輸入車
更新日:2024.07.09 / 掲載日:2024.07.09
パワートレインで選ぶ輸入車SUV レーダーチャートで比べてみた

長くSUVにはディーゼルがいちばんという状況が続いたが、電動化の加速によって状況は変わってきている。ここではパワートレインごとの個性を解説する。
文●ユニット・コンパス 写真●澤田和久、内藤敬仁、ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年8月号「SUVの魅力ってどこにあるのだろう?[SUV実態調査]」記事の内容です)
ディーゼルだけではないSUVのパワートレイン
SUV選びで大切なポイントになるのがパワートレイン選び。というのも、同じ車体でもパワートレインによってクルマのキャラクターが大きく変わってくるから。
そこでここでは、4つのパワートレインをレーダーチャートで比較して、それぞれの個性を表現している。自分の生活や使い方にマッチしたパワートレインを選ぶことで、SUVでの暮らしがもっと楽しくなる。
日本は軽油が安いこともあり、車重が重いSUVにはディーゼルエンジンという組み合わせが2010年代に流行した。もちろん、今でも多くのSUVがディーゼルを搭載するが、近年では電動化が進んだことでディーゼル以外の選択肢も非常に魅力的になってきている。
大きく区別すると、街乗り派はガソリンHV、毎回ある程度以上の距離を乗るならディーゼル、新しいライドフィールに興味があるなら電気自動車、電気自動車の感覚と内燃機関の利便性どちらも欲しいならPHEVといったところ。
電動化の比率が高いほど運転しやすく静粛性も高いが、コストパフォーマンスは悪化する傾向にある。
[ディーゼル]長距離走行での低コストが光る
一時期、輸入SUVのパワートレインといえばディーゼルというほど人気があった。新車では環境性能を強化した仕様が販売されている。ランニングコストと航続距離に関しては、いまだ圧倒的に優れている。短時間での走行には向かないため、ある程度走行距離を乗る人向け。

初期投資 | 4 |
ランニングコスト | 5 |
航続距離 | 5 |
運転のしやすさ | 4 |
静粛性 | 2 |
Visual model : BMW X1

遮音性が高く走り出してしまえば音や振動はほぼ感じない。運転のしやすさもさすがだ。
[ハイブリッド]バランスに優れ街乗り派にもマッチ
輸入SUVのHVは、モーターが補助的なマイルドHVが多い。モーターによる補助は限定的だが、シンプルなシステムのため費用対効果に優れる。それでもストップ&ゴーへの貢献度は高く、街乗りをメインに考えているなら扱いやすさを含め、全体的にバランスが取れている。]

初期投資 | 5 |
ランニングコスト | 3 |
航続距離 | 4 |
運転のしやすさ | 3 |
静粛性 | 3 |
Visual model : ボルボ XC60

グレード名に「B」の文字が入るのがマイルドHV仕様。完成度が高く扱いやすい。
[PHEV]大排気量エンジンの代替的なキャラクター
ガソリン車と電気自動車の両面を持つのがPHEV。数十kmのモーター走行が可能で、自宅に電源があれば、電気自動車のようにも使える。輸入SUVの場合、従来の大排気量グレードを置き換えるキャラクターが多く、性能は非常に高いが費用対効果はあまり高くない傾向がある。

初期投資 | 2 |
ランニングコスト | 4 |
航続距離 | 4 |
運転のしやすさ | 5 |
静粛性 | 4 |
Visual model : ランドローバー レンジローバー イヴォーク

高い走行性能と街乗りでのスムーズさを両立。1.5Lエンジンとは思えない力強さだ。
[EV]特性を理解すればSUVとの相性は◎
モーターによりタイヤを駆動する電気自動車は、じつはSUVとの相性がいい。モーターは停止状態から重いものを発進させるのが得意だからだ。一方で、現代の技術では航続距離が短く、残り少なくなってからのリカバーに時間がかかるのが欠点。そこを理解して選びたい。

初期投資 | 2 |
ランニングコスト | 5 |
航続距離 | 3 |
運転のしやすさ | 5 |
静粛性 | 5 |
Visual model : アウディ Q4 SPORTBACK e-tron

82kWのバッテリー容量を搭載して、走行可能距離は594km(WLTCモード)と実用的。