新車試乗レポート
更新日:2024.07.01 / 掲載日:2024.06.30
改良型CX-60の魅力まとめ
人気の上級SUVが改良でさらに魅力的に
マツダの上級SUVとして登場したCX-60。「人馬一体」の走りにこだわったSUVという異色のキャラクターであったが、乗り心地という点では硬すぎるといった声もあり、昨年に改良が実施された。走りの熟成度を高めたCX-60の魅力を再度見ていこう。
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久/マツダ株式会社
●問い合わせ:マツダコールセンター ☎0120-386-919
MAZDA CX-60 魅力再確認

試乗グレード:XD L Package(FR)
車両本体価格:422万4000円
主要諸元:●全長×全幅×全高(㎜):4740×1890×1685 ●ホイールベース(㎜):2870 ●車両重量(㎏):1810 ●駆動方式:2WD(FR) ●パワーユニット:3283㏄ 水冷直列6気筒DOHC直噴ターボ (231PS/51.0㎏f·m) ●トランスミッション:8AT ●WLTCモード総合燃費:19.6㎞/ℓ ●ブレーキ前/後:ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク ●サスペンション前/後:ダブルウィッシュボーン/マルチリンク ●タイヤ:235/50R20
改良によりスポーティさと
SUVとしての魅力を両立
完全新設計の上級クラス向けFR(縦置)プラットフォーム採用の国内導入第一弾として誕生したのがCX‐60。「人馬一体」をスローガンとし、走りにこだわるマツダにすれば期待の新人だった。ただ、スポーティな運転感覚にこだわりすぎたのか荒れた路面での乗り心地が硬い。ロングドライブは快適とは少々言い難いモデルであった。マツダ自身もそれを良しとは考えていなかったようで、改良型サスの導入を実施。ちなみに改良前のCX‐60もディーラーにて足回りの交換を対応するとのこと。
改良型サスの導入でガツガツと響くような突き上げ感は大きく減少した。柔らかくなったというより負荷変動の繋ぎが滑らかになった感じ。往なすような感覚と言い換えてもいいだろう。もっとも、あくまでも新旧比較であり、他メーカーの上級SUVと比べると改良後も「人馬一体」を意識したスポーティさ優先の乗り心地。前後サス共に沈み込みを抑えたチューニングだ。
今回の試乗車は2WD、つまりFR仕様で、操舵追従とコントロール精度の高さを中心としたハンドリングを重視したフットワーク。上級SUVでありながらも、スポーツモデルのような操る楽しさが両立された乗り味であった。
その他の部分に変更は加えられていないが、CX‐60のディーゼルエンジンの良さを再認識した。新世代ディーゼル群でも許容回転数と高回転の伸びやかさを特徴にするマツダ・ディーゼルだが、この3・3ℓ直6はその集大成とも言える。ディーゼルの大トルクはもちろん、低負荷から高負荷まで癖のないドライバビリティ、高回転を回すのも心地よい。エンジン音も軽快だ。攻めるよりも悠々ツーリングに適したタイプ。改良されてもフットワークにもう少し柔らかさを、と感じてしまうのはこの良質なパワートレーンの影響も少なくない。
キャビンスペースは一回りコンパクトなCX‐5と大差なく、レジャー用途向けSUVとしてコスパはそれほどでもない。しかし、FRプラットフォームを利した多彩なパワートレーン設定とスポーティなハンドリングは見所。スポーティ&プレミアム志向で計ってこそ魅力的なモデルである。
中でも試乗した標準ディーゼル系が狙い目だ。試乗グレードの4WD仕様は約445万円、ベーシックグレードのXDなら約380万円。同型エンジン搭載のHEVモデルも展開しているが、価格差も大きい。プレミアム感の高いディーゼル・ツアラーを求めるなら標準ディーゼル系がイチオシだ。






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