新車試乗レポート
更新日:2014.11.21 / 掲載日:2010.03.05
スバル インプレッサ R205 試乗レポート
スバル インプレッサR205 試乗レポート
試乗
【特別仕様車】
発表・発売/2010年1月7日
富士重工業/0120-052215
文●竹岡圭 写真●原田淳
■ストリートでも存分に楽しめるSTIの新しいハイパフォーマンスモデル
「R」という文字が付いていると、すぐにレーシング仕様のバカッ速モデルを想像してしまうが、R205の「R」は“ROAD”の「R」。公道でのスポーティ性能を追求したモデルに仕上げられているのだ。
■ドライビング/ユーティリティ
言われてみれば、現行のインプレッサには「S」モデルが存在しない。このモデルが「R」を名乗った理由は、「S」が走りと質感の両方を極めたクルマであるのに対し、今回は質感に関しては「S」を名乗るほど手を入れてはいないため。逆に走りに関しては、2年間かけてドイツのニュルブルクリンクでテストをするなど、気合いを入れて煮詰められているのだ。
しかも時代を鑑みて、サーキットでしか楽しめないカタブツにはなっていない。それこそ、ノロノロと住宅街を走っただけで気持ちイイ、交差点に差し掛かってもワクワクさせてくれる楽しさがある。STIはこのクルマの開発に際し、奥様でも乗れるくらいの乗り心地を志したとのこと。誤解を恐れずに言えば、整備されたサーキットよりも、わだちもあればマンホールもあり、路面もさまざまな一般道で楽しめるクルマを仕上げるほうが、むずかしい面も多いのだ。
そこまで気合を入れただけあって、ステアフィールが強烈に重いワケでもなく、ハンドリングも素直。ペダルレスポンスもチョー気持ちよく、シフトフィールも小気味イイ。試乗日はあいにくの大雨で、直進ではDCCD(センターデフコントロールスイッチ)をLOCKに切り替えたほうが安定するくらいの有様だったが、ワザとラフにアクセルを煽っても、少々のことでは挙動が乱れることはない。さすがに曲がる際は「瞬時に調整を掛けてくれるAUTOモードはなんて便利なんだろう!」と思うが、どこまでもキッチリとラインをねらえるのは見事のひと言。ここまで安心感を持ちつつ楽しめる一台に仕上げるのは、さぞかし大変だったことだろう。
■インテリア/エクステリア写真[1]
使い勝手などはオリジナルのインプレッサと同じ。一家に一台体制でも困ることがないのは、ある意味で現実的な魅力のひとつ。
吸排気系にも手が加えられたエンジンは、吹け上がりも爽快。直進安定性を高めるフレキシブルタワーバーがのぞく。
シートリフターがそのまま残されているのが泣かせる。MTだけにドラポジはきっちり調整したいので、ありがたいかぎり。
■インテリア/エクステリア写真[2]
STIモデルとして初めて冠せられた「R」の頭文字には、公道でも十分に楽しめる高性能モデルという意義が込められている。
タイヤの銘柄はブリヂストン・ポテンザRE070だが、中身はR205専用に最適チューンされたものだ。
今回初採用されたのが、コーナリング性能を高めるフレキシブルロードスティフナー。より大きく操舵したときの切れ込みのよさが違う。
インプレッサ R205(6MT)主要諸元
全長×全幅×全高 | 4415×1795×1465mm |
---|---|
ホイールベース | 2625mm |
トレッド前/後 | 1535/1545mm |
車両重量 | 1470kg |
エンジン | 水平対向4 DOHCターボ |
総排気量 | 1994cc |
最高出力 | 320ps/6400rpm |
最大トルク | 44.0kg m/4000rpm |
10・15モード燃費 | 10.4km/L |
サスペンション前 | ストラット |
サスペンション後 | ダブルウイッシュボーン |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤ前後 | 245/40R18 |