガーのトップレンジ。このほかにはXKR-Sと先般市場導入されたFタイプRクーペのみとなる。XJR以外どちらも2ドアモデルだ。
ちなみに他メーカーのサルーンと比べると、パナメーラターボが520馬力、同ターボSが570馬力となることから、こいつのすごさをおわかりいただけると思う。それでいて価格はXJRとパナメーラターボSとでは約1000万円の開き。つまりジャガーはバーゲンプライスなのだ。
では走った印象だが、それだけのパワーがあるのでクルマがやたら軽く感じられる。出だしからスッと出て、そのままアクセルを踏んで行くとドーンという加速Gがドライバーをシートに押しつける。しかも、そのときのエンジン音がすばらしい。「本当にサルーン?」といったレーシングカーサウンドをまわりに轟かすのだ。
驚くのはそればかりではない。これだけ荒くれ者の素振りをしておきながら、コーナーではしっかりネコ脚を見せる。軽快なフットワークのままヒラリヒラリとワインディングを駆け抜けるのだ。もちろんそのときも軽さが表に出て、重いボディを振りまわしているといった印象はない。
といったXJRの走り。サルーンであってもスポーツカーのDNAをちゃんと持ち合わせているのだから、スポーツブランドとしての奥深さを感じずにはいられない。
文●九島辰也 写真●GooWORLD
問い合わせ ジャガーコールTEL:0120-050-689
Detail Check
コックピット
コックピット
FRであることを強調する太めのセンターコンソールが目立つコクピット。こうして眺めるとサルーンというよりスポーツカーやGTカーのように見えなくもない。メーター類はすべて液晶。視認性は十分高い。
エンジン
エンジン
ジャガーおなじみの5L V8+スーパーチャージャーエンジン。今回はパワーを550馬力まで上げて登場させた。
インテリア
インテリア
スタンダードモデルよりサイドサポートが張り出したスポーツシートをフロントに装備する。この辺は必然性ともいえそう。とはいえ電動アジャスト付きで快適。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
一見狭そうなトランクだが奥行きがものすごくあり、かなり積める。しかもトランクスルー機構があるので長尺ものも遠慮なく積み込める。開閉は当然電動式。
主要諸元:ジャガー XJR(8速AT)
全長×全幅×全高 | 5135×1900×1455mm |
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ホイールベース | 3030mm |
トレッド前/後 | 1625/1605mm |
車両重量 | 1970kg |
エンジン | V8DOHCスーパーチャージャー |
総排気量 | 4999cc |
最高出力 | 550ps/6500rpm |
最大トルク | 69.3kg m/3500rpm |
サスペンション前/後 | ダブルウィッシュボーン/マルチリンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前・後 | 265/35ZR20・295/30ZR20 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2013年10月3日)
XJR(8速AT) | 1743万円 |
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Body Color
■エボニー ■ダークサファイア □ポラリスホワイト ■ルナーグレイ ■カーネリアンレッド ■キャビア ■ブリティッシュレーシンググリーン ※ほか8色。 |