新車値引き情報
更新日:2022.04.20 / 掲載日:2022.03.26

X氏の値引き大作戦 アクアから21.7万円引き!

モビリティの牙城を崩せ! 埼玉総動員で東京を総攻撃!! 巨大ディーラーがついに陥落!?

【プロローグ】 現在、乗っている初代アクアは新車から8年が経過していますが、走行距離は3万7000kmで、まだまだ快調(燃費は平均25km/ℓ)に走ってくれています。したがって「車検を通して乗りつぶすのもアリかな」と思っていました。
 しかし、月刊自家用車の最新号によれば「新車の納期遅延に起因して中古車の相場が大きく上昇している」とのこと。だったら買い替えのチャンスじゃないか! とひらめいて急遽、新車の購入を決心しました。
 過去のクルマ選びは「これしか眼中にない!」という、一択状態だったのですが、今回はいろいろなモデルが選択肢としてあがってきたので競合交渉がやりやすくなっています。
 商談に入る前に候補車をあらかじめ試乗した結果、本命は一応、新型アクアとなりました。ただし、ほかの候補車も魅力的なので、どれも最終選考に残る可能性があります。
 なお、現在のアクアは貴重な“生活の足”としてフルに稼働しているため、納車まで片時も手放せません。したがって、買い取り専門店への売却ではなく、ディーラーへの下取りを前提にしています。ちなみに、事前に大手買い取り専門店に査定してもらったところ「いますぐに引き渡してくれれば40万円くらい」との評価でした。

【12月18日(土)】 トヨタを攻略するには「4系列の販売店と商談して相見積もりを取る」のがセオリーですが、私の住んでいる東京地区は数年前に4系列の販社が統合して「トヨタモビリティ東京」という、巨大ディーラーが出現しています。したがって、残念ながらトヨタ同士の競合がやりにくい状況となっています。
 作戦会議の際、松本さんからは「東京はこれまで日本有数のトヨタ激戦区でしたが、統合後は一転して無風地帯となってしまっています」との説明を受けました。ただし、幸いにも自宅からちょっと走れば、埼玉県に越境できます。
松本「埼玉には経営資本の異なるトヨタの販社がたくさんあって、以前から“激戦区”となっています。そこで、埼玉のトヨタを先行させて東京に揺さぶりをかけるという戦術を採ると効果的です」
 このアドバイスにしたがって、まずは埼玉のトヨタA店をアポなしで訪問してみました。 
 下取り車のアクアを査定してもらうと39万円とのこと。
 続いて新型アクアとカローラスポーツの見積もりを出してもらいましたが、肝心の値引き額は未記入です。
X「値引きはどのくらいになりますか?」
「通常はアクアが10万円、カローラスポーツが20万円くらいですが、決めていただけるのなら、もう少し頑張れます」
X 「有力候補がほかにもいろいろあって迷っているので、すぐには決められません。ところで、新車の納期が遅れているそうですね。納車の時期はいつ頃になりますか?」
「アクアが2月頃、カローラスポーツは4月頃になります」
X「下取り額の39万円は納車時まで据え置きですか? それとも再査定になりますか?」
「納車時期を考慮して査定しているので、39万円はお引き渡しまで保証いたします」
 次は埼玉のトヨタB店。応対してくれたのは明らかに新人と思われるセールスさん。正直、期待していませんでしたが、いきなりやってくれました。
 提示してきた下取り額はなんと、47万5000円! トヨタA店より8万5000円も高い。しかも「この金額は納車まで保証します」とのこと。
「値引き額ですが、私が出せるのは、アクアは15万円、カローラスポーツは25万円です。これ以上となりますと上層部に掛け合う必要があります」
 納車予定はアクアが3月、カローラスポーツが4月頃でした。

【12月19日(日)】 自宅近くの日産へ。先日、ノートを試乗させてもらったセールスさんにアポをとっておきました。
「アクアの下取り額は25万円です。ノートの値引きは10万円くらいですね。注文生産だと納期は2月頃になってしまいますが、在庫車を選んでいただければ、納期を早められるし、値引きも上乗せできます」
X 「納車は急いでいないのでとくに気にしていません。他社のクルマも検討しているので、即決はできません」
 下取り額が低すぎます! これを聞いた時点で、日産は候補から外れてしまいました。
 近所のホンダA店。こちらも試乗のときに応対してくれたセールスさんで、とても丁寧で感じのいい人です。
 アクアの下取り額は35万円。トヨタだけでなく、ホンダでも30万円を大きく超えてきました。となると、日産の25万円はいったいなんだったのか!?
「フィットの値引きは一応、10万円です。ただし、最終的に決めるような状態になったら、Xさんのご希望やお気持ちをおうかがいした上で、お値引きを含めてできる限りのことはさせていただきます」
 納車予定は2月頃でした。
 夕方、自宅近くのスバルへ。アクアの下取り額は41万円と思ったより高値が付きました。インプレッサスポーツの値引きは14万円で、納期は2月。値引きがさらに上乗せできたら、有力候補となりそうです。

納期が遅れても“据え置き”でね♪ さすが“激戦区”、上乗せラッシュ!

【12月25日(土)】 再び埼玉に越境。ホンダB店へ乗り込みました。
 下取り額は20万円と期待外れ。フィットの値引きも7万円とシブチンです。セールスさんのノリが悪く、地元・東京のホンダA店には追いつけそうな雰囲気はありません。収穫なしで終了です。
 続いて埼玉のトヨタC店へ。
 下取り額は46万円。トヨタB店に次ぐ高額査定。もちろん納車まで据え置きしてくれます。値引きはアクアも“カロスポ”も同じ20万円引き。
 嬉しい気持ちを抑えつつ、東京に戻りました。
 埼玉のトヨタ3店と商談してある程度の数字が引き出せたので、いよいよ東京の巨大ディーラーに挑むことにしました。
 これまで乗ってきたアクアでお世話になっているセールスさんにアポを取って訪問。この人とはその前のヴィッツからの付き合いで、購入時には値引きを頑張ってくれるし、アフターサービスではとても細やかなフォローをしてくれるので、できたら3台目もお世話になりたいと思っています。ただし、今回は4系列の統合という、新たな展開があったあとなので、果たしてどうなることやら……。
 早速、査定してもらうと、下取り額は「納車時まで据え置きの44万円」とのこと。
「Xさんのことですから、他店もまわられているかと思いますが、下取り額、いかがですかね?他店より安いのではないかとちょっと心配で……」
X「一番ではないけれど、高いほうですよ」
 提示してきたアクアの値引き額は14万円、“カロスポ”は13万円でした。
「モビリティに統合してから、値引きが厳しくなっているんです。ただし、他社との比較となれば、もう少し頑張れます」
 1回目の商談がひととおり終わったので、試乗フィーリングと見積もりを踏まえて候補車の絞り込みをしました。
 妻とも話をした結果、以下の通りとなりました。
•ガソリン車のカローラスポーツとインプレッサスポーツは燃費が今より悪くなるし、かといって、ハイブリッド車よりそれほど安くなるわけでもないので、今回は見送りの方向。
•ノートは高すぎる。予算オーバー確実なので見送りの方向。
 ということで、アクアとフィットの一騎討ちの様相となってきました。

【12月26日(日)】 見送りの方向とはなりましたが、淡い期待をもって日産を訪問。前回のセールスさんに状況を伝えると、
「いくらくらいなら購入を再検討してくれますか?」
X 「支払い総額250万円くらいですね」
「うわー、厳しいですね……とても出せそうにありませんが念のため確認してきます」
 奥から戻って提示してきたのは支払い総額292万円。内訳は確認できなかったのですが、値引き+下取りで約56万円でした(前回は35万円)。
 スバルとも最終商談。
「下取り額(前回41万円)は増やせませんが、値引きは29万円くらいまでいけます」
 いったん自宅に戻った後、スバルから電話が入りました。
「上司が『今月は数字が欲しい』とのことで、10万円上乗せしてくれました。値引きは39万円まで出します」
 これでインプレッサスポーツの支払い総額は240万円。かなり頑張ってくれましたが“アクア推し”の妻を納得させるまではいきません。
 年内の商談はここまで。トヨタとホンダのセールスさんに「正月明けに決めるつもりです」とメールしておきました。

【1月7日(金)】 埼玉に越境。これまで商談していなかったトヨタ2店に挑みます。
 まずは顔見知りのセールスさんがいるトヨタD店へ。
 競合を伝えたところ、アクアの値引きはいきなり25万円。ただし、下取り額は38万円。
「上司の決裁をもらっています。これが限界です」
 残念ながら、さらなる上乗せは難しそうです。
 続いてトヨタE店。ここも顔見知りのセールスさんが相手ですが、値引き25万7000円、下取り35万円でストップしてしまいました。

【1月8日(土)】 クルマ選びもいよいよ佳境です。まずは埼玉のトヨタA店へ。これまでの経過とトヨタ同士の競合を伝えたところ、いったん奥に引っ込んで戻ってきました。
「Xさん頑張りました!」
 下取り額は前回の39万円から48万4000円に大きくアップ。アクアの値引きは20万円。これで、必要な付属品を含めた支払い総額は約232万円になりました。
 次はホンダB店へ。最終条件をお願いしたけれど、下取り額は前回と同じ20万円、フィットの値引きも9万6000円と低調。まったく話になりません。
 東京に戻ってホンダA店とも商談してみました。ホンダB店が残念な結果だったので、ここはひとつ、スカッとする見積もりを期待しています。
「状況はよくわかりました。奥様がアクアを気に入られているとのことですが、今度こそフィットを選択いただけるように頑張ります!」
 提示してきた下取り額は36万円でしたが「決めていただけるなら5万円上乗せして41万円で取ります」とのこと。フィットの値引きは25万円で、支払い総額は212万円。
 こちらが目論んでいた目標額210万円に近い。ここにきてフィットが浮上。もしも、アクアが目標額(225万円)に及ばなければ、フィットに決定ということも十分にあります。
 再び埼玉へ越境。トヨタB店は前回、下取り額47万5000円で、アクアの値引きは15万円でした。果たして、最終提示がどこまでいくか?
「年が変わったので、下取り額は本来なら再査定となるのですが、うちの店では12月の査定はそのまま維持とさせていただいています。値引きを合計26万円までアップして、支払い総額は227万円とします」
 おーっ! 目標の225万円にあとひと息です。
 本日の最後はトヨタC店。前回のアクアの条件は値引き20万円、下取り46万円でした。これがどこまで拡大するか?
 今回は担当セールスさんに加えて副店長さんが同席しました。提示してきた条件は値引き28万円、下取り額46万円で、支払い総額は226万円です。
X「……う~ん……」
副店長「ぜひ決めていただきたいので思い切って220万円にします。いかがでしょうか?」
X「えっ?!」
「えっ?!」
 想定外の220万円! 私だけでなく、担当セールスさんもびっくり。一瞬、決めてしまおうか……と思いましたが、東京の馴染みのセールスさんの顔が浮かんだので、いったん引き上げることにしました。
X「すいません、妻と相談するので明日まで待ってください」
 ともあれ、目標額を上回ったのでアクアに決定。あとはどこで決めるかだけです。東京のセールスさんに「明日、最終商談に出向きます。かなり頑張っていただかないと(契約は)難しいと思いますよ」と伝えておきました。

翔んで埼玉、まさかの最安値。どうする、どうなる、モビリティ……

【1月9日(日)】 満を持して東京のトヨタと最終商談です。
「埼玉さん、頑張っているようですね。状況がかなり厳しいということで、あらかじめ各所に調整を持ちかけて準備をしてあるんですが、実際、あちらはどの程度、出してますか?」
X「支払い総額220万円をいただいています」
「えーっ、どうやってそんな金額、出るんですか!?」
X「実は、私も驚いてるんですが出ちゃったんですよね」
(しばらく沈黙)「う~ん……正直、どうやっても220万円は不可能です。実は、前回の数字(下取り44万円/値引き14万円)でもうちとしてはかなり厳しいんです……ですが、今回もXさんにはぜひとも購入していただきたいと思っています」
X「私もこれまでのお付き合いも考えて、こちらから買いたいと思っているんですが……」
「うちは230万円くらいで決めていただこうかと思っていたんですが……」
X「10万円の差は『ま、いいか』と無視できませんよね」
「そうですよね。わかりました。下取り額をもう少し上げられないか、中古車部に状況を話して掛け合ってみます」
 いったん奥に引っ込んで、再び戻ってきました。
「なんとか3万円ほどアップしてもらいました、さらに端数を削って支払い総額226万円にします。これでご納得いただけないでしょうか?」
X 「では、メンテナンスパック(約3万円)を追加して支払い総額228万円になりませんか? 埼玉より高くなりますが、お店が自宅に近いという地理的な利点もあるし、これまでのセールスさんとの付き合いもあるし……OKなら決めますよ」
「わかりました。もういちど上司に相談させてください」
 しばらくして、
「OKが取れました! ガソリンも満タンにして納車します。これで決めてください!」
X「セールスさんとは長い付き合いになりますね。これからもよろしくお願いします!」
 注文書には車両本体とメーカーオプション22万1100円から10万円引き、付属品28万1600円から17万870円引きで、値引きの合計は27万870円、下取り額46万9980円となっていました。

購入データ
TOYOTA アクア
Z
From東京都
トータル値引き 27.1万円
値引き採点 5
当初は値引き14万円/下取り44万円だったが、越境作戦によって27万870円/46万9980円までアップした。1月上旬の契約で納車は3月中旬の予定。下取り額は引き渡しまで保証してくれる。

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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