輸入車
更新日:2025.02.11 / 掲載日:2025.02.11
EV普及のカギを握る“充電インフラ” 欧米ブランドはどう動く? 最新のEV充電事情を解説!

[輸入EVの充電事情]進化する充電設備と電動プラットフォーム
文●ユニット・コンパス 写真●テスラ、ステランティス、メルセデス・ベンツ
(掲載されている内容はグーワールド本誌2025年3号「[ライフスタイルに合った1台を選ぶ]電動化最前線2025」記事の内容です)
まだまだ進化の途上にある電気自動車。とくに利便性に直結する充電関係は気になるところだ。ここでは最新の輸入EV充電事情をお伝えする。
インフラと電気自動車双方の進化が求められる
自宅での普通充電を基本として、必要な際に公共の急速充電器を利用するというのが、電気自動車の基本的な使い方。しかし給油するような感覚でもっと自由に出かけたいというニーズも無視できないし、本格的な普及に向けてまだまだ課題がある。
輸入EVでその問題に正面から向き合ったのがテスラ。自前で国内100カ所を超える急速充電ネットワークを構築。250kW(V3以上)と高出力で使い勝手に優れる。
日本で普及するCHAdeMOも、最新版では350kWに対応しているが、普及にはまだ時間がかかりそうだ。2024年末時点では、ひと口あたり150kWが最高レベル。これが機材側の現状となる。
一方で、車両を販売する輸入車ブランド側の動きも活発になってきた。利便性を高めることがブランド価値向上につながると、独自の高速充電ネットワークを構築する動きが出てきている。ポルシェ、アウディ、VWが自社ユーザーのための「PCA」を設立。加盟ブランドの販売店に設置された急速充電器を、各ユーザーが利用できるというもの。メルセデスは販売店だけではなく、大型商業施設などにも、自社ユーザー向けの急速充電器を設置する戦略をとる。
車両側も進化が続く。ステランティスグループは次世代モデル向けプラットフォームを、より大電流を受け入れられる設計とした。充電スペックやバッテリーの温度管理など、車両側の受け入れ態勢も充電量を左右する要素で、ここが各社の競争領域となっている。
普及の鍵を握る急速充電器はどうなっていくのか
これまで「なるべく広く多く設置」
設置場所:公共施設や販売店が中心
出力:50kWクラス→30分で約20kWh
2025年以降「充電サービスで差をつける」
設置場所:大規模商業施設
出力:150kWクラス→30分で50kWh以上
