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更新日:2021.05.06 / 掲載日:2021.05.06

メルセデスAMG C43/気になる中古車【試乗判定】

気になる中古車【試乗判定】のメインカット

2017年モデル メルセデスAMG C43 4MATIC

文●竹岡圭、九島辰也、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2021年6月号の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2021年4月調べ。
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。


一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション! 果たしてその結果やいかに!?

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  • 竹岡 圭さんのプロフィールカット

    自動車ジャーナリスト【竹岡 圭】
    人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2021-2022 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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    長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも各国のクルマを乗り継ぐ。

AMGの世界を大きく広げたV6ツインターボモデル

V8 AMGと標準モデルの間を埋める存在が「43」

竹岡 圭さんと九島辰也さんとメルセデスAMG C43

編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回は、メルセデス・AMGのコンパクトスポーツセダンである「C43」が登場です。お借りした車両は2017年モデルで、グレードは「C43 4MATIC」、走行距離は6万7000kmとなっています。
九島●このコーナーでいろいろな中古車に乗せてもらったけど、今日のはこれまでいちばん僕好み。
竹岡●前からずっと「43(ヨンサン)欲しい」って言ってたもんね(笑)。
九島●自動車マスコミ業界のなかには、「V8じゃないAMGなんてホンモノとは言えない!」なんて持論を振りかざす人もいるけど、僕に言わせればそんなのナンセンス。「43」こそ、マーケットがいちばん求めているAMGですよ。
竹岡●昔からのファンにとっては、AMGはV8エンジンだってイメージがまだまだ強いのかもね。でも、実際に「43」は売れてるんでしょ?
編集部●売れ筋ですね。「C43」は、もともとはメルセデス・AMGブランドの新シリーズ「AMGスポーツモデル」第1弾として「C450 4MATIC」という名称で2015年に導入されました。
九島●「AMGスポーツモデル」は、通常モデルと「63」のようなAMGモデルとの中間を埋める存在だった。
編集部●それが翌年に方針変更して、「AMGスポーツ」という名称そのものをなくし、「AMGモデル」に統一。「C450」も「C43」に名称変更しています。
竹岡●絶対そのほうがいいよね。「C450」じゃAMGっぽくない(笑)。
九島●メルセデスは真面目だから、V8モデルとの差別化を考えたんだろうけど(笑)。結局変えたことで、「43」の後に続いた「35」も成功したんだから正解だったわけだ。
編集部●「C43」のメカニズムで最大の特徴となるのがパワートレインです。AMGが専用開発した3LV6ツインターボエンジンとパフォーマンス志向の4WDシステムである「AMG 4MATIC」を組み合わせて搭載しています。
九島●それにしても「C43」は、考えれば考えるほど欲しくなる(笑)。すべてが絶妙なんだよ。ボディサイズもちょうどいいし、パフォーマンスの設定も絶妙。それでいて価格だって「C63」だと1455万円だったのが、995万円でしょ。
竹岡●細かーいところを比べると、「63」はボディがワイド仕様でグリルも縦線だったのが「43」だと標準モデルと同じ車体でグリルも横線だったり、バンパーの形が違ったり、インテリアも微妙に差別化されている。だけど、世間一般的にはどっちも「AMG」。全然問題ナシ!
九島●たとえば、お付き合いしている女性のご両親に挨拶したときにクルマの話になったとするじゃない。そこで「63」だとカドが立つけど、「43」だったら嫌味がない。「こいつバランス感覚があるな」って評価が上がるかもしれないよ(笑)。
竹岡●まあ、それはともかく(笑)。これ買ったらたくさんドライブに連れてってくれるんだったら、女性側としても文句はないですよ。
編集部●それではそろそろ、試乗のほうをお願いします。


九島「AMGらしさと実用性のバランスがパーフェクト!」

竹岡「現実的に手が届く価格で中身もきっちりAMG」

九島辰也さんがメルセデスAMG C43を試乗

DETAIL CHECK

メルセデスAMG C43の外観

まぎれもないAMGで乗り心地も良好 これぞみんなのためのAMG

編集部●試乗から戻ってきましたので、お二人から感想を伺います。
九島●僕が求めているのはまさにこれ。運転して楽しいし、後席の乗り心地だって悪くなかったでしょ?
編集部●想像していたより快適でした。それにしても試乗を楽しまれていましたね。エンジンをかけるときに、わざわざ窓を開けて音を確認していたし、本当に欲しいんですね。
九島●だからそう言ってるじゃん。圭さんはどうだった?
竹岡●よかった。ベースモデルのAMGラインとは別モノ。最近の小排気量ターボは、パワーはあっても、加速にちょっと線が細いところがあるけど、この3LV6は文句なし。走りは全体的に軽快で、スポーティさの味付けもちょうどいいし。毎日乗ることを考えたら、「63」よりも「43」がいいかも。
九島●流石! よくわかってる。
編集部●お借りしたクルマは走行距離が約7万kmと年式にしては走っていますが、劣化など感じました?
竹岡●停止するときにトランスミッションが気になる振動を出してたけど、そのくらいかな。作りのよさはやっぱりメルセデス。
九島●振動の件は、もしかしたらオイル交換でよくなるかもしれないし、全体的に新車のときに試乗した感覚と変わりなかったと思う。残価がつくクルマだから、新車が買いかなと思っていたけど、中古車でもいいよ。
竹岡●私もそう思う。相場はどう?
編集部●中心価格は500万円台で台数もあるので、選びやすいです。
九島●買ってから自分らしくいじってもいいし。あー、帰ったらグーネットで探しちゃうよ(笑)。

メルセデスAMG C43について語り合う竹岡 圭さんと九島辰也さん

実用性、快適性、スポーティさ それらのバランスが絶妙

メルセデスAMG C43のインテリア

 コックピットデザインはベースモデルのCクラスとほぼ同じで、メルセデスユーザーであればまったく違和感なく操作可能。今回の試乗車は前期モデルだが、2018年にはベースモデル同様にマイナーチェンジを受け、インフォテインメント用ディスプレイがワイドモニターとなっている。

300SLをイメージさせるクランベリーレッドの本革シート

メルセデスAMG C43のシート

 取材車両の本革シートはクランベリーレッドで、このほかブラックも選択可能だった。前席には電動ランバーサポートやシートヒーターも標準装備。リアシートも3人分のスペースを確保しながら、フロントシートのようなスポーティなデザインが与えられている。

操る楽しさを重視したAMG独自のパワートレイン

メルセデスAMG C43のエンジンルーム

 最高出力367馬力を発生させる3LV6ツインターボエンジンはAMGによる専用設計。2016年8月の仕様変更(C450からC43になったタイミング)により、トランスミッションは7速ATから9速ATとなり、4MATICもリアにトルクの69%を配分するセッティングとなった。

ベースモデルの優れた実用性はそのまま受け継いでいる

メルセデスAMG C43のラゲッジルーム

 リアシートやラゲッジルームといった使い勝手に関係する部分は、ベースモデルと同様。つまり、「C43」はファーストカーとして言い訳なしに使える実用性を備えている。今回の試乗車はセダンだったが、ボディバリエーションとしてステーションワゴン、クーペ、カブリオレもラインアップする。

試乗判定レビュー

メルセデスAMG C43の走行イメージ

※各項目に対して5点満点評価。 ※ナンバープレートは、はめ込み合成です。

竹岡 圭

  • 普通のCクラスじゃダメなの?と、現実派の女性は思いがちですが、男の子ってAMG大好き。V8のAMGは夢だけれど、V6なら頑張れば手が届く。もちろんV6だって中身はキッチリAMGなので、カーライフは大満足。世の女性の皆さん、男性があんなにニコニコ顔でドライブに連れてってくれるなら、お財布のヒモを緩める価値大アリですヨ!

  • 操作系はそのまんまCクラスなので、メルセデスベンツを知っている方なら、違和感ないのが「43」。「63」はさらにワイドボディだったりスペシャルな装備が散りばめられていますが、日常的使いやすさで言ったら、こちらのほうが上だったりするんですよね。装備関係も必要以上にすべて装着されている感じなので、不満ナシ。

  • V6エンジンゆえに軽さが信条。いわゆる頭まわりだけでなく、全体的に軽快なフィーリングにまとめられているので、ある種のスポーティさも感じられて至極爽快。さらに乗り心地良く、小まわりも利くあたりは、さすがのメルセデス。普段使い感覚の街乗りメインでも、非常に快適に使い勝手のよい相棒となってくれること間違いナシです。

竹岡 圭の試乗判定(1件)
平均点 4.7
  • ポジショニング 4.5
  • 装備 4.5
  • 走り 5.0

九島辰也

  • V8を積む「63」の新車価格がオプションまで含めると1500万円を大きく超えるのに対して、1000万円の「43」は非常に魅力的。手放すときに価値が残ることを考えれば、お得とすら言える。もともと使い勝手のいいCクラスだが、AMGならではの趣味性も加わって、「43」は、まさにこれ1台ですべてのニーズをかなえてくれるドリームカーだ。

  • 標準モデルのCクラスにもドレスアップ仕様の「AMGライン」が用意されているが、こちらは3LV6エンジンと4WDシステムがAMG開発の専用品となる。まずこれがいい。インテリアのパネルなどはあとからドレスアップできるが、パワートレインは変えられないからだ。試乗車は真っ赤なレザーシートを装備していたが、こういう演出もうれしい。

  • V8エンジンのパワーがみなぎる「63」と比較したときに、「43」の魅力は優れた全体のバランスにある。またそれは、ベースモデルであるCクラスのよさでもある。つまり、どんなシチュエーションでも楽しめるというわけだ。それでいながら、ドライブモードを「スポーツ」や「スポーツ+」にすれば、AMGに期待するどおりの動きをするのだからたまらない。

九島辰也の試乗判定(1件)
平均点 4.8
  • ポジショニング 5.0
  • 装備 4.5
  • 走り 5.0

グーワールド 編集部

  • 「C43」のコンセプトは、V8モデルに対して価格を下げた廉価版という位置づけではなく、日常性とスポーツ性能のバランスを突き詰めたというもの。そのコンセプトは、多くのユーザーを取り込み、AMGの世界を大きく広げるきっかけになりました。ベースのCクラスは日本市場にマッチしたボディサイズですので、デイリーユースにもうってつけです。

  • ベースモデルのAMGラインは、主にホイールなどのルックス面をAMGに近づけています。一方で「C43」では、V6ツインターボエンジンを筆頭に、メカニズム面にもAMGならではの高性能なアイテムが装備されています。サスペンションやステアリングやESPのセッティング、トランスミッションや4WDシステム、エキゾーストもAMG専用部品です。

  • 通常モデルの4MATICは、どちらかといえば、どのような天候、路面でも安全に走るための装備。それがAMGの手にかかると、ドライバーを楽しませるための操縦性重視のものになります。具体的には31対69というリアよりのトルク配分により、まるでFR車のような意のまま感の強いハンドリングなのです。この走りこそ、まさにAMGの世界です。

グーワールド 編集部の試乗判定(1件)
平均点 4.8
  • ポジショニング 5.0
  • 装備 4.5
  • 走り 5.0

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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