新車試乗レポート
更新日:2023.09.25 / 掲載日:2023.09.25

【メルセデスAMG C43】スポーツセダン好きの心に刺さるストイックさ

文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス

 5代目となるメルセデス・ベンツCクラスに、昨秋、待望のメルセデスAMGモデルが設定された。新設定となる「C43 4MATIC」は、その名称が示すように、CクラスAMGのエントリーである事は先代同様だが、実は、その中身やポジションは大きく異なっている。

「SL」と同じハンドメイドのエンジンを搭載

メルセデスAMG C43 4MATIC

 その象徴が、Cクラス初採用となる4気筒エンジン「M139」だ。同エンジンは、AMG上級モデル同様に、メルセデスAMGの熟練マイスターのひとりが、全てを手作業で丹念に組み上げたもの。メルセデスAMG開発となった新生オープンスポーツ「SL」と同じものを搭載している。

 先代のC43 4MATICでは、3.0L V6ツインターボエンジンが与えられていたが、こちらはAMGチューンではあるものの、通常生産方法によるものであった。最上位エンジンを示すマイスターによるハンドメイド組付けの2.0L直4DOHCターボエンジンの性能は、最高出力408ps/6750rpm、最大トルク500Nm/5000rpmを発揮。従来型エンジンとは形式や排気量も異なるが、最高出力と発生回転数が高められており、エンジンを回す面白さが高められたといえる。

 このエンジンの小排気量化をネガと思わせない最大の武器が、電動ターボチャージャーだ。これはターボチャージャーをモーターでも駆動できるようにすることで、ターボラグを解消し、レスポンスの向上を図ったもの。そのため、シングル化されたターボチャージャーは巨大なものが与えられている。その技術は、F1由来のものであり、メルセデスAMGペトロナスF1チームが、長年採用しているものをベースに開発しているという。さらに48Vマイルドハイブリッド仕様となっているため、環境性能の向上だけでなく、短時間だが、BSGで出力を16ps高めるブースト機能も備えているのも、AMGらしい秘策といえよう。

 そのエンジンを活かすべく、トランスミッションも、AMG上級モデル「63」向けだった「AMGスピードシフトMCT」を搭載。これは9速ATに、トルクコンバーターではなく、湿式多板クラッチを採用することで、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現したもの。操作方法は、通常のATと全く変わらないが、より素早いシフトダウンを可能とするブリッピング機能なども備えたスポーツATである。また4MATICの名が示すように、パフォーマンス指向の4WD「AMG 4MATIC」を備えており、ベースのCクラス同様に、小回り性を高める後輪操舵機能「リア・アクスルステアリング」も標準化されているので、より街中での扱いやすさも増している。

「パナメリカーナグリル」採用でアグレッシブな顔つきに

メルセデスAMG C43 4MATIC

 ビジュアルもバージョンアップされる。純正コンプリートカーだけに、前後のエアロバンパーやリップスポイラーなどの専用エアロは控えめだが、専用19インチツインスポークアルミホイールを履きこなす立ち姿は、只ものではない空気を放つ。

 新型の特徴といえるのが、フロントマスクのグリルは、AMG上級モデルを象徴するヘキサゴン形状の「パナメリカーナグリル」へと変更されたこと。これにより極めて好戦的な顔付きとなった。リヤスタイルでも、ワイドバンパーとリヤデュフューザーから張り出した4本出しのテールパイプが力強い走りを予感させる。その中でも存在感を示すが、小さなトランクスポイラーだ。コンパクトなリップタイプながら、後輪を押さえつけるような緊張感を見せており、エアロデザインのバランスの巧みさを感じずにはいられない。この辺の加減は、国産スポーツカーにも見習ってほしいところだ。

Cクラスの快適性はそのままに豪華な走りを実現

メルセデスAMG C43 4MATIC

 内装のレイアウトや装備は、Cクラスと同様だが、黒基調のスポーティな色使いと本革仕様のスポーツシートが標準となる。

 AMGらしい専用装備は、専用のメーターパネル表示と、ステアリングのAMGパフォーマンスステアリングホイールとなる。この専用ステアリングホイールには、ステアリング上面に2個のスイッチが設けられており、手元でドライブモード「AMGダイナミックセレクト」の操作を可能としたものだ。これによりドライバーの気分や走行状況に合わせて、瞬時に走行モード切替を可能としている。シートレイアウトやトランクサイズに変更ないので、実用性能は、Cクラスのままである。

 その走りは、まさにAMGらしい豪快なもの。アクセルを強く踏んだ瞬間に、脱兎の如く鋭い加速に見舞われる。この辺りは、小排気量化と電動ターボが生むレスポンスの良さだろう。エンジンサウンドは、先代のV6より高めで、乾いた音を響かせるが、迫力十分。また車内へのエンジンサウンドは、AMGリアルパフォーマンスサウンドによりスピーカーから疑似サウンドが追加される仕様となっているので、実際の排気音よりも体感音の方が大きくなるようにしつけられている。多少のサウンドチューニングも利かせているのだろう。ただラップ付きのAMGエグゾーストシステムも備えるため、リアルなスポーツエンジンサウンドも十分に堪能できる。

 4気筒化と後輪操舵機能が加わったことで、ワインディングのような場所では、よりフットワークは軽くなったように感じさせる。コーナリング時のノーズの入りも速やかで、4WD感も薄い。Eクラス以上では、このエンジンだと不足を感じるかもしれないが、元々取り回しの良さに定評のあるCクラスの特性を高めるだけに、コンビネーションは良いと思う。

 乗り心地については、最も落ち着いたコンフォートモードでも固め。新型Cクラスには、全車エアサスペンションの設定がないため、足の調整は電子制御ダンパーのみとなるため、この点は致し方ないところ。ただ前後席を比較しても、苦情が出ない範囲と思われる硬さであり、衝撃もしっかりと吸収しているため、スポーツセダンということで理解は得られるだろう。本国仕様では、より上位のC63が設定されるが、よりパワフルとなるが、「Eパフォーマンス」というPHEVでもあるため、重量面でも不利となる。エンジン車らしさでいえば、軽量でマイルドハイブリッドに留め、瞬間的でも日常域で高回転を使えるC43の方が上だろう。

まとめ

 ただAMG度が上がった分、お値段も上昇。しかし、横置きモデルの「45」シリーズと比べても、4WDシステムとトランスミッションが異なり、FRベースらしさもあり、何よりも車体の持つゆとりが異なる。食わず嫌いにならず、まずは触れて、新生AMG Cの世界を見極めて欲しい。よりストイックな部分がスポーツセダン好きの心に刺さるはずだ。

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大音安弘(おおと やすひろ)

ライタープロフィール

大音安弘(おおと やすひろ)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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