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新車試乗レポート
更新日:2024.06.22 / 掲載日:2024.06.22

カイエンと暮らして実感したこと【九島辰也】

文●九島辰也 写真●ポルシェ

 先日ポルシェディーラーが主催するイベントに参加しました。都内から郊外へ走り、そこでクルマを並べるというものです。芝生の上に並んだクルマは映え度マックス。まるでペブルビーチのコンクール・エレガンスのようです。日本ではこういった環境は少ないですからね。とても希少です。

 ツーリングイベントだけあり、参加車両の多くは911シリーズでした。2番目は718シリーズ。そしてマカン、パナメーラといった順番です。やはり2ドアは趣味性が高いということでしょう。週末にクルマを走らせて楽しむ志向が強い気がします。

 それを代表するのが911シリーズなのですが、911の最近の話題といえば新型GTSに他なりません。まだニュースリリースレベルの情報しかありませんが、未来の911が垣間見られたような気がします。やはりスポーツカーの代名詞もこうなるのかと。

 新型911GTSはいわゆるハイブリッドモデルでの登場。3.6リッター水平対向エンジンに2つのモーターが装備されます。1つは電動ターボ用で、空気の流れではなくモーターで稼働させます。これで低回転用と高回転用の2つのタービンを持つ必要がなくなり、シングルターボとなりました。メリットは軽量化とスペース効率でしょう。そしてもう一つのモーターはエンジンパワーをサポートするもの。高速道路の巡航時はそうでもありませんが、初速や中間加速にかなり役立つと考えられます。いわゆるモーターの加速感ですね。ただ、EV走行モードはありません。まぁ、そこが911らしいとも考えられますが、走行は常時エンジンが働きます。ちなみに、このハイブリッドシステムは“T-ハイブリッド”と呼ばれるそうです。“T”はターボを意味します。

 このモデルの登場はポルシェが打ち出している「2030年に新車の80%をBEVにします!」という提言に沿っています。タイカンをフラッグシップに始まったBEV路線はこのあとマカンが登場しますし、718系など軽量コンパクトスポーツカーに波及するとも言われています。カイエンも難しくはありません。同じグループにはアウディQ8 e-tronがありますから、スイッチするのはあっと言う間でしょう。

カイエン E-ハイブリッド

 そのカイエンシリーズの中のE-ハイブリッドに乗りました。久しぶりです。昨年マイナーチェンジしたとき以来かもしれません。LEDヘッドライトユニットがタイカン風に点灯するようになったことでよく覚えています。

 現在そのラインナップは増えていて、6グレードあります。スタンダードモデル、E-ハイブリッド、カイエンS、カイエンS Eハイブリッド、GTS、ターボE-ハイブリッドです。しかもパワーは353psから739psまで幅広いレンジとなります。すごいですね。このマーケットニーズへの応えよう。それだけグローバルで年齢層は広く、使い方も様々なのが伺えます。

 とはいえ、サイズはそれなりにあります。全幅1983mmもそうですし、全長4930mmもそう。特に幅は細い道でのすれ違いに気を使います。でも全高1696mmはあまり高さを感じません。しかも車高を任意で低くできるので、「あと1cm低ければマンションの地下駐車場に入るんだけどなぁ」なんてのに役立ちます。目的は違いますが、こう言うのはいいかも。

 反面これだけのボリュームがあるので、高速道路での移動は快適。ロングホイールベース&ワイドトレッドが快適なキャビンを司ります。乗り心地はいいし、パワーも十分。エコモードでゆったりした気分で走れます。疲れが溜まらなさそうな気がしました。それでいて加速が必要な時はドーンとGフォースを感じさせます。ポルシェである意味はやはりここですね。

カイエン E-ハイブリッドは、モーターのみで最長90kmの走行を可能とする

 ハイブリッドシステムに関しては、積極的にEV走行してくれるので、省エネ的に思えました。それに走行中の充電もいい感じ。今回は箱根の山々を走る機会があったので、バッテリーに電池をためていく様がわかりやすかったです。ブレーキもそうですし、パドルを駆使して回生効率を上げられます。ゲーム感覚で。

 久しぶりのカイエンなので、走りの特性を感じながらおよそ10日間連れ添いましたが、結論的にこのクルマはデザインがかっこいいと思いました。オーセンティックなフォルムながらひと目でポルシェとわかるデザインは秀逸。このボリュームでもスポーティに見えます。広く愛されているのがわかりますね。それがグレードを多種多様に揃えている理由なのでしょう。気がつけば2002年の誕生から22年。もはや定番となった人気のSUVは今も健在と言う印象でした。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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