輸入車
更新日:2023.11.01 / 掲載日:2023.07.04
輸入車を認定中古車で選ぶメリットとは? おすすめモデルも一挙紹介!【認定中古車特集】
認定中古車特集/間違いない1台を手に入れる最短距離[認定中古車を賢くねらう]
写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2023年8月号の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
※中古車参考価格はすべてグーネット2023年6月調べ(認定中古車のみ)。
中古車購入で大切なのはリスク管理なのは言うまでもない。購入後のカーライフを存分に楽しむためにも、間違いのない1台を選ぶべき。だとするなら、あなたが選ぶべきは認定中古車。グーワールドがオススメするモデルを一挙紹介する。
[CASE-01]現行モデルを予算300万円を目処に購入する
文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス
認定中古車の購入を考えるうえで、覚えておきたいマジックプライスが300万円。プレミアムセダンから人気のSUVまで、輸入車の魅力を存分に味わえる価格帯だ。
初めての輸入車としても購入しやすい価格帯
輸入車入門として、認定中古車はオススメしやすい選択だ。何しろ、私自身、初めての輸入車は20代半ばで購入した認定中古車だったからだ。店頭に並ぶのは、メーカーの厳しい基準をクリアした優良物件のみ。付帯する保証は手厚く、高年式車ならば、期間の延長も可能。購入後の必要なメンテナンスは、新車と変わらず、ディーラーで行ってくれる。また全国各地にネットワークがあるので、もしもの故障時は、出先でも現地の店舗に頼ることもできる。
認定中古車は、高年式車が中心なので、高価というイメージがあるかもしれないが、そうとも限らない。車種によっては、現行型車を300万円の予算でねらうことも可能。国産新車の予算で、憧れのクルマを手にできるというわけだ。
現行型の魅力は、新車購入に近い満足感が得られること。ビジュアルはもちろんだが、装備についても同様で、先進機能も充実している。もちろん、一部機能がオプションであることや年次毎のアップデートによる内容の差は、調べる必要があるが、認定中古車は、新車ディーラーが取り扱うため、販売員も仕様の違いに詳しく、疑問点を尋ねれば、即解決だ。
ねらい目なのは、ずばりセダン。SUVブームに押され気味だが、欧州車の走りのよさを知るには、まさに打ってつけ。トランク容量も見た目よりも大きいので、実用性も高い。上級車ほど質感も高いので、できればDセグメント級をねらいたいところ。
ねらい目は、熟成域となったアウディA4とVWパサートだ。いずれも後期型に進化しているものの、予算的に前期型になるが、ビジュアル面での差も少ない。A4ならば、4WD「クワトロ」、パサートだとクリーンディーゼルTDIも見つかる。
個性的なスポーツセダンを望むならば、イタリア車のアルファ ロメオ ジュリアという選択もある。このほかにも流通数やグレードが絞られるが、定番のBMW3シリーズセダンを始め、英国車ジャガーXEやボルボS60なども候補だ。また欧州セダンの場合、ステーションワゴンを設定していることも多いので、同時に検討してみる価値あり。前述の車種ならば、A4とパサート、数は少ないがボルボV60が候補となる。
もちろん、人気のSUVだってねらえるが、現行型だとコンパクトクラスが基本だ。コンパクトといっても、コンパクトハッチと比べると、車内は広く、ファミリーカーとしても活躍してくれる。ねらい目は、お洒落な個性派SUV。BMW X2、MINIクロスオーバー、シトロエンC3エアクロスSUVなんて選択は、ファッションにこだわりを持つ人には、生活に彩りを与えてくれる相棒となるだろう。
ただファミリーカーならば、もう少し大きいほうがと思うのもたしか。ならば、VWティグアンを押したい。前期型には、今はないTDI×4WDも選べ、アクティブなファミリーには、いい選択となるはずだ。
300万円の認定中古車ライフでも、意外と夢にあふれているのだ。
プロフィール:自動車ジャーナリスト 大音安弘
クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。
[アウディ A4]アウディならではの高級感を味わえる
2016年に5代目に進化。20年10月にマイナーチェンジ。アウディ上級モデルのエントリーとして縦置きエンジンを採用し、FFと4WDを用意。現行型は、静粛性が高く、乗り心地も良好。そのキャラは、前期型のほうが強いため、高級車らしい走りが望みなら、よい選択だ。予算内でも、2L4WD車のセダンとアバント共にねらえる。
中古車参考価格帯:90万円~520万円(16年~23年 全グレード)
[フォルクスワーゲン パサート]派手さはないものの高い実力を備えたモデル
2015年7月に6代目に進化。21年4月にマイナーチェンジ。派手さはないが、シックな内外装が魅力の真面目な上級車で、快適性は高い。前輪駆動のみで、1.4Lと2Lのガソリン車と2Lディーゼルを設定。後期型は、ガソリン車が1.5Lに変更されるなど改良点もあるが、前期型も装備が充実しており、総合力は高い。
中古車参考価格帯:150万円~440万円(15年~23年 全グレード)
[アルファ ロメオ ジュリア]選択肢の豊富なスポーツセダン
2017年10月発売のイタリアンスポーツセダン。最大の特徴は、FR車なこと。現在は、2L直4ターボの右ハンドル車に集約されたが、左ハンドルやディーゼルエンジン、4WDなどのさまざまな仕様が存在。初期型の乗り味は、スポーツカーのようにハード指向だ。
中古車参考価格帯:220万円~660万円(17年~23年 全グレード)
[BMW X2]機械式にも対応する小型SUV
個性派コンパクトクーペSUVとして、2018年4月に新登場。小改良のみで、ビジュアルの変化はない。基本構造を、先代X1と共有する。1.5LエンジンがFF車で、2Lエンジン車が4WD車となる。全高を抑えたことで、多くの機械式駐車場にも対応できるのも強み。
中古車参考価格帯:200万円~530万円(18年~23年 全グレード)
[CASE-02]ミディアムクラスをあえてねらい打つ
価格と品質のバランス、つまりコストパフォーマンスを考えるなら、ミディアムクラス。ドライバーズカーの最高峰にも手が届く。
各ブランドの魅力を凝縮したモデルたち
輸入車に乗りなれた人のステップアップの定番といえば、ミディアムクラスだろう。このクラスは、ビジネスユーザーが多いため、耐久性や快適性などの総合力は、最上位のセダン並みが求められる。
その姿勢は、モデルチェンジにも表れており、フラッグシップとなるラージセダンの次にモデルチェンジせず、コンパクトセダンの後となるのが、恒例。このため、機能の目新しさこそ薄れるが、磨き上げたうえで搭載される。だからこそ、値ごろ感のある前期型も勧めやすい。
その代表格となるのが、ドイツ御三家のメルセデスEクラス、BMW5シリーズ、アウディA6の3台だ。しかも、これらは、ステーションワゴンが選べるのも、フラッグシップとなるラージクラスにはない魅力となる。また名称が異なるミディアムモデルを含めれば、クーペやカブリオレといった趣味性の高い選択も可能なのだ。
維持費については、ダウンサイズとなる2Lエンジン車が主力なので、抑えやすいのもうれしいところ。
最もねらいやすいのは、先代となったばかりの5シリーズセダン。300万円以内からでもねらえる。ワゴンは、350万円以内からとなり、少し高めだ。Eクラスはセダンとワゴン共に、350万円が入り口となり、もう少し予算があるといい。A6は、19年登場と比較的新しいので、450万円以内からとなる。
上級車だけにどれも仕様や装備に不足はない。認定中古車ならば、手頃なものでも満足度は高いはずだ。
[BMW 5シリーズ(先代)]つい先日まで現行型だった実力派
2017年に登場した7代目。20年のマイナーチェンジでは、先進機能を強化した。先ごろ、セダンのフルモデルチェンジが行われたばかり。BMWらしいスポーティさを備えつつ、落ち着きのあるスタイルに仕上げた。主力となる523iは、2L車だが、性能面に不足はなし。燃費とパワーに優れる2Lディーゼルの523dも悪くない選択だ。
中古車参考価格帯:240万円~810万円(17年~23年 M5を除く)
[メルセデス・ベンツ Eクラス]オススメは静粛性の高いディーゼル搭載車
2016年に導入を開始した現行型で、20年にマイナーチェンジを実施。セダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレと種類も豊富。機能面では、富裕層のドライバーズカーとしても愛されるため、前期型でも先進機能は充実。静かなディーゼルの220 dがオススメ。
中古車参考価格帯:290万円~800万円(16年~23年 AMGを除く)
[CASE-03]新車時に高額なモデルこそ、中古車で!?
中古車の醍醐味は、新車では夢のまた夢と思っていたクルマに乗れること。じつは新車価格が1000万円級のクルマこそ、認定中古車が輝いてくる。
高額車両は認定中古車であっても値落ちが大きい
一部の人気車を除き、中古車の原則として、高額車ほどお買い得になる。その傾向が最も強いのが、フラッグシップセダンだ。新車時は1千万円級のモデルでも、先代となれば、価格も落ち着く。
年式や仕様によるが、メルセデスのSクラスやBMW7シリーズなどの定番モデルでも、400~500万円の予算でねらえる。もちろん、予算重視するならば、一般の中古車店で購入することで、出費を抑えるという考え方もある。そこで注目したいのが、購入後の維持費だ。
一般的に高額車ほど補修部品も高い。安く購入できても、修理代が嵩めば、結果的に負担増となる。そのためには定期点検履歴の明確なクルマを選ぶことが重要。しかも、認定中古車なら、しっかりとした納車前点検に加え、手厚い保証が付帯される。さらに有償で期間延長ができるケースも多い。急な大きな出費のリスクを抑えられる認定中古車は、安心なカーライフへの近道なのだ。
個性的なモデルをねらう際も、認定中古車は強い味方となる。流通台数が限られるため、よりクルマ選びが難しいからだ。たとえば、EVへのシフトを表明するジャガーは、伝統の世界観を味わう最後のチャンス。最上級サルーンのXJは、品のある豪華内装も楽しめ、走りもスポーティ。しかも価格は、超リーズナブル。またイタリアン車のマセラティにも認定中古車があり、最上位のクアトロポルテも、お得感がある。
一生に一度の夢を叶えたい人にも、認定中古車は賢い選択といえよう。
[ジャガー XJR]英国ブランドのフラッグシップモデル
2010年~2020年に販売された4代目XJ。快適なサルーンだが、スポーティな走りも得意としてきた同車の最高峰が、高性能なXJRだ。5LV8スーパーチャージャーエンジンは、最高出力575馬力、最大トルク71.4kgmを発揮。純粋な内燃機関を搭載するジャガー最後の味わいが魅力。
中古車参考価格帯:690万円~1090万円(13年~23年 XJR全グレード)
[メルセデス・ベンツ Sクラス(先代)]メルセデスの最高峰にも手が届く
2013年~2020年に販売された6代目。高性能なAMGや後席のおもてなしを高めた最上級のマイバッハも用意。燃費重視のディーゼルハイブリッドから最後のV12気筒車など幅広いラインアップを持つ。オススメは、後期型で登場した直6ディーゼルの「S 400d」だ。
中古車参考価格帯:380万円~980万円(13年~21年 AMGを除く)
[CASE-04]価格で勝負するなら、先代モデル縛りで
国産車の中古車とさほど変わらない予算であっても、輸入車ならではの走り、使いやすさ、デザインを味わいたい。そんな人にオススメしたいのが先代モデルという選択肢。
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
認定中古車を選ぶべきこれだけのメリット
認定中古車選びの最後を締めくくる先代モデルこそ、最もオススメしたい購入法だ。高年式の先代モデルを勧める理由は、大きく3つある。
まずは車両の完成度の高さだ。近年は日本車でも年次改良による熟成を図るメーカーも増えているが、欧州車では伝統的なお約束。だからこそ、自身が乗る頃には、新型が登場するのにもかかわらず、先代の最終型をねらう人がいるほど。ワインのように、新鮮さだけでなく熟成度を重視する感覚もあるのだ。
その際、気になるのは安全面を含めた先進機能だろう。時代のニーズもあり、昨今は、モデル途中でも、新機能の追加や大幅アップデートが加えられるケースはめずらしくない。
たしかに最新式に劣る部分もあるが、先代モデルの高年式車ならば、必要十分な内容といえる。その点についても、認定中古車ならば、機能や性能差についても、明確な説明が受けられるため、納得のうえ、購入を決断することができる。
続いては、コスパだ。新型の登場により、より価格は落ち着く傾向になることが多い。さらに近頃は、装備の進化分だけでなく、為替や資源価格の高騰による新車価格の上昇が著しく、従来の1クラス上と変わらない価格になりつつある。これまでの予算では、同等クラスの新車購入が難しくなっているのが現実だ。もしも、年齢や生活環境により愛車のダウンサイズを図りたいと考えているならば問題にならないが、家族構成や趣味などを理由に車格にこだわりたい人には、厳しい時代といえる。あえての先代モデル選びは、譲れない選択を守る手段にもなり得るのだ。
最後は、今だけの価値が味わえること。これは、主にクルマ好きや特定のブランドファンに向けたものだが、今の自動車は、100年に一度といわれる大変革を迎えている。このため、従来との価値に別れを告げるブランドも多い。具体的な車種で例をあげると、小さな本格派BMWとして人気を得た1シリーズは、伝統のFRレイアウトを捨て、FF車に生まれ変わった。電動化に舵を切ったボルボは、V40のようなコンパクトハッチから撤退している。まだ認定中古車が選べる今こそが、かつてのブランドの味を楽しむ最後の機会となりつつある。
認定中古車を選ぶ際にも、いくつか注意点がある。まずは認定中古車店に並ぶクルマのすべてが認定中古車とは限らないことだ。主に年式や走行距離を理由に認定中古車の基準には当てはまらないものの、状態のいいものが販売されているケースもある。店舗独自の保証や現状販売となるケースもあるが、内容に納得できるなら、悪くない選択だ。しかし、不要な出費を抑えたいならば、認定中古車がベターだ。1年~2年間の保証が付帯され、さらに延長できることが多い。たとえば、VWならば、10年10万km以内のクルマなら、有償で最大2年まで延長可能。上手に活用すれば、少し懐かしいモデルにも安心して乗れるうれしい制度でもある。またブランドや車種で延長保証の内容と料金は異なるので、その点もしっかりと事前に確認すべきだが、期間中に保証対象の修理が発生すれば、お得なケースがほとんど。私自身、保証修理時の費用を聞いて、ホッとした経験がある。
ぜひあなたにも、認定中古車制度のメリットを最大限活用して、輸入車ライフを満喫してほしい。
[フォルクスワーゲン ゴルフ(先代)]先代モデルとなっても色褪せない1台
世界中の小型車作りに影響を与えてきた名車、ゴルフの7代目。2013年6月に発売され、14年1月よりワゴン「ヴァリアント」を追加。17年5月にマイナーチェンジ。21年6月に現行型へ。全車ターボ車で、ガソリンの1.2Lと1.4L、ディーゼルの2Lがメイン。前期型のお手頃車も多いが、オススメは、通称「7.5」と呼ばれる後期型だ。
中古車参考価格帯:70万円~300万円(13年~21年 Rを除く)
[メルセデス・ベンツ Cクラス(先代)]価格と内容のバランスが良好
2014年~2021年に販売された4代目。メルセデス上級車の入り口として、絶大な人気を誇る。初期型なら、かなりお手頃。ただし、長く愛用するなら、大幅アップデートを受けた18年7月以降の後期型がねらい。電動化や機能強化など見どころ満載だ。
中古車参考価格帯:180万円~460万円(14年~21年 AMGを除く)
[BMW 3シリーズ(先代)]その走りは今でもなお魅力的
2012年~2019年に販売された6代目。現行型よりも小ぶりなサイズも魅力。伝統のFRレイアウトを採用し、一部モデルが4WDに。激レアなセダンのMTもあり。320iが主力だが、軽さを武器とする318iもいい。
中古車参考価格帯:130万円~330万円(12年~19年 M3を除く)
[BMW 1シリーズ(先代)]BMWらしい走りが味わえるコンパクトカー
2011年~2019年に販売。15年に後期型へ。特徴は、FRレイアウトのハッチバックであること。ねらいは、質感の向上した17年8月の改良型以降のもの。トータルバランスでは、ファッショニスタがオススメ。
中古車参考価格帯:120万円~370万円(11年~19年 全グレード)
[プジョー 308(先代)]フランス車の実力の高さを実感する実用車
2014年~2021年に販売。先代ゴルフの強敵として大活躍。ワゴン「SW」は専用ボディで、ワゴンの使い勝手を追求。主力は1.2Lターボ車だが、ディーゼル車なら、価格の落ち着いた1.6Lターボ車もいい選択だ。
中古車参考価格帯:100万円~250万円(14年~22年 全グレード)
[ボルボ V40(2代目)]大ヒットした傑作ショートワゴン
2013年~2020年に販売。ボルボ最後の小型ハッチバックとして、人気が高い。ボルボが起死回生を賭けたモデルでもあり、走りや質感も高い。認定中古車は、6年落ちまでとなり、熟成された後期型のみだ。
中古車参考価格帯:70万円~290万円(13年~20年 全グレード)