輸入車
更新日:2026.01.06 / 掲載日:2026.01.06

感性と知性を刺激! ドライバーを熱くさせる“走り”が魅力の輸入車

クルマの本質的価値にこだわる【右脳と左脳を刺激する走りのテクノロジー】

文●石井昌道 写真●ユニット・コンパス、ポルシェ ※ナンバープレートは、一部はめ込み合成です。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2026年2月号「10年乗りたくなる傑作に出会う【惚れたら勝ち!】」記事の内容です)

「走りがいい」と評判のクルマは何が違うのか。理論派で知られる自動車ジャーナリストの石井昌道氏が、感性と知性、そのどちらをも刺激するモデルを紹介する。

走らせれば体感できる作り手の意図と技術力

 初めてA110に試乗するとき、まずは様子見と思ってアクセルペダルを1/3程度踏み込んで発進させてみた。するとエンジン回転が2000rpmを超えたあたりからトルクが盛り上がり、ボディに羽根が生えてフワリと浮遊したかのような、不思議な加速感に右脳が痺れた。

アクセル開度から想像するよりも強めに背中を押され、さらに踏み込んだらどうなるのだろう? という期待が膨らむ。誘惑に負けて踏み増していくと7000rpmまでシャープに吹き上がってシフトアップ。DCTのシフトチェンジは電光石火で加速の途切れは最小限に抑えられ、弾けるような加速が続いていく。

 「これこそ軽さの勝利だ」と左脳で考えつつ迫ってきたコーナーに対してドンッとブレーキング。これまた軽いので想像以上に速度の落ちが早く、フロント44%・リア56%の重量配分ゆえに姿勢が前のめりになりすぎずに安定している。

 ステアリングを切り込んでいけば間髪入れずにノーズが反応。アンダーステアらしき傾向はまったく見せずにグイグイとインへ向いていく。こんなに俊敏なハンドリングなのに、ペースを上げていってもリアは粘っこく路面を捉え続けているので不安にはならず攻めていける。なるほど、4輪ダブルウィッシュボーンを選択しただけのことはある。しなやかでよく動くサスペンションは路面の凹凸を見事にいなしながら、ストロークしていっても接地変化が少ないからこの上なくコントローラブルなのだ。ハイドロリック・コンプレッション・ストップによって路面から大きな入力があっても姿勢が乱れない。リアが信頼できるからミッドシップのノーズの軽さを活かした、限りなくニュートラルに近いハンドリングを実現できている。

 A110に乗れば、誰でもが軽くてよく曲がることを直感するだろう。その理由はアルミ製プラットフォームと、ラリーなどで培ったシャシーのテクノロジー。右脳も左脳も同時に腑に落ちるのだ。

Profile:モータージャーナリスト 石井昌道
自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。ワンメイク・レース等へ参戦しドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。エコドライブの研究、および一般ドライバーへ普及させる活動も行う。

[輸入車惚れ込みポイント]走りに対するポリシーと熱意がステアリングから伝わる

 走りに定評のある輸入車には、それぞれに走りに対する独自の世界観やポリシーがある。だからこそ、そこに共感できるオーナーたちが熱心なファンとなるのだ。それはサーキットで限界走行をせずとも伝わってくるもので、街中でもふとした瞬間に頬が緩むような気持ちになれる。

NAVIGATOR’s CHOICE[by MASAMICHI ISHII]

[アルピーヌ A110]峠を走るために生まれたフレンチ・ミッドシップ

 2017年に復活したA110だが、2026年3月にはオーダーストップ。残念ながらエンジン車としては一代限りのモデルとなってしまった。武器はシャシーの95%以上をアルミ製とした軽さで約1100kg。1.8Lターボは低回転から太いトルクを発生するので軽量ボディとの組み合わせで独特の加速感がある。ダブルウィッシュボーンのサスペンションは実際にストロークが長くしなやかだ。

軽さにこだわり続けてきたモデルらしく、限定車「R 70」(写真右下)では車体上部にカーボンを採用し重心を下げている。

[ポルシェ 911 カレラT]MTが象徴する走りへの純粋さ

 RR(リアエンジン・リア駆動)という形態のまま60年以上も続いている911。単一銘柄でこれほど長く続いているスポーツカーは他にない。運動性能だけを追うならばミッドシップのほうが有利だが、911を支えるファンはそれを良しとしない。様式美ともいえる駆動方式だが、アクセルを踏みつけたときに強烈に背中を押される感覚は他では味わえない。それが病みつきになるからやめられないのだ。

「カレラT」は軽さによるピュアな運転体験を追求。スポーツカーの魅力が性能だけでないことを教えてくれる。

[フォルクスワーゲン ゴルフGTI]50年もの歴史を重ねてきた元祖ホットハッチ

 ホットハッチの元祖であるゴルフGTIも911とほぼ同時期デビューで50年続いている。ハイパワーなエンジンを搭載することでドイツ・アウトバーンの追い越し車線を走り続けられる性能を持たせたモデルで「FFの実用車なのにおそろしく速い」というギャップが魅力。今ではさらにハイパフォーマンスな4WDのゴルフRもあるが、ゴルフGTIのほうがヤンチャな味付けでドライバーを熱くさせるのだ。

実用性を備えたハイパワーFF車というキャラクターは初代から不変。チェック柄のシートも象徴的なデザインだ。
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石井昌道(いしい まさみち)

ライタープロフィール

石井昌道(いしい まさみち)

自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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